縄文時代の鍋料理が食べたくて、とりあえず土から鍋を作ることにした
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はじめまして。インテリア雑誌でライターや編集をしている、大野祥子と申します。
突然ですが、みなさんのおうちに和室ってありますか? 築44年の団地風マンションのわが家は、3DKの間取りに和室が2間と、家の半分が畳の部屋です。以前は、そんな和室を「ダサいなぁ」と思っていました。ところが、いろいろあって今は和室がとても気に入っています。
はたして「和室はダサい」というイメージから、どうやって「お気に入り」に変わったのか? 和室のどんなところが魅力なのか? この記事では、そんな話をしたいと思っています。これを読むことで「うちの和室もちょっと見直してみようかな」というきっかけになればうれしいです。
まずは1年前のわが家の和室をごらんください。かなり乱れているので心してみてくださいね。びっくりしますよ。どうでしょうか。どーん。
泥棒に入られたのかな? いえ、これは散らかっている部屋を片付けようと、さらに散らかしてしまった様子です。ここはもともと娘の部屋で、畳が嫌すぎて床にマットを敷いていました。そして私の部屋だった隣の和室がこちら。
かなり年季の入ったふすまに囲まれて、圧迫感がすごいですね。窓辺の障子が破れようが、部屋が散らかろうが「まぁいっか。どうせダサいし」とあきらめていた当時の私の気持ちが伝わってくるようです。
わが家の恥部をさらしてしまい、お恥ずかしい限りです。しかし! このあとめちゃめちゃ片付けをがんばったから見て。現在の様子がこちらです。
「あれ、別の家かな?」って思いませんか? そうなんです。まさに「別の家に引越ししてきたぞ!」と妄想してゼロからやり直すことで、ここまでの変貌を遂げました。具体的にやったことはこちら。
さらっと箇条書きにしましたが、実際は引越しするくらいの労力と気力を使いました。でもそのおかげで、それまでとは段違いに家の居心地がよくなったんです。
今までダサいと思っていた和室。ところが、モノを減らしてお気に入りの家具を並べた途端、「あれ? なんか好き」と手のひらを返したように気持ちが変わったから現金なものです。改めて感じた和室のよさはこんな感じです。
右側の本棚は日本の古道具。そして左側にある青いソファは北欧のビンテージです。国はバラバラでも、古い家具と畳ってなんだかお似合いだと思いませんか? ふすまを外した代わりに腰高の古道具を仕切りにしたことで、圧迫感なくゆるやかに空間を分けることができたのもよかったです。
畳の素材はいぐさ。つまり天然素材なので、木製品や植物が似合うのは当然かもしれません。私は、ドウダンツツジなどの大ぶりな枝ものを合わせるのが気に入っています。花なら、派手すぎない色味のものを1・2色にまとめると、和室にもなじんでくれる気がします。
前は洋服や荷物がぎゅうぎゅうに詰まっていた押入れも、きちんと整理すればふすまを外しても大丈夫! ふとんは立ててしまえる無地のボックスへ、ブランケットはかご、防災グッズは……など、収納アイテムはシンプルなデザインを選ぶことで統一感を出しました。こまごました化粧品や下着・靴下は小さめの小引き出しにまとめて。片側をガーゼの布で目隠しするとすっきりしました。
「和室にはふとんでしょう」と思っていたけど、正直に告白するとふとんの上げ下ろしが超面倒でした。
そこで、空間を圧迫しない低めのベッドを導入。雰囲気が合うか心配だったけど、デザインがシンプルだからかしっくりなじんでくれてホッとしました。寝具も白で統一するとなんだかお洒落に見えるから、毎朝ベッドを整えるのも苦になりません。ふとんを敷きっぱなしにしていた過去の私は一体どこへ行ったのでしょう?
今まで畳が嫌で、マットやじゅうたんで隠していたけど、素のままの畳には清々しさがあるし、ゴロンと寝ころぶと気持ちいい。木の長押や柱もなんだかレトロで愛おしく思えるから不思議です。
聞くところによると、ここ数年は海外でも“和”や“禅”などのムーブメントがあるそうです。2020年末にPinterestが注目するトレンドとして「ジャパンディ」というワードが上がったそう。ジャパンディとは「ジャパニーズデザインと北欧のミニマリズムの融合」という意味なんだとか。なんか「和室ダサい」とか言ってごめん。
和室がお気に入りの空間になったことで、過ごし方も変わりました。たとえば、本棚をカウンターにしてお茶したり。
茶道を習ったことはないけど、気分だけでも味わいたくて畳一畳分のしつらえを作ってみたり。
今まではスナック菓子を袋のままボリボリ食べていたおやつタイムが、好きなうつわをそろえて、淹れたてのおいしいお茶とともに焼き菓子や和菓子をいただく、楽しみな時間に変わりました。がさつな私にこんな優雅な過ごし方ができるとは、自分がいちばん驚いています。部屋が片付いていると気分がいいので、自然と掃除や片付けの習慣が身に付いたのもびっくりです。空間が持つポテンシャルには、かくもパワーがあるのか……! おかげで、おうち時間を心豊かに過ごせるようになりました。
最後に、Instagramでよく質問されることをまとめました。
はい、この質問はよく聞かれるナンバーワンです。答えはベッドの下に5枚ほど入れていて、入りきらないものは別の部屋に立てかけて置いています。邪魔だけど、わが家にはもう入る隙間がどこにも見つかりません。
たぶん付きます。でも、あまり気にしていません。模様替えするときもベッドをずりずり引きずったりして、雑な性格は隠しきれません。賃貸なので、部屋を出るときに敷金から差っ引かれることは覚悟のうえです。なんかすみません。
ふだんは2・3日に1回くらい、はたきと掃除機をかけているだけです。でもせっかくなので、この記事を書くにあたってカインズの畳掃除用ウェットシート「アレル物質低減化剤配合 畳用シート 15枚」を買ってみました。
エタノールや除菌剤をしみ込ませた使い捨てのウェットシートです。洗剤が入っていなので二度拭きがいらないんです。
1枚のシートで拭けるのは約3畳分。ということで、さっそくやってみました!
拭いたシートを見てみると…(閲覧注意です!)
ひゃ~~~! めっちゃ汚れてた!! ちゃんと掃除したつもりでも汚れているんですね、畳って……。これからはちゃんと拭こうと決意しました。でも、おかげでスッキリ~!
いかがでしたか? 和室の魅力が少しでも伝わったらうれしいです。ぜひ和室ライフを楽しみましょう!