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獣医師資格取得後、小動物臨床経験6年。主に犬猫の臨床に携わる。現在は子育てをしながら、愛猫と暮らしている。
病気の早期発見・予防のためにも、愛犬の健康チェックは大切です。健康チェックを習慣にすることでスキンシップがとれるので、愛犬との絆をより深めることにもつながるでしょう。今回は、毎日3~5分でできる、自宅での健康チェック法と観察ポイントを解説します。
目次
- まずは顔まわりから愛犬の健康チェック
- 愛犬の皮膚や被毛・体全体もチェック!
- 食事や排せつ物からも愛犬の健康をチェック
まずは顔まわりから愛犬の健康チェック
まずは顔まわりからチェックをしていきましょう。正面からチェックすると、犬が警戒してしまうことがあるので、背後や横からチェックするのがおすすめです。
耳
においを嗅いだときに鼻をつくようなニオイがしたり、耳の後ろをよくかくことで毛が薄くなっていたりしたら、炎症が起きているかもしれません。
また、耳の中に赤みや黒ずみが見られる場合は「外耳炎」のおそれがありますので、耳を裏返すようにめくって中もよく確認しましょう。
目
「結膜炎」「ドライアイ」「角膜炎」などが起きていると、目ヤニや涙の量がいつもよりも多い、白目部分・まぶたの裏側が充血しているといった症状が見られます。
また、左右の目の大きさが極端に違う場合は、「角膜炎」や「緑内障」になっているおそれがあります。
鼻
睡眠時や寝起き以外に鼻の表面が乾燥していたら、体調不良のサインである可能性が。
反対に、鼻水が垂れるほど出てはいませんか?黄緑色の鼻水が出ている場合は、「鼻炎」や「口鼻瘻管(こうびろうかん)」、まれに「腫瘍」などの病気が考えられます。
さらに、鼻の呼吸音にも耳をすませてください。鼻からプスプス、ズーズなどの音が出ていたら、鼻腔や歯の異常を示しています。
歯・歯ぐき
口から不快な匂いがする場合、「歯周病」や「口腔内腫瘍」が疑われます。歯垢や歯石は犬歯と奥歯につきやすく、そこから歯ぐきが腫れたり赤みが出たりするため要注意です。
唇の裏側も「口内炎」や「口腔内腫瘍」ができやすいため、腫れや赤み、出血などを確認したら、動物病院で受診しましょう。
愛犬の皮膚や被毛・体全体もチェック!
毛並みや皮膚の色、腫れを確認します。見えにくいおなかや脇の下などは異常が出ることが多いので、注意深く観察することが必要です。
体全体
さわったときに腫れやしこりがないか確認し、皮膚も確認します。皮膚に赤みやフケ、脱毛がある場合は、「膿皮症(のうひしょう)」など皮膚病のおそれがあります。
肉球
肉球や指の間を広げて見て赤みやただれがあれば、「趾間炎(しかんえん)」を疑ってください。あわせて、出血やひび割れがないかもチェックしてあげましょう。
肛門まわり
毛をかき分けて、肛門まわりの皮膚をチェック。赤みや腫れがある場合、「肛門周囲腺腫(こうもんしゅういせんしゅ)」や「肛門嚢炎(こうもんのうえん)」のおそれも。毛にウンチがついていたら、きれいに拭き取ってあげましょう。
食事や排せつ物からも愛犬の健康をチェック
排せつ物
排せつ物は、排せつしてすぐに確認するのがポイント。いつもと同じ状態で、色や形・ニオイ・回数に変化がなければ問題ありません。もし便秘や下痢が続く、血が混じっているといった症状が見られたら、すぐに動物病院で受診しましょう。
おしっこも色や回数、量などをチェックしましょう。血尿や頻尿がみられたら「膀胱炎」などの病気が考えられます。またおしっこの量が増えた、という場合は、腎臓の病気や「糖尿病」などの病気が考えられます。
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