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突然ですが、福島県・会津の郷土玩具「赤べこ」はご存知でしょうか?
頭がコトコトと愛らしく動く、赤い牛のおもちゃ。「疫病退散」の縁起物であることもあり、2020年からは特にその姿をモチーフにしたアイテムも増え、ちょっとしたブームになっています。
その「赤べこ」について、ものづくりライターの中前が調べてみました。
たくさんの人に、この「赤べこ」が知られるようになったきっかけは昭和36年に発売された切手のデザインだといいます。
気になるものは、なんでも作ってみることにしているわたし。なんとか自分でも作ってみることはできないでしょうか?
今回は140年以上の歴史を持つ、民芸品店・笑美(荒井工芸所)の荒井さんにお話を聞いてみることにしました。なんでも、有名な郵便切手もこの荒井工芸所さんの赤べこのデザインが採用されているそうなんです!
荒井
元来「赤べこ」とは赤ちゃんにお祝いもので、黒い斑点は「疫病」を表現しているんです。
中前
そうだったんですね! 材料や中身はどうなっているのでしょうか? 首が揺れるのも不思議です。
荒井
「疫病などの病にかかっても重くならないように」という願いを込めて、中は空洞にして和紙などで形成した、とっても軽い「張り子」状になっているんです。
中前
へぇ〜! そんな意味が込められているんですね! 知らなかったです。
職人さんはこのように、立派な木型に和紙を貼りつけて制作して中身を抜くそう。
しかし、残念ながらわたしの手元に木型はありません。
中前
なんとかわたしも赤べこを作ってみたいのですが、木型がなくても作れるものでしょうか?
荒井
木型にこだわらなくてもいいですよ。例えば粘土とか、既存のものを組み合わせたりとかでもいいです。代わりになるものでぜひ作ってみてください。赤べこ作りって、楽しんでもらえれば自由なんですよ!
中前
寛容すぎる……! 頑張ってみます!
というわけで、早速材料集めにカインズへ行ってきました!
和紙の代わりになりそうなものを見つけました!
カインズと家にあるものでなんとか制作してみたいと思うので、今回は和紙ではなく、習字で使用する手頃な「半紙」を使ってみたいと思います。
木片や木材パーツもたくさん販売しているカインズ。これらも「型」として使えるかもしれません!
カラフルな赤べこを作るのも良いかも!?
最近では赤にこだわらず、カラフルな赤べこも作られているのだとか。せっかくなので、わたしもたくさんの塗料を買い込んで挑戦してみます。いろんな赤べこを作るぞー!!
赤べこを作るため、まずは木型の代わりになるものを作ります。今回使用するのは紙粘土。果たしてうまくできるでしょうか?
まず手に取ったのは「かるい紙粘土」。なんと言っても扱いやすさが好みです
「こんな感じかしら」と顔や胴を作っていきます
なんかそれっぽくできたかも!!
形が決まったら、半紙を剥がしやすいようにニスを何重にも塗り重ねて「カチカチ」にして、しっかりと乾燥させます。もうすでに赤べこっぽい気がしませんか? なかなか順調ではないでしょうか。
次はいよいよ張り子の醍醐味。紙を貼り付けて乾かし、中の型を剥がし出します。カッターも使うので慎重にやっていきましょう。
出来た型に油を塗ります!
まず、最初に先ほど作った型に「食用油」を塗ります。こうすることで、上から貼る半紙が剥がしやすくなるそうです。
材料はこちら!
和紙の代わりに半紙を使っていきます。のりは水に溶いておきましょう。
半紙を型に被せて、水に溶いたのりで塗っていきます!
1枚目はなるべく大きな面積の半紙で包み込みます。これも、最後に剥がしやすくするため。なかなかコツがいりますが、頑張ってやってみます!
ちぎった半紙を周りにペタペタ貼りつけていきます!
あとは、500円玉大の半紙を水で溶いたノリでぺたぺたと貼り付けていきます。貼り付けては乾かし、また貼り付けては乾かし……と5層ほど繰り返しました。ムラがないよう、均等に貼っていきます。
貼り終わったら、カラカラになるまで乾燥させます。のりで半紙が固定され、型の形状を維持してくれます。
ちゃんと固まったらカッターで切り込みをいれ、丁寧に剥がしていきます!
切り込みをいれて、剥がしていく!
重ねすぎると、剥がすのがとても大変。しかし薄すぎると脆くて扱いづらいので注意しましょう。背中からさーっと着ぐるみを脱がすように、カッターで切り込みを入れていきます。そしてパカっと型から取り外します。裂いて切れた部分はまた半紙を当てて修復します。
こんな感じに。「同じ形だ……」と思わず感動してしまいます
さて、型ができたのでここからがお楽しみタイムです。赤べこに着彩をしていきましょう! まずはスタンダードな赤から。
ターナーのミルクペイントを使っていきます
中が見えなくなるまでたっぷりと塗り重ねて、真っ赤に染めます。
白色で背中に着彩!
よく乾いたら、背中や側面、顔に思い思いの絵柄を描いていきます。プルプルと手元が震えるときは、肘を固定して落ち着いて。
次は首と胴体をくっつけます。首は上下に動かせるよう、重しをつけて糸で結んで固定します。
まずは首の先端に重しをつけていきます。重しはなんでもOK。カインズに売っている小さめのボルトやナットを使うと便利だそうです! こんな使い方があるなんて〜!
半紙に包んで首先に取り付けましょう!
重しをつけ終わったら、首の中心に糸を固定し、その糸を胴体の上部に固定します。たったこれだけ!
首と胴体を糸で固定します
完成しましたー!! かわいい!
半紙の乾燥にやや時間はかかったものの、思いの外簡単に赤べこができてしまいました! とっても軽くて丈夫です。
型さえ作ればミニサイズも簡単に!
小さいサイズも制作して並べてみると、まるで親子です。2頭でコトコトととってもかわいく揺れています。
形状をアレンジするだけで、今年の干支「虎」ができてしまいました。これはたのしい!
そして、木型の代わりにカインズではこんなものも購入。
ボンドでくっつければ、立派な型です。油をしっかり塗れば、ニスで固めた粘土よりも半紙はとっても剥がしやすくなりました。
どうしても「張り子を作るのは難しい!」という場合は、針を通すことができる程度の薄いプラスチックを使ってみるのもいいかもしれません。
カインズには大きいものから小さいものまで、たくさんの種類のボトルも販売されていました
プラスチックに限らず、いろんな形状のものが売っているので、組み合わせてみましょう!
たとえば、コルクと紙筒、そしてプラスチックボトルの胴と木片の足を接着
大きいサイズのものには、ウッドマップピンでおしりにまあるい尻尾を
コルクの犬と、胴がボトルのウサギの完成!
さらに、カインズにはこんなものも。昔懐かしいシャボン玉セットを分解してくっつけてしまえば……
シャボン玉の容器と吹き棒だけで作った、小さなべこちゃんとキリン!
荒井工芸所さんのおっしゃる通り、赤べこも自由な発想で作れば、いろんなものが完成してとってもたのしいんですね。
作りすぎて、動物園になってきた!
いくつも作っていると、すっかり張り子のどうぶつ園に。芝の代わりにしているのは、なんとヤスリなんです!
まるで”赤べこ動物園”!!
見事に揃ったどうぶつたち。はじめての挑戦にしては、ずいぶん満足できるものができました。(今ではすっかり、筒状のものを見ると「張り子にできないか……」と考えてしまいます)
縁起物のおめでたい赤べこ。みんなに幸せが訪れますように。
中前
よく見かけるけれど、いったい「赤べこ」はどういった意味を持つものなのでしょうか?