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ペット薬膳管理士、ペット栄養管理士(ペット栄養学会 会員)、APNAペット食育士1級をもつ。犬の手作りごはんの基本に関するお勉強や薬膳、お料理のレッスンを開催。
乾燥した日が続くと、わんちゃんや飼い主さんの体の中もカラカラになります。身体の内側が渇いてしまうと、菌やウイルスなどの異物が体に入りやすくなったり、あちこちで炎症を起こしたり、体内のバランスが崩れてしまうなど、様々な病気の発症に繋がることもあります。
今回は乾燥する季節にもおすすめの、体の中から潤してくれるハンバーグをご紹介します。お肉を焼く香ばしい香りで食欲もそそられます。
目次
- 【材料】お好みで旬の野菜を付け合わせ!愛犬用れんこんハンバーグ
- 【作り方】飼い主も一緒に食べられる!愛犬用れんこんハンバーグレシピ
- 【参考】1食当たりの愛犬用れんこんハンバーグの給与目安量
- 【栄養】愛犬用ハンバーグで使用したれんこん・豚肉・黒きくらげの効能
- 【潤い効果+α】食欲増進も⁈愛犬が夢中になる、れんこんハンバーグ
【材料】お好みで旬の野菜を付け合わせ!愛犬用れんこんハンバーグ
<材料>
《ハンバーグ》
・豚ひき肉 100g
・れんこん 40g
・黒きくらげ(乾燥)1カケ
・にんじん 20g
・大根 20g
・大葉 1枚
《付け合わせ》
・芽キャベツ 1個
・パプリカ(赤・黄) 各20g
・ミニトマト 1個
・黒米入りごはん 30g
★付け合わせは彩りよく、お好みの旬のお野菜を合わせて下さい。
★冬は黒米入りのごはんがおすすめですが、白米、玄米、雑穀米など他の穀類でも代用できます。
【作り方】飼い主も一緒に食べられる!愛犬用れんこんハンバーグレシピ
黒きくらげは水で戻し、れんこんはよく洗ってから酢水に5~6分つけておきます。
ハンバーグ用のにんじんと黒きくらげはみじん切りに、
れんこんはすりおろし、
付け合わせの芽キャベツは4つに、ミニトマトは半分に、パプリカは一口サイズに切ります。
豚ひき肉、すりおろしたれんこん、黒きくらげ、にんじんをボウルに入れ、粘りが出るまでよく混ぜます。
フライパンにキッチンペーパーでオリーブオイル少々を塗り、お好みのサイズに丸めたハンバーグを並べて焼きます。
焼き目がついたらひっくり返し、
付け合わせの野菜を周りに並べて、水をひたひたに入れます(分量外・今回は大さじ3杯分)。
蓋をして弱火で5分ほど加熱し、火が通ったら、野菜類を取り出す。すこし火を強くして水気を飛ばし、ハンバーグに軽く焼き目をつけます。
ハンバーグに大根おろしと千切りにした大葉をのせ、付け合わせの野菜類、黒米入りごはんを盛り付けて完成です。
水切り豆腐やうずらの卵をハンバーグのたねに加えると、ふんわり仕上がりますし、更に潤い効果がアップします。飼い主さんはポン酢やブラックペッパーなどを加えると、おそろいごはんとしてお召し上がりいただけますよ♪
【参考】1食当たりの愛犬用れんこんハンバーグの給与目安量
以下の表は付け合わせまで全て含めた分量で、レシピの完成量は約300g、カロリーは約250kcalです。
愛犬の体重:1食当たりの最大給与量の目安(避妊去勢済で、健康なわんちゃんの場合)
体重 | 成犬の給与量 |
高齢犬向けの給与量 |
1kg | 65g | 52g |
3kg | 147g | 118g |
5kg | 216g | 173g |
7kg | 278g | 222g |
9kg | 336g | 269g |
11kg | 390g | 312g |
13kg | 442g | 354g |
15kg | 493g | 394g |
※ここでは高齢犬とは小型犬は10歳前後~、大型犬は8歳前後~と考えます。
成犬の手作りごはん1食分の摂取目安量は、頭のサイズと同じくらいの器一杯ほどです。どんなレシピでも、普段のごはんの量やわんちゃんの体調などで量を調節してください。食べすぎは内臓に負担をかけますので、注意しましょう。特に高齢犬は同じ体重でも個体差が激しい為、おうちの子の状況をよく見て与えてください。
【栄養】愛犬用ハンバーグで使用したれんこん・豚肉・黒きくらげの効能
★れんこん
主な成分は炭水化物であるでんぷん。その他ビタミンCやカリウム、マンガンなどを多く含みます。粘り気の成分は水溶性食物繊維で、粘膜を保護し、免疫機能を強化してくれます。特に気管や胃の粘膜を守ってくれるため、咳が出る子や消化器が弱い子におすすめです。水溶性と不溶性、両方の食物繊維を含み、便秘改善や整腸作用、コレステロールの吸収を抑える作用などがあります。また、強い抗酸化作用があるタンニン(ポリフェノールの一種)が豊富で、老化防止や抗ガン、動脈硬化の予防効果を期待できます。
シュウ酸カルシウムが多い為、調理前に酢水につけるか、下茹でするなどの下処理をしてから調理し、わんちゃんにはすりおろして料理にいれるのがおすすめです。
★豚肉
市販の豚ひき肉は脂分が多い為、赤身のひき肉が売っていない場合は、ご自宅で、ヒレ肉やもも肉の赤身肉をフードプロセッサーなどでミンチにする事をおすすめします。今回のレシピはもも肉を使いました。
豚肉は、薬膳では『滋陰』『潤燥』『養血』など、体内の水分や血を補って体を潤してくれる働きが非常に高い食材であり、乾燥する季節に特におすすめの肉類です。冬という季節と深く関係のある腎機能を助ける働きもあります。精力を高める為、病後の体力回復や虚弱体質の改善にも適しています。また、疲労回復ビタミンと呼ばれるビタミンB1が非常に豊富で、脳神経の働きを正常に保ちます。もも肉は、このビタミンB1が豊富であり、ヒレ肉はビタミンB1と共に貧血予防のあるビタミンB2も豊富に含みます。
豚肉の栄養については『具沢山コーンスープ』のページでもご紹介しています。
★黒きくらげ
きくらげはきのこの一種であり、生よりも乾燥させたものの方が旨みあり、栄養価も高くなります。黒きくらげと白きくらげがあり、最近ではどちらも国産のものも多く出回るようになりました。
食物繊維、ビタミンD、カルシウム、鉄などが豊富。黒と白のどちらも体を潤す働きがありますが、体内の水分を増やす効果が高いのは白きくらげ、血を増やす効果が高いのは黒きくらげ。水分不足による便秘や体の乾燥には白きくらげ、貧血や血液の滞りには黒きくらげの方がおすすめで、体調や体質などによって使い分けます。
きのこ類全般に言えることですが、栄養の吸収と消化を考え、わんちゃんのごはんには細かいみじん切りにして調理しましょう。
【潤い効果+α】食欲増進も⁈愛犬が夢中になる、れんこんハンバーグ
わんちゃんは好みの香りによって食欲が刺激されます。焼いた香ばしいかおりが大好きな子も多いはず。
我が家の愛犬も、作っている最中からずっと見張っていた為、あちこちにグレーの毛色が写りこみ、撮影に苦労しました(笑)。
れんこんと豚肉で体を潤す効果はもちろん、香りでわんちゃんの食欲もそそるハンバーグを、ぜひお試しください。