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ペット薬膳管理士、ペット栄養管理士(ペット栄養学会 会員)、APNAペット食育士1級をもつ。犬の手作りごはんの基本に関するお勉強や薬膳、お料理のレッスンを開催。
季節の変わり目に調子が悪くなりがちな臓器は消化器系。今回は、全ての食材が消化器系に働きかけるレシピです。
お蕎麦は体を冷やす性質があり、暑い季節にオススメの麺類です。真夏には冷たいお蕎麦もよいですが、今はもう夏の終わり。旬のアジ、山芋やオクラのねばねば食材と合わせて、温かいお蕎麦に仕上げました。しっかりと胃腸の調子を整えて、秋冬に備えましょう。
目次
- 栄養たっぷり食材!愛犬用アジのとろろ蕎麦の材料
- 《簡単20分》愛犬用アジのとろろ蕎麦の作り方
- 【参考】愛犬用アジのとろろ蕎麦の1日当たりの給与目安量
- 愛犬用アジのとろろ蕎麦で使用したアジ・山芋・オクラの効能
- 早食い防止!愛犬用アジのとろろ蕎麦のオススメの与え方
栄養たっぷり食材!愛犬用アジのとろろ蕎麦の材料
<材料>
- アジ 1/2~1尾(約50g)
- 蕎麦(茹で麺) 40g
- 山芋 40g
- オクラ 5g
- 白菜 30g
- えのきだけ 10g
- うずらの卵(茹で卵) 1個
- 水 150cc~200cc
※蕎麦アレルギーがある場合は、うどんやそうめんなどでお作り下さい。
※アジは他の魚や肉でも代用できます。魚は旬のもの、肉は今の時期は豚肉や牛肉がオススメです。
※山芋は大和芋、長芋、自然薯、何でも構いません。また、山芋にアレルギーがある場合は入れないでください。
《簡単20分》愛犬用アジのとろろ蕎麦の作り方
事前に麺とオクラはそれぞれ別茹でし、うずらの卵も茹で卵にしておきます。
白菜は5ミリ角、えのきだけはみじん切り、下茹でしたオクラは薄切りにします。蕎麦は1~2センチくらいに短く切ります。最後にアジを1口サイズに切ります。
魚や肉は、まな板と包丁に脂やニオイがつくので、最後に切るのがオススメです。
鍋に水を入れて火にかけます。今回は小さな出汁昆布も入れました。もちろんただの水でも構いませんし、かつお出汁やいりこ出汁などでもOKです!
出汁がでたら昆布を取り出し、白菜、えのきだけを入れて煮込み、
最後にアジを入れて火を通します。
下茹でした蕎麦を器に盛り、具材とスープをかけます。
おろした山芋、オクラ、うずらの卵を飾り付けて完成です。
とろろに含まれる栄養、消化酵素ジアスターゼをしっかり摂りたい場合はスープが冷めてからトッピングしましょう。
生の山芋を与えるのが心配な場合は、スープが熱いうちに全体をよく混ぜて予熱で火を通してください。(この場合、消化酵素は熱により壊れます)
飼い主さんも一緒に食べる場合
【参考】愛犬用アジのとろろ蕎麦の1日当たりの給与目安量
今回の分量での完成量は約350g、カロリーは約180kcalです。
体重5キロ前後の避妊去勢済み成犬の2食分として作っています(1日2回食の場合)。
↓愛犬の体重別1食当たり目安給与量(避妊去勢済で、健康なわんちゃんの場合)
体重 | 成犬の給与量 |
高齢犬向けの給与量 |
1kg | 105g | 84g |
3kg | 239g | 191g |
5kg | 350g | 280g |
7kg | 450g | 360g |
9kg | 544g | 435g |
11kg | 632g | 506g |
13kg | 717g | 573g |
15kg | 798g | 638g |
※ここでは高齢犬とは小型犬は10歳前後~、大型犬は8歳前後~と考えます。
成犬の手作りごはん1食分の摂取目安量は、頭のサイズと同じくらいの器一杯ほどです。しかし、どんなレシピでも、普段のごはんの量やわんちゃんの体調などで量を調節してください。特に高齢犬は同じ体重でも個体差が激しい為、おうちの子の状況をよく見て与えましょう。
愛犬用アジのとろろ蕎麦で使用したアジ・山芋・オクラの効能
アジ
初夏に旬を迎えるお魚です。おなかを温めて、消化機能を促進してくれる働きがあります。また、湿気を飛ばす働きもある為、雨が続く季節や湿度が高い時期にも適しています。
良質なたんぱく質や脂質が主な栄養素で、他の青魚に比べると脂質が低いので、シニアのわんちゃんや初めて青魚を与える際にも使いやすい魚です。また、オメガ3脂肪酸(EPA、DHA)が豊富で、肝臓の解毒機能を強化するタウリンがサバやサンマよりも多く含まれます。強い抗酸化作用のあるセレンも豊富で、セレンはデトックス効果やアンチエイジング効果もあると言われています。
骨は太くて硬いので、必ず取り除いてから食べさせましょう。
山芋
自然薯、大和芋、長芋、つくね芋などを総称したものを山芋と呼び、『山のうなぎ』とも呼ばれ、栄養豊富な食材として知られています。主な栄養素は炭水化物。その他 たんぱく質、ビタミンB1、C、カリウムなどを含みます。消化酵素であるジアスターゼを豊富に含みます。ジアスターゼは主に炭水化物(でんぷんや糖分)の消化を促進する酵素で、胃の働きを正常に戻してくれる働きがあります。
山芋には、免疫力UP、おなかの調子を整える、滋養強壮など、シニアにも嬉しい働きが多くあります。また、これから迎える秋冬は乾燥が大敵。体を潤す働きもある山芋は寒い季節にもオススメの食材です。
このように栄養満点の山芋ですが、シュウ酸カルシウムを含みますので、結石のある子などは摂取を控えるか、別茹でしたり、お酢と合わせて与えましょう(シュウ酸カルシウムは熱や酸によって分解されます)。
オクラ
オクラは夏野菜のひとつです。βカロテン、カルシウム、ビタミンB、C、葉酸などを比較的多く含みます。
山芋やなめこなどの他のネバネバ食材と合わせることで胃腸の粘膜を保護してくれます。また、水溶性食物繊維が豊富で整腸作用がある為、適量であれば便秘などに効果はありますが、食べすぎには注意しましょう。
夏野菜ですが、体を冷やしもせず温めもしません。そのため、内臓の冷えが気になるシニアにも与えやすいお野菜です。
早食い防止!愛犬用アジのとろろ蕎麦のオススメの与え方
歳を重ねると、特に食いしん坊さんは急いで食べてむせてしまう子も多いのではないでしょうか。我が家の愛犬は食いしん坊の12歳。焦って食べて、ゲホゲホしちゃうタイプです。
そこで、最近は小さな器で何度もおかわりをする『わんこそば形式』で食べさせています。この方法にしてから、むせることも無くなりました。
わんちゃんの早食いやむせることでお悩みの飼い主さんは、一度試してみてはいかがでしょうか。(ちなみに、現在使っているのは内径8センチの100均のお皿です。)
実はわんちゃんは、ごはんでもおやつでも、一度にたくさんもらうよりも、回数を多くもらう方が喜びは大きいと言われています。わんちゃんは喜んでくれるし、むせることもなくなるし、早食い防止にもなるし、一石二鳥以上ですね!
注意
・このレシピは健康な成犬が食べることを想定して作っています。
・アレルギーがあったり投薬中の場合、食材の中には相性のよくないものもあります。かかりつけの獣医師に相談の上、与えるようにしてください。