車の下から飛び出し選手権 全国大会2023
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目次/ INDEX
私はこれまで全国各地の海岸でいい感じの石ころを拾い集めてきた。いい感じの石ころとは、ずばり、「なんかいい感じのする石ころ」である。
って、何の説明にもなっていないが、とにかく自分がなんかいい感じがすると思えば、それがいい感じの石ころだ。
宝石とか化石のような希少な石でなくてもいい。基準は自分がいいと思うかどうかがすべてであり、そのへんで拾った何の石かもわからない石ころだって構わない。
私個人でいうと、色がきれいだったり、模様が面白かったり、形がスマートだったり、触り心地がよかったりする石が、好きだ。
本稿では、そんな石ころ拾いの魅力について、語っていこうと思う。
石なんてどこにでもあるが、いい感じの石ころは、そう簡単に見つからない。
石がたくさん落ちている川原や海岸でも、地味で似たような石ばかり転がっている場所は、石好きの間では「駐車場」と呼ばれ蔑まれている。駐車場で砂利を拾うのと変わらないからだ。
さらにたとえいい石ころがあっても拾ってはいけない場所もある。
まず自然保護法により、国立公園、国定公園、都道府県立自然公園内の特別保護地域で拾ってはいけないと規定されている。そのほか自治体の条例で禁止されているところもある。たとえば糸魚川ではヒスイが拾えることで有名だが、糸魚川も海岸で拾うのはOK、ただし川ではNGとなっている。さらに当然のことだが、私有地で地権者の許可なく拾うことはできない。
私はあるとき、天然記念物の前で拾っていたことがあり、あとで気づいて慌てて市役所に確認の電話をしたことがある。
市役所の人からは天然記念物そのものではないから大丈夫ですとの返事をもらいほっとした。
実は、そもそも川で石ころを拾う行為自体が法律で禁止されている。
河川法第25条に、以下のように規定されているのだ。
「河川区域内の土地(河川管理者以外の者がその権限に基づき管理する土地を除く。以下同じ。)において土石(砂を含む。以下同じ。)を採取しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。」
とはいえ、その主旨は川の石を産業用、販売用として多量に採取することを想定していると思われ、個人が趣味で数個拾って帰るような場合は、ほぼお咎めはないようだ。
だからというわけではないが、私は海岸で拾うことが多い。海岸の石は川原の石よりも摩耗して丸っこくなっている場合が多く、手触りもすべすべして、いい感じなのだ。