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獣医師資格取得後、小動物臨床経験6年。主に犬猫の臨床に携わる。現在は子育てをしながら、愛猫と暮らしている。
愛犬のおしりが赤く腫れる、肛門から血が出るなどの場合は要注意。症状が進行すると、激しい痛みを伴い、苦しさから愛犬が鳴き続けることもあります。そうならないためにも、おしりに見られる病気のサインや原因を知り、すぐに気づけるようにしましょう。
目次
- 犬の肛門まわりが赤く腫れる場合は?
- 犬の肛門まわりから異様な分泌物や血が出る場合は?
- オス犬・メス犬の陰部から膿が出る場合は?
犬の肛門まわりが赤く腫れる場合は?
肛門まわりに赤い腫れのようなふくらみが見られるなら、肛門周囲腺(こうもんしゅういせん)に炎症が起こる「肛門周囲腺炎」や、肛門周囲線が腫瘍化した「肛門周囲線腫」、腸や膀胱(ぼうこう)などの臓器が飛び出る「会陰(えいん)ヘルニア」などの病気が考えられます。
すぐに動物病院で受診してください。
犬の肛門まわりから異様な分泌物や血が出る場合は?
犬の肛門腺から明らかにおかしい色や状態の分泌液が出たら、すぐに動物病院で受診しましょう。
肛門腺から膿(うみ)のような分泌液が出た場合は、肛門嚢(こうもんのう)が細菌に感染して「肛門嚢炎」を起こしているのかもしれません。排せつ時に強い痛みを伴うため、排便ができなくなる犬や、苦しさから鳴き続ける犬も多く見られる病気です。
肛門腺内の炎症が進むと、肛門から血の混ざった分泌液が出たり、肛門嚢に膿がたまって破裂し、肛門の横から穴が開いて出血したりするケースもあります。
オス犬・メス犬の陰部から膿が出る場合は?
オスの犬は、健康でも陰部から黄色い膿のようなものを出すことがあります。しかし、膿の量が増えたり、頻繁に陰部のまわりをなめたりしている場合は、「包皮炎(ほうひえん)」が疑われます。気になる症状が見られたら、獣医師に相談してみましょう。
メスの陰部から膿が出る場合は、「子宮蓄膿症(しきゅうちくのうしょう)」の可能性が高いです。子宮内の炎症がひどくなると、血が混ざって赤っぽい膿や茶褐色の膿が出ることも。対処が遅れると全身状態も悪くなるため、早急に動物病院で受診してください。
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