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クリーニング師の国家資格を保持。2014年に株式会社モンパニエを設立し、企業向けのペット用品開発の監修を開始。現在では、専門家と連携したペット用品の開発も行う。
株式会社モンパニエが『シーシーエー獣医さんと作ったペットにとって大切なニオイの事を考えた洗濯用洗剤』を開発した背景、犬想いな特長とは?
目次
- 「ペットにとってニオイは個人情報」脱臭しすぎる洗濯用洗剤に疑問
- 愛犬がベッドに体をこすりつける意外な理由とは?
- ペットに大切なニオイを残す、今までにない洗濯用洗剤を開発
- 最大のピンチも……愛犬の存在と「良いものをつくる」という自信が
- 飼い主やシニア犬の洗濯物にも、安心して使える洗剤が完成!
- 目指すのは「ペットと飼い主がともに幸せに暮らせる社会」
「ペットにとってニオイは個人情報」脱臭しすぎる洗濯用洗剤に疑問
ペットと暮らす人にとって、気になるのが汚れやニオイの問題。
「愛犬のためにも清潔で快適な生活空間にしてあげたい」と、掃除や洗濯をしてペットのニオイを取ろうとしたり、ペット臭をごまかすために香りの強い芳香剤や柔軟剤を使ったりしている人も多いのではないでしょうか?
「もしかすると、犬自身や飼い主のニオイを取り去ってしまうのは、大切なペットにとってストレスになっているかもしれません」
そう警鐘を鳴らすのは、株式会社モンパニエ代表の橋爪さん。
「人間の数千~1億倍とはるかに鋭い嗅覚を持った犬にとって、ニオイは個人情報のようなもの。単なる感覚ではなく、彼らが自ら情報を取得し、世界を理解するための重要なコミュニケーションツールなんです」
ペットにとって非常に大切な役割を果たしている「ニオイ」。掃除や洗濯でペットにとって大切なニオイまで取り去ってしまうことで、ペットにとって居心地の良い空間とは言えなくなり、ストレスや不安を増大してしまう恐れもあるのです。
こうした犬本来の特性に着目して開発されたのが、株式会社モンパニエの『シーシーエー獣医さんと作ったペットにとって大切なニオイの事を考えた洗濯用洗剤(以下、シーシーエー洗濯用洗剤)』です。
商品名の通り、動物行動学を専門とする獣医師・茂木先生の監修のもと、界面活性剤や香料、蛍光増白剤、漂白剤、着色料を使用せず、ワンちゃんの健康と安全を徹底的に考えて開発されたのが本商品です。
自身も「大の犬好き」というモンパニエの橋爪さん。なんと、クリーニング師の国家資格を持つ「洗濯のプロフェッショナル」でもあります。
「ペットにとって大切なニオイは残しながら、すすぎ洗い一回だけで汚れやおしっこなどの不快なニオイはしっかり落とす。洗浄力の高さには自信があります」
今回株式会社モンパニエの橋爪さんに、『シーシーエー洗濯用洗剤』の犬思いな特長や開発秘話についてお話を伺いました。
愛犬がベッドに体をこすりつける意外な理由とは?
動物行動学の観点からペット用品やペットオーナー向けコンテンツの監修を行う株式会社モンパニエが、自社商品の開発に着手したのは今回の『シーシーエー洗濯用洗剤』が初。
商品開発の経験もノウハウもない中で、前例のない挑戦に踏み出したのは、獣医師・茂木先生のもとに寄せられたある“切実なお悩み”がきっかけだったと振り返ります。
「シニアになった愛犬の床ずれが深刻で、どうにかしたいというご相談でした。床ずれの治療には、ワンちゃんの皮膚に触れるシーツやおむつ、ベッドなどの布製品を清潔に保つのが不可欠です。しかし、市販の洗剤では界面活性剤や石鹸カスにより、かえって皮膚の状態を悪化させている恐れがありました」
さらにもう一つ、橋爪さんと茂木先生が着目したのが「ニオイ」です。
「嗅覚が非常に敏感な犬は、ニオイを通してさまざまな情報を得ています。強い香料は犬にとって大切なニオイが感知しづらくなり、強いストレスになる可能性もあります。だから、洗濯ですべてのニオイを根こそぎ取り去ってしまうのは、犬の健康にとって良いと言い切れない」と橋爪さんは言います。
ペットは自分や飼い主のニオイを嗅ぐことで自分の居場所を認識し、安心感を得ています。飼い主の留守中に使用済みの衣類やタオルの上に寝ていたり、洗い立ての洗濯物にペットが体をこすりつけたりする愛犬を見たことがある人もいるのではないでしょうか。
多くの洗剤に含まれる界面活性剤は、脂肪酸(油)と水を繋ぐ役割をする性質をもつため、衣類の汚れを落とすための主成分とされています。
この脂肪酸という成分は、ペットや人間の身体の皮脂にも多く含まれていて、ペットにとって大切なニオイのもとです。洗濯物にも多く付着しています。
一般的に、界面活性剤を使わない洗剤は脂肪酸の落ちが悪いとされていることもあり、汚れをしっかり落としたい場合には、界面活性剤の使用を避けては通れませんでした。