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日・米・英にて行動診療やパピークラスを実施する動物行動コンサルティングはっぴぃているず代表。日本でまだ数十名しかいない獣医行動診療科認定医として幅広く活躍。
愛犬が噛んだり舐めたりするおもちゃは、いつも清潔に保っておきたいもの。正しくお手入れができていないと、雑菌が繁殖して犬の健康にも悪い影響を与えてしまいます。この記事では、動物行動コンサルティングはっぴぃているず所属の獣医師、フリッツ吉川綾先生に、犬のおもちゃの正しい洗い方や頻度について解説いただきます。
目次
- 犬のおもちゃを洗わないのは危険!
- 犬のおもちゃを洗う適切な頻度は?
- 犬のおもちゃを洗う際に、洗剤は使ってもいい?
- 素材別!犬のおもちゃの正しい洗い方
- 小さくなったり壊れたら、犬用おもちゃの買い替えどき
犬のおもちゃを洗わないのは危険!
ぬいぐるみやゴム製のおもちゃは、愛犬の唾液がついたまま放置されると菌やカビの温床となります。特に夏場は、細菌が増えやすく、そのまま遊ばせていると愛犬が体調を崩す原因になってしまうので要注意。
また、おもちゃにウイルスやホコリがついたままになっていると、それを舐めて体内に入れてしまい、体調を崩したりアレルギーの原因になったりもします。ほつれたり欠けたりしているおもちゃは誤飲の原因になることがあるので、こまめな掃除と点検はとても大切です。
犬のおもちゃを洗う適切な頻度は?
愛犬がおもちゃを使い終わったら、床に置きっぱなしにせず片付ける習慣を身につけましょう。その際、汚れや破損がないかをチェックするといいでしょう。また、中におやつを入れるタイプのおもちゃは、使う度に洗うのがおすすめです。
特に、夏場や湿気の多い時期はどんなおもちゃでもできるだけ毎回洗うようにしましょう。それ以外の季節なら、一週間に1度を目安に洗ってくださいね。おもちゃは複数を用意しておき、交換で使う方が衛生的にも、犬が魅力を感じ続けるという意味でも効果的ですよ。
犬のおもちゃを洗う際に、洗剤は使ってもいい?
基本的にどの洗剤を使っても、完全に洗い流せば犬の健康に問題はありません。とはいえ、洗い残しによる影響が心配な人もいるかもしれませんね。
洗い残しに対して、特に注意が必要な洗剤は、塩素系・アルカリ性の高い洗剤です。逆に、そこまで神経質にならなくてもいいのは、植物由来の成分・無添加の洗剤、ペット用洗剤、重曹、哺乳瓶用洗浄剤、中性洗剤。スプレータイプの洗剤を使うなら、無香料の弱酸性次亜塩素酸水がおすすめです。
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素材別!犬のおもちゃの正しい洗い方
では、具体的にどのような手順で犬のおもちゃを洗うのが正しいのかを見ていきましょう。
布製の場合
- 重曹をお湯で溶かし、おもちゃを5分ほど漬け置きする
- ネットに入れて洗濯機の「すすぐ」でゆすぐ
- 風通しのよい場所に干し、完全に乾かす
もし、感染症の原因となるウイルスや細菌の繁殖が心配な場合や、犬の排泄物がついている場合は、下記の手順で洗いましょう。
- 乾いた状態で汚れをできるだけ落とす
- よく水洗いをする
- 酵素入り洗濯剤で洗う
- 水でしっかりと洗剤を洗い流す
- 次亜塩素酸ナトリウムを希釈し漬ける(おもちゃによっては傷んだり脱色したりする可能性あるので注意)
- 水でさらによく洗い流す
- 洗濯ネットに入れて洗濯機に入れ「すすぐ」でゆすぎ、さらに手でも洗い流す
- 風通しのよい場所に干し、完全に乾かす
ゴム製、樹脂製の場合
- 中性洗剤を使って洗う
- 洗剤を水でしっかりと洗い流す
- 水分が残らないようによく乾かす
愛犬が遊ぶおもちゃは、こまめに洗い、破損がないか点検することが大切。
特に夏や湿気の多い時期は、使うたびに洗って、洗っている間は別のおもちゃを渡してあげるのがおすすめです。洗う際は、洗剤が残らないように完全に水で洗い流すようにしてくださいね。
小さくなったり壊れたら、犬用おもちゃの買い替えどき
こまめな洗濯で、おもちゃを清潔に保ち、大切に使うことはとても大切です。
一方で、愛犬が成長しておもちゃのサイズが小さく感じるようになったら、おもちゃを交換した方が良い時期です。
また、洗濯する際などに、都度おもちゃが壊れていないかも注意しましょう。布製のおもちゃであれば、遊んでいるうちに糸がほつれたり、中綿が出たりしてくることがあります。細かい糸屑や消化できない綿は誤飲・誤食してしまうと大変危険です。また、プラスチック製のおもちゃも、割れて鋭利になり、口の中を怪我してしまう場合があります。
ほつれや欠けている部分が見つかったら、新しいものと買い替えて、愛犬の安全を守りながら楽しみましょう。