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今回は愛犬のおなかのトラブルに詳しい日本ヒルズ・コルゲート株式会社所属の獣医師、粂井未紀先生にインタビュー!愛犬のお腹の調子を整えるために飼い主さんができることや、うんちにまつわる疑問にお答えいただきました。
目次
- お悩みに答えてくれる獣医師さん
- 意外と多い犬のうんちの悩み。下痢や便秘の原因は?
- 犬のお腹のトラブルの原因は?下痢や便秘は病気のサインなの?
- 獣医師が教える正しいドッグフード選びのポイントとは?
- 愛犬の理想的なうんちのために、今日からできることは?
意外と多い犬のうんちの悩み。下痢や便秘の原因は?
下痢や便秘など、愛犬のうんちのトラブルに悩む飼い主さんは少なくありません。愛犬がおなかを壊してしまうのは、なぜなのでしょうか?先生に、お話を伺います。
―うちの犬はなぜか下痢をすることが多く、どこか体が悪いのではないかと心配しています。犬がおなかを壊すことは珍しいのでしょうか?
粂井先生:いえ、犬がおなかを壊すのは特に珍しいことではありません。実際、私たち獣医師は動物病院に初めて来院された飼い主さんには必ずと言ってよいほど、「元気や食欲はありますか?うんちやおしっこで、気になる点はないですか?」と質問します。つまり、それくらい、愛犬のおなかのトラブルがきっかけで動物病院を受診される飼い主さんが多いということです。
特に、「愛犬のうんちがゆるくなりがち」、「元気で食欲もあるのにうんちが柔らかくて拾いづらい」といったお悩みが多いですね。最近は室内で愛犬を飼育される方が多く、例えば「粗相をしてしまって部屋に排せつ物の匂いが残ってしまう」とか「カーペットや絨毯を汚してしまう」、「排せつ物がお尻の毛についてしまう」「うんちの回数が多くて、ペットシーツを頻繁に交換しなければならない」といった、室内飼いならではのお悩みもよく聞きます。
―室内外ならではの悩み、共感できます。ただ、他のお宅のワンちゃんのうんちと比べる機会もないので、自分の愛犬のうんちがベストかどうかの判断が難しいです。
粂井先生:たしかに、他のワンちゃんのうんちと比べるのは難しいですね。一般的に犬のうんちは、次のような形状や色、におい、回数が理想的とされています。
<理想的な犬のうんち>
形状:円筒形で、ティッシュで摘まんでも崩れない硬さ
色:黄褐色から茶褐色
におい:刺激臭ではない、毎日安定したにおい
回数:1日3回程度まで
ぜひ、上の表も参考にしてみてくださいね。
犬のお腹のトラブルの原因は?下痢や便秘は病気のサインなの?
―なるほど。では、これらの条件に当てはまらないうんちは、何らかの病気のサインなのでしょうか?
粂井先生:必ずしもそうとは限りません。もちろん寄生虫や内臓疾患などが原因でうんちの状態が悪くなることもありますが、ほとんどの場合は、原因を特定しづらいのが実情です。たとえば、慣れない場所に行った、普段と違うものを食べたといった、ちょっとしたストレスでおなかの調子が崩れてしまうケースがよくあります。
ただし、次のような場合は病気のサインである可能性が高いので、なるべく早くかかりつけの獣医師に相談するようにしてください。
<獣医師さんに相談すべき犬のうんちの状態>
・ 短時間に繰り返し下痢をする
・ 排便の度に痛がるようなそぶりを見せる(途中で排便を止めてしまったり、排便中に普段とは違う鳴き声を発するなど)
・ うんちに血が混ざっている
・ 色がいつもと違う(白っぽい、緑がかっている、真っ黒など)
―色が極端に違う場合はまだしも、血が混ざっているかどうかは、うんちをよく見ないと気付けないですね。
粂井先生:そうですね。うんちのトラブルに限らず、愛犬の健康管理の基本は、愛犬の普段の様子をしっかり見てあげることです。うんちの状態も、愛犬の「いつものうんち」がどんなものかを見て知っておけば、ちょっとした変化にも気づきやすくなるはずです。飼い主さんには、ぜひ毎日の愛犬のうんちに興味を持って欲しいです!
獣医師が教える正しいドッグフード選びのポイントとは?
―いつもと同じフードを食べているのに、おなかの調子が良くない場合、フードを変えるべきでしょうか。
粂井先生:愛犬に必要な栄養素は、ライフステージに応じて変わります。たとえば子犬の時期には、丈夫な骨や筋肉の基礎を作るために、たんぱく質や脂質やミネラルを多く摂取する必要があります。またシニアになってくると、内蔵の働きが若いころよりも低下してくるので、ミネラルを調整したり、細胞の老化や健康維持に配慮した抗酸化成分なども必要になってきます。
つまり、以前は体に合っていたフードでも、加齢やそれに伴う体調の変化の影響で、おなかのトラブルの原因になってしまうことがあるのです。もし、フードや生活環境を変えていないのに繰り返しおなかを壊すようなら、これまでのフードが体に合わなくなっている可能性も考えられますので、変えることを検討しても良いでしょう。
―なるほど。では、新しいフードに切り替える際には、どのような点に注意して選ぶのが良いのでしょうか?
粂井先生:まずは、「パピー(子犬)用」「成犬用」「シニア用」など、愛犬のライフステージに着目して製品を選ぶのがポイントです。今、与えているフードが愛犬のライフステージに合っていない場合は、適したものに切り替えてあげましょう。また、同じライフステージのフードの中にも、体重管理や皮膚の健康など、特定の健康ニーズをサポートするフードがありますのでご自身の愛犬に合ったものを選びたいですね。
それから、新しいフードを探す際には、製品の名前やデザインなどパッケージの表面の情報だけで判断せず、パッケージの裏面や側面に記載されている栄養素や原材料、製品特性などの情報もぜひチェックしてみてください。なお、持病のある愛犬は通常のペットフードでは対応できない場合もあるので、獣医師に相談して病状に応じた療法食を給与することも必要です。
ちなみに弊社が約500名の小型犬の飼い主さんを対象に行ったアンケート調査結果で、ペットフードを変えた理由についての質問項目では、愛犬自身の変化による理由では「食いつき(それまで食べていたフードを食べなくなってしまったから)」がもっとも高く、アドバイスを受けてフードを変えた理由の1位が「獣医師や動物病院の人に勧められたから」という結果でした。
ヒルズ自社調べ小型犬飼主調査
愛犬のフードを変更した理由
<愛犬の変化によるもの>
1位:食いつきに問題がある・・・・・22%
2位:ライフステージが変わった・・・14%
3位:体重が増えてきた・・・・・・・11%
<アドバイスによるもの>
1位:クリニックで推奨された・・・・22%
2位:ペットショップで推奨された・・6%
3位:友人からの勧め・・・・・・・・6%
(ヒルズ自社調べ小型犬飼主調査より)
かかりつけの獣医師のアドバイスがきっかけでフードを切り替えた飼い主さん、信頼できる獣医師のアドバイスに応じてフードを選んでいる飼い主さんが多いことがわかります。
愛犬の理想的なうんちのために、今日からできることは?
―愛犬のおなかの調子を整え、理想的なうんちができるようにするためには、どんなことに気を付ければ良いのでしょうか?
粂井先生:人間と同じく、おなかの健康を保ち、理想的なうんちにするためには、犬にも正しい生活習慣が欠かせません。適度な運動や遊びの時間を設けてストレスを溜めさせないこと、そして毎日決まった時間に栄養バランスに優れた食事を与えることが大切です。
愛犬は食後にうんちをすることが多いので、食事時間を決めると排便のペースができやすくなるというメリットもあります。食生活では人の食べ物を与えないこともとても大切です。人間用の食べ物の多くは、犬にとって塩分や脂質が過多で体に負担を与えてしまい、おなかを壊す原因にもなってしまいますので、原則として与えないようにしてください。
―フードの食いつきが悪いと感じた時、ついついお肉や野菜、犬用のおやつなどをトッピングしたくなりますが、これは問題がありませんか?
粂井先生:原則として、1日に摂取するカロリーの10~20%以内であれば、主食(フード)以外の食べ物を与えても良いとされていますが、計算するのはなかなか難しいですよね。栄養のバランスが崩れたりカロリー過多になってしまったりするおそれもあるので、できれば頻繁にトッピングをするのは避けた方が良いでしょう。いつもの食事を食べない場合は、フードをふやかしてあげることで、においに触発されて食べるようになることもあるので、試してみてください。飼い主さんの手に乗せて鼻先にもっていてあげると、食べてくれることもありますよ。
―理想的なうんちのためには、どんな栄養素が多く含まれているフードを選べばよいのでしょうか?
粂井先生:ペットフードにはたんぱく質、脂質、ビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素が含まれていますが、中でも、おなかの調子を整えるために欠かせないのが、食物繊維です。食物繊維には腸の水分量や運動機能を調節する働きがあるほか、「腸内細菌」のエサになってくれることもわかっています。つまり、腸内の健康を保ち、理想的なうんちを作りだすためには、食物繊維を十分に摂取する必要があるということです。フードを選ぶ際にはパッケージを確認して、原材料欄などに食物繊維が含まれているかどうかを確認するようにすると良いですね。
―なるほど!でも、食物繊維にもいろいろな種類がありますよね。ヒルズの新製品「腸の健康サポートプラス」には、良質な食物繊維が豊富に含まれているそうですね。
粂井先生:そうなんです。「腸の健康サポートプラス」は愛犬のうんちのお悩みを解決するために開発されたフードと言っても過言ではありません。腸の中には何千種類もの腸内細菌が存在していますが、おなかの健康を維持するには、体に有用な物質を作り、腸の働きを保つ「善玉菌」を増やすことが欠かせません。ヒルズの新製品「腸の健康サポートプラス」には、ヒルズ独自の「アクティブバイオーム+テクノロジー」で、善玉菌を増やすサポートができる特別な繊維のブレンドを実現、腸の健康を守り、うんちを理想的な状態に保つことが期待できる製品です。
腸内細菌叢を整えることは、健康維持による免疫力にも役立つと言われていますので、今現在、愛犬のうんちの状態に悩んでいる飼い主さんにはもちろん、今は特に悩みのない愛犬にも将来を見据えた健康管理の一環として「腸の健康サポートプラス」をお試しいただきたいですね。
―とても興味がありますが、新しいフードに切り替えると、かえって愛犬がおなかを壊してしまうのでは・・・という不安もあります。
粂井先生:「腸の健康サポートプラス」に限らず、新しいフードに切り替える場合は、1週間~10日間くらいの「移行期間」を設けることが大切です。いきなり100%新しいフードを与えてしまうと、食事の急激な変化に体が付いていけず、おなかを壊す原因になってしまいます。最初はもともと食べていたフードに新しいフードを少量混ぜ、様子を見ながら少しずつ新しいフードの割合を増やして、ゆっくりと新しいフードに慣れさせていきましょう。以下の手順を参考にしてくださいね。
―なるほど、移行期間を設けることが大切なのですね。私も愛犬の「腸活」の第1歩として、ぜひ「腸の健康サポートプラス」を試してみたいと思います。うんちの状態がどう変化するか、楽しみです。粂井先生、今日はありがとうございました。