三角コーンの“中身”を改造して、やしろあずき先生に送りつけてみた
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目次/ INDEX
トイレットペーパーは生活必需品の筆頭ですが、意外と知られていない側面が多いです。
たとえば、ダブルとシングルはどっちがお得なのか。あるいは「お買い得!」と思って買ってみたトイレットペーパーの長さが実は短かったり、トイレットペーパーの紙には裏と表があったり。
私自身、ホームセンターでトイレットペーパーの販売・開発に携わっていますが、トイレットペーパーの世界は意外と奥深いです。トイレットペーパーにまつわる豆知識について私なりに紹介しますので、ぜひトイレットペーパーを購入する際の参考にしてみてください。
トイレットペーパーのことをもう少しだけ見つめていただくキッカケになれば、開発者冥利に尽きます。
まずは、トイレットペーパーを、どうやってやわらかくしているのか?
それはペーパーに対する加工と、材質によって決まります。
加工には、小さな凸凹と細かいシワの2つがあります。小さな凸凹は「エンボス」、細かいシワは「クレープ」と呼びます。これらの加工によって、ペーパーにクッション性ややわらかさを出しています。
材料を見てみると、大きくわけて2種類あります。
古紙が原料の「再生紙」と、木材が原料の「パルプ」です。最近は再生紙とパルプの両方を使ったミックスパルプもありますが、一般的に、パルプのほうがやわらかく、再生紙のトイレットペーパーにはごわつきがあります。
トイレットペーパーの幅は、どこのメーカーでもどのブランドでも同じだと思っていませんか?
実は、ペーパーホルダーに入らないトイレットペーパーがあったり、幅についてもさまざまな変遷があったりしました。
トイレットペーパーの幅は、当初、114mmが主流でした。この114mmというのは、海外から日本に初めて輸入されたときのサイズで、それがそのまま日本の基準となりました。
しかし、大元の長いロールの幅が114mmの倍数でなかったため、工場で114mmずつにカットしていったときに、ロールの端っこに“余り”が多く出てしまうという問題がありました。そのため現在では、紙を無駄にしないように工夫が凝らされ、多くの工場で108mmが主流になっています。
また、海外製品では、103mm、104mm、105mmなど、日本で使われているサイズより小さいものがあるため、ペーパーホルダーから落ちてしまうことがあります。
さらに、紙そのものの長さも、微妙に異なります。紙の長さはシングル60m、ダブル30mが基準ですが、シングルで25mや27.5mなども売られています。「お買い得!」と思って買ってみても、実は長さがちょっと短い、なんてこともあるので意識してみてください。
トイレットペーパーの2倍巻きは、今やホームセンターでも定番品の位置づけですが、発売当初は機械の精度が低くペーパーがクシュクシュになっている商品が多かったため、開発者としては自社の商品もそうなっていないかどうか気になったものです。
しかし、ペーパーを巻く技術が発達してぎゅっと巻けるようになったことから、最近では4倍巻きなどの長尺も可能になりました。巻きが同じで長尺だとお得感がありますが、はたして本当でしょうか?
1倍巻きも2倍巻きも、同じペーパーであれば、1mあたりの単価はさほど変わらないでしょう。しかし、2倍のペーパーの長さがあると、トイレットペーパーを交換する手間が省けるという利点があります。
トイレットペーパーの交換回数を減らすことに意識を向けている方は少ないと思いますが、特に家族の人数が多いご家庭やオフィスなどでは、長尺のトイレットペーパーは便利です。
ホームセンターのカインズでは、ファミリー世帯のお客様が多いので、2倍巻き・6ロールタイプ(12ロール分)の売れ行きが好調です。この2倍巻きのトイレットペーパー、実は、お客様にとっても店側にとってもメリットがあります。
お客様にとっては、一度のご来店で容量が多いものを買えるので、買い物の回数を減らせます。店にとっては、同じ長さで“かさ”が小さければ、よりたくさんの商品を棚に置くことができますし、棚に商品を並べる品出しの手間が省けます。
お店にかかる手間は、コストとして売値に影響が出るので、なるべくコストをかけずに安い価格でお客様に売ることができるようになるのです。
長尺のトイレットペーパーは、お客様にとってもお店にとってもメリットがあるんです。