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PEACE Lab代表。目標は、ペット業界を「人とペットの暮らしを全力で応援できる場所」にすること。保護猫10匹と暮らしているが、実は猫アレルギー。
犬が白い泡を吐いてしまっても、心配いらないケースもあれば、病気が原因と考えられるもの、中には緊急を要するものもあります。そのため、愛犬が白い泡を吐いたときに慌てないように、それが危険な状態なのか判断できるようにしておきましょう。
この記事では、犬が白い泡を吐いた原因とともに対処法や危険な嘔吐についても解説していきます。
目次
- 犬が白い泡を吐く原因とは
- 犬が白い泡を吐いた場合の対処法
- 危険な嘔吐との見分け方
- まとめ
犬が白い泡を吐く原因とは
犬が白い泡を吐いてしまったのはなぜか、主に4つの原因が考えられます。それぞれについて見ていきましょう。
空腹が原因
犬が吐いた白い泡は、水か胃液、唾液です。犬は空腹状態が長時間続くと、胆汁が胃に逆流してしまったり、胃酸が増えすぎたりして吐き気を催すことがあります。その場合、白い泡に黄色い液体が混ざることもあります。
犬が白い泡を吐いても、吐いた後ケロッとしていて食欲もあるようならほとんどの場合心配いりません。ごはんを食べて胃に何か入れば落ち着きます。
熱中症が原因
犬も人間とおなじように、気温や湿度が高い環境にいると熱中症になる恐れがあります。犬が熱中症になった場合、口から白い泡を吹くことがあります。犬が白い泡を吹いたら、犬の体温が上がっていないか確認をして、熱中症の症状が出ていれば速やかに涼しい場所へ移動し、濡れたタオルなどで体を冷やしましょう。
熱中症は非常に危険なため、嘔吐や下痢、けいれんを起こしたり、ぐったりしているなど重度の症状が出ていたりしたら、犬の身体を冷やしながら急いで動物病院へ連れて行ってください。
熱中症に関してはこちらの記事でもっと詳しく!
>犬の熱中症の見分け方は?応急処置と予防法、室内や留守番時の注意点も解説【獣医師監修】
乗り物酔いが原因
感受性の強い犬は、車や電車などで乗り物酔いをすることがあります。その際に口から泡を吐くことがありますが、乗り物酔いの場合は、乗り物から降ろして落ち着かせてあげることで収まります。
犬の車酔いに関してはこちらの記事でもっと詳しく!
>犬が車酔いをする原因は?主な症状や対処法、予防策について解説【獣医師監修】
元気や食欲もない場合は病気が原因かも
これまでに紹介した症状ではなく、白い泡を吐いた後に、食欲がなくご飯を食べない、元気がない、という場合は、何らかの病気が原因である可能性があります。発熱していないか、下痢はないか、よだれは多くないかなど他の症状はないか、注意深く観察しましょう。
もし吐いたものがネバネバしている、何度も嘔吐をしているといった症状が見られれば、脱水症状を起こしているかもしれません。
よだれ症状もある場合はこちらの記事もチェック!
>【獣医師監修】犬のよだれが多いときや吐くときは危険? 原因と対処法
食道炎の可能性?
口から泡を出すときには大きく2つがあり、胃の内容物を吐く「嘔吐」と食道内に溜まったものを吐く「吐出」です。吐出は、オエッオエッという動作なく、泡だけを出すことが特徴で、食道炎や巨大食道症が原因です。動物病院ではレントゲン検査で診断されます。ホルモンの病気の可能性もあるため、血液検査も含めて動物病院に相談しましょう。
犬が白い泡を吐いた場合の対処法
犬が白い泡を吐く原因のほとんどは、空腹状態が長時間続いてしまっていることです。そのため、犬の胃の中が空っぽになる時間を減らすために次のような対処法を試してみてください。
空腹時間を短くするために食事の回数を増やす
胃が空っぽの時間が長くなることが嘔吐の原因のため、できるだけ空腹状態の時間を短くするように調整しましょう。1日あたりのドッグフード給与量は変えずに、食事の回数を増やすことで空腹時間を短くします。
これまで食事は朝・夜の2回だったなら、3回に分け流などの工夫をしましょう。もし朝方に嘔吐することが多いようなら、増やした1回は寝る前に与えるようにしてください。
また、現在与えているフードの量が愛犬にとって充分な量か確認してみましょう。ドッグフードのパッケージに記載されている適正給餌量と愛犬の体重と照らし合わせて確認してみてください。
さらにおやつなどの間食は、1日の摂取カロリーの10~20%以内がよいとされています。ドッグフードとおやつの割合や量も見直してみましょう。
愛犬に必要なカロリー計算をしてみよう!次の記事を参考にしてください。
>犬が1日に必要なカロリーについて(必要なカロリー、計算方法)
胃液の過剰分泌に注意する
空腹による胃液の過剰分泌は嘔吐につながることがあるので、胃液が過剰に出ないように消化に時間がかかるフードへ切り替えたり、食物繊維を含む食材を取り入れたりするなどしてもよいでしょう。
食物繊維には、水に溶けやすい「水溶性植物繊維」と、水に溶けにくい「不溶性植物繊維」がありますが、水溶性植物繊維は、消化に時間がかかり胃に長時間留まる性質があります。そのため満腹感を維持しやすく、空腹状態を短くすることができます。
水溶性植物繊維を多く含む食材には、水溶性植物繊維であるペクチンを豊富に含むバナナなどのフルーツ類やワカメ、寒天などがあります。一方不溶性食物繊維は、フードのかさ増しや便秘の改善に効果があるとされています。
しかし、水溶性食物繊維の摂りすぎは下痢の原因となってしまうことがあるため、与えすぎには注意して、少量から試してみてください。
危険な嘔吐との見分け方
次に紹介するような症状が見られたら、病気の疑いがあります。中には緊急を要するケースもあるので、注意深く愛犬の様子を観察して、早期に動物病院へ連れて行ってください。また、少しでも不安があるようなら動物病院へ電話で問い合わせてみましょう。診察時には、吐しゃ物や排泄物を持参するとよいでしょう。
嘔吐物に血が混ざっている場合
犬の吐しゃ物に赤い血が混ざっていたり、コーヒー色をしている場合は、胃の疾患が疑われます。胃潰瘍や腸の腫瘍などでは嘔吐の他に、下痢や腹痛、便が黒くなったり血便などの症状も見られます。
元気がなく、ぐったりしている
白い泡を吐いただけでなく、元気がなくてぐったりしていたら何らかの病気のサインかもしれません。嘔吐が起こる病気には、細菌やウイルスの感染症や腫瘍、ホルモン関連の病気、胃腸や肝臓、腎臓の疾患などさまざまな病気があります。また胃拡張や胃捻転などだった場合は緊急を要します。
下痢や震えがある
嘔吐とともに下痢の症状が見られる場合は、胃炎や腸炎、腎不全、膵炎などの病気の恐れがあります。震え症状も見られるようだと危険な状態かもしれません。震えを起こす原因は、腹痛や低血糖、発熱、低体温、低カルシウム血症、高カリウム血症、甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症などがあります。
犬の嘔吐、病院へ連れて行った方が良いか迷ったら、こちらの記事もおすすめ!
まとめ
犬が白い泡を吐く原因や対処法について解説してきました。犬が白い泡を吐く原因の多くは、空腹状態が長時間続いたことが原因です。食事を与えて空腹が解消されることで収まるため心配いりません。
しかし、中には病気が原因のケースもあるので、愛犬が嘔吐したら、吐しゃ物の内容や嘔吐以外に症状がないか、注意深く観察するようにしましょう。愛犬の体調に少しでも不安がある場合は、信頼できる獣医師に相談するようにしてください。