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ニスの塗り方入門! DIYで失敗せずに仕上げるためのコツを木工職人が解説

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斉藤 直斗

斉藤 直斗

住宅メーカーの元現場監督で、ものづくりをやりたい想いから、木工職人に転職した現役の職人さん。仕事の合間でDIYや家づくりに関してのWebライターとしても活動しています。ここでは主にDIYに関してタメになる内容をお伝えしています。記事に使われている画像は自宅の作業部屋で撮影。作業部屋を作るほどDIYが大好きです!

DIYで木材を塗装するときの塗料で「ニス」を選択する方は多いと思います。ニスは誰でも簡単に塗ることできますが、実はきれいに塗るには少しテクニックが必要なんです。

この記事ではニスとはそもそもどんな塗料なのかを解説し、失敗しないニスの塗り方をお伝えします。

DIYでニスを使う際には、まずはこの記事を読むべきという内容になっているので、ぜひ最後まで読んでください。

過去にオイル塗装の記事も書いているので、よろしければ一緒にご覧ください。

ニスの基本知識

さまざまな種類のニス

最初に、ニスに関する基本を簡単に解説します。

ニスってどんな塗料?

そもそもニスはどんな塗料なのかご存知でしょうか? ニスの主な特徴を3つ紹介します。

1.作品を傷や汚れから守る「保護性能」

ニスが塗られた木材

ニスには水や汚れ、キズから木材を保護する性能があります。これにより、家具や床などDIYで作った作品を長持ちさせることができます。

2.木の見た目を活かすことができる「透明性」

木材

ペンキなどで塗装をすると木材の木目は消えてしまいますが、ニスは透明なので、木材の自然な色合いや木目を活かしながら塗装をすることができます。

3.誰でも簡単に塗ることができる「塗りやすさ」

冒頭でテクニックが必要と書きましたが、これは「上手に塗るためのテクニック」を指します。ニスは塗ること自体は非常に簡単で、DIY初心者の方でもとりあえずは塗装できます。そのため、ホームセンターではさまざまな種類のニスが取り扱われているのです。

ニスの種類と選び方

ニスといってもさまざまな種類があり、その多様性からどれを選ぶべきか悩んでしまうことがあります。ここではニスの種類と選び方について解説します。

油性、水性

油性・水性ニス

ニスは油性と水性の2つに分類することができます。油性は塗膜が硬く、高い保護効果を発揮します。

また、油性ニス特有の深い光沢や色合いを出すことができますが、水性に比べて乾燥までの時間が長いデメリットがあります。また、強いにおいを放つため、屋内で塗るときは適切な換気が必要です。

水性は油性に比べて乾燥時間が短く、強いにおいも少ないため、DIY初心者にも使いやすくおすすめです。油性のような色に深みがない代わりに、木本来の色合いを残すことができます。

ウレタンとアクリル

ウレタン・アクリルニス

DIYで使用するニスには主にウレタンニスとアクリルニスがあります。正確には他の種類もありますが、今回は深掘りせずに2種類に限定して紹介します。

ウレタンとアクリルの主な違いは、塗った後の塗膜の硬さにあります。ウレタンニスは塗膜が硬く耐久性が高い一方、アクリルニスは若干柔らかく、耐久性は若干劣ります。

使い分けとしては普段触ったり動かしたりする家具などはウレタンの方がよく、額縁や時計など普段触れることのないものにはアクリルを選ぶといいでしょう。

艶あり、艶なし

ニスを選ぶ際にもう1つ考慮する点があります。それが艶ありか艶なしかです。

艶ありのニスは木材に深みと鮮やかさを与え、高級感を引き立てます。艶なしのニスは木材の自然な色合いを活かすことができ、木の良さを引き立てます。

しかし、艶なしは艶ありに比べて耐久性が落ちる欠点もあります。なので、選び方としては艶なしへのこだわりがなければ、艶ありを選んだ方がいいでしょう。

ニスと他の塗料との違い

さまざまな種類のニス

木材の塗料を選ぶ際、それぞれの塗料の違いがわからずにどれを選んだらいいのか決めることができないことはありませんか? 以下に、ニスと他の塗料の違いを解説します。

塗料の持つ役割を知ることで正しい塗料の選び方ができます。詳しくは下記の記事を参考にしてください。

ステインとの違い

ステイン

ステインは色付けを目的に使用し、木材の保護効果はありません。耐久性を上げることも求めるならニスを選択した方がいいでしょう。ただし、しっかりと色付けをしたいならニスよりステインの方が着色性が高いです。

ワックスとの違い

ワックス

ワックスは自然な風合いを残しながら仕上げるのに適しています。ニスとは異なり、ワックスは表面に塗膜を作らないので、木材本来の触り心地を残すことができます。

オイルとの違い

オイル

オイルは木材の中に浸透し木目を美しく引き立てることができます。表面での塗装をするニスとはここが大きく違います。オイルは艶も出ないので、自然な風合いと木の質感を感じることができます。

DIYにおすすめのニス

DIYで使用するニス

ニスに関してはさまざまな種類があるということがわかったと思います。DIYで使用するのにはどのニスを使えばいいのかを次にまとめたので参考にしてください。

水性ウレタンニス

水性ウレタンニス

水性で扱いやすく、耐久性も高いので、DIYで作った椅子やテーブルなどの家具などに最適です。

水性アクリルニス

水性アクリルニス

水性ウレタンニスと同じく、扱いやすいですがウレタンに比べて保護効果が弱いので、普段手に触れない雑貨などに使用しましょう。水性ウレタンニスに比べてコスパがいいので手軽に使いやすいニスです。

油性ニス

油性ニス

油性ニスは扱いが難しいとはいえ、独特の深みと耐久性が魅力的です。そのため、木材を長時間保護したい場合に最適です。

ニス塗装に必要な道具と準備

ニスを上手く塗るためには、塗装の手順だけでなく、塗装する前の準備も重要です。

ニスを塗るのに必要な道具

ニスを塗るのに必要な道具

  • ハケ
  • トレイ
  • サンドペーパー
  • うすめ液(必要な場合)

ニスを塗るにはハケを使用し、広い面積を効率的に塗るならコテバケという道具が効率的です。ローラーは気泡が多く発生しやすく、ニスの塗装には適していません。塗料は粘度が高い時は薄めることがあります。粘度がありすぎると厚塗りになり上手く塗れなくなる原因にもなるので気をつけてください。

水性は水で薄めることができますが、油性の場合は専用のうすめ液を使用します。

ニスを塗るのに必要な準備

換気の良い場所を選ぶ

窓に取り付けられた換気ファン

油性ニスは強い臭いを放つため、室内で作業を行う場合は換気が良い場所で作業を行うことが重要です。また、屋外では細かいゴミなどが付着する可能性があるため、塗装中と乾燥中は十分に注意が必要です。

僕は普段DIYをする部屋で画像のような換気ファンを窓に取り付けました。

塗料が飛ばないように対策する

DIY作業スペース

室内で作業をする場合は作業スペースにブルーシートや新聞紙を敷き、塗料が飛んで付着しないように注意しましょう。ロールで売ってる養生材なども便利ですし、自宅で余った段ボールを使うのもおすすめです。

ニスを塗る手順

ここからニスを塗る方法を解説します。

ニスは誰でも簡単に塗ることができますが、きれいに仕上げるには少しコツが必要です。

1.木材の下地処理

木材をサンドペーパーで下処理

ニスを塗る前に木材の下地処理を行います。これは、木材の表面をサンドペーパーできれいに整えるということです。

木材表面にほこりや汚れが残っていると、ニスが均一に塗ることができず、仕上がりに影響してしまいます。つまりニスをきれいに塗るには、この下地処理が超重要ということです!

サンドペーパーで研磨するのが面倒でサボる方もいますが、ここはむしろ丁寧に手間をかけたいところです。

サンドペーパー

やり方はサンドペーパーを木目に沿って全体を研磨します。サンドペーパーの粗さは#180〜#240を選ぶといいでしょう。研磨の作業はなかなか大変なので、電動サンダーがあると作業効率も上がり、便利です。

また、家具などを作るときは、組み立ててから研磨をすると角が上手く道具が当たらずきれいに仕上がらないので、組み立てる前に研磨を行うことが重要です。

工程としては「研磨→組み立て→塗装」のように作業手順を事前に検討しておくといいでしょう。

サンドペーパーの選び方に関してはこちらの過去の記事が参考になります。

2.ニスを塗る

ニスを塗る

下地処理が完了したら木材にニスを塗装します。初めて使用するニスであれば、端材などで仕上がりや色のイメージが合ってるのか事前に確認しておくといいでしょう。

ニスを塗るときのポイントは2つあります。

1つ目は、一度に厚く塗らずに薄塗りで何回かに分けて塗ること。2つ目は、木目に沿って均一に塗ることです。

厚塗りをすると乾燥時間が長くなり、ホコリが付着する可能性が高まります。また、厚塗りは塗りムラの原因にもなるので、薄く数回に分けて塗装をします。

また、木目に沿って塗ることで、木目の方向にあった自然な仕上がりになります。ハケのストロークは一方向に統一し、端から端まで一気に引きましょう。途中から塗り始めたり、終えると、その場所がムラに繋がってしまいます。

3.乾燥

乾燥時間は塗料の決められた時間を守りましょう。表面が乾いて見えても内部が完全に乾燥していない場合があります。乾燥時は風通しの良い日陰に置いておくといいでしょう。太陽に当てて乾燥させると表面だけ急速に乾燥し、塗膜の割れや耐久性の低下に繋がります。

4.細かいサンドペーパーで研磨

細かいサンドペーパーで研磨

ニスの塗装は重ね塗りが基本です。重ね塗りをすることで、よりムラのない均一な仕上がりにすることができ、耐久性を向上させる効果があります。

やり方は1度目の乾燥をしっかりと終えたあと、目の細かいサンドペーパー(#320〜400)で全体を軽く研磨します。研磨は1度目のニスの表面をきれいにする程度で十分です。やりすぎると最初のニスの塗膜がなくなってしまうので気をつけてください。

5.2回目以降の塗装

ニスを薄く均一に塗る

2回目以降も1回目と同じように薄く均一に塗ることが重要です。これを必要な回数だけ繰り返します。通常は2~3回の重ね塗りが行われますが、深みのある色を出したい場合や、より強固な保護膜を作りたい場合には、それ以上の回数を重ね塗りします。

最後の乾燥は塗膜が完全に固まるまで1日以上しっかりと乾燥させておきましょう。

丁寧な「塗装→乾燥→研磨」の繰り返しがニスを塗るのに重要ということです。

きれいにニスを塗るポイント

最後に、きれいにニスを塗るポイントを紹介するので、塗装を行う際に覚えておいてください。

塗るまでの下準備が大切

どれだけ良いニスを準備しても、ニスを塗るのが上手くても、塗装前の準備が不足していては絶対に上手く塗ることができません。

例えば、汚れや傷だらけの下地処理をしていない木材に塗ったり、風が強い屋外で塗ろうとしても上手く仕上げることはできませんし、塗る場所をしっかり確保していないとゴミが付着してしまいます。

塗装は塗るまでの下準備で決まるとも言われています。

厚塗りせず、薄く塗る

毛先半分程度にニスをつける

ニスは厚くたっぷり塗れば良いというわけではありません。むしろ、薄く均一に塗ることが重要です。ですから、ハケにべっとりニスを付けてはいけません。毛先半分程度で、余分な塗料は落としてから塗りましょう。

焦らず、しっかり乾燥時間を取る

塗装をする時はおそらくDIYがほぼ完成間近というときでしょう。なので早く塗装も終えてしまいたいという焦る気持ちもあるかもしれませんが、焦らず気長に行いましょう。

特にニスは重ね塗りが大切であり、乾燥時間をしっかり確保する必要があります。乾燥時間が短いと、ムラの原因になってせっかく作った作品の仕上がりはが悪くなってしまします。

一度塗ったら最低でも半日は置いておく余裕を持ちましょう。

研磨した粉はしっかりと取り除く

研磨した粉を取り除く

サンドペーパーでの下地処理は重要と説明しましたが、削った粉はしっかりと取り除いておきます。

集塵機などがあればよく吸い込んでおき、なければ乾拭きのタオルで表面の粉をよく払っておきます。粉が残っていると塗る時に玉になって塗りムラの原因になります。

まとめ

ニスを塗っているところ

ニス塗りはDIYの一環として非常に重要な作業です。それぞれの手順と注意点を理解し、丁寧に作業を進めれば、初めてでも美しいニス仕上げが可能です。ぜひ、自分だけのオリジナル作品を作り上げてみてください。

※売り切れや取り扱い終了の場合はご容赦ください。
※店舗により取り扱いが異なる場合がございます。
※一部商品は、店舗により価格が異なる場合があります。

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