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ペット栄養管理士。愛犬のパピヨン2匹と暮らしながら、「犬おやつのオンラインレシピブック」の運営、犬の雑誌やウェブサイトでのレシピ制作を中心に活動中。
犬の体の約70%は水分と言われています。水分は血液や唾液などの体液をつくったり老廃物を運ぶなど、体のあらゆる働きに重要な存在です。
生きていくうえでとても大事な水分ですが「愛犬が水だけだと飲んでくれない!」と、お困りの方も多いのではないでしょうか。
暑い日のお散歩帰りやお出かけ中など「水分を多く含む食材を活用するのではなく、水を飲んでもらいたい」という時のサポートにおすすめの食材をシチュエーション別にご紹介します。
目次
- 犬が水を飲まない理由とその対処法
- 愛犬が飲むお水の量は適切?1日の水分摂取量の目安
- 【日常編】愛犬の水のトッピングにオススメな食材と選び方、与え方ポイント
- 【出先編】散歩中やお外で水を飲ませたい時のトッピング食材と選び方、与え方ポイント
- 毎日の水分補給や熱中症対策に!愛犬の好みを把握しておこう
- 【与える前に】水分補給のトッピング食材を活用するときの注意点
犬が水を飲まない理由とその対処法
愛犬が水だけだと飲んでくれない理由のひとつとして「味がしない」「香りがない」ことが考えられます。
この場合は「犬が好む風味(タンパク質の味や脂肪のなめらかさ)」と「香りを感じる食材」をプラスすることが大きなポイントになります。
今回紹介する食材は、栄養補給やおやつとしてではなく「水を飲んでほしい時の風味づけ」を目的としています。ひとつまみ・2〜3滴など、香りづけ程度にごく少量をトッピングしてください。
水を飲みたがらない場合、ストレスや体調不良が影響している可能性も考えられます。愛犬の体調をよく観察し、違和感がある時は動物病院に相談するようにしてください。
愛犬が飲むお水の量は適切?1日の水分摂取量の目安
犬にとって1日に必要な水分量の出し方には諸説ありますが、以下の量を参考にしてみてください。
犬の体重 | 1日の水分摂取量の目安 |
1kg | 50~70ml |
3kg | 150〜210ml |
5kg | 250ml〜350ml |
7kg | 350ml〜490ml |
10kg | 500ml〜700ml |
15kg | 750ml〜1050ml |
20kg | 1000ml〜1400ml |
30kg | 1500ml〜2100ml |
※計算式は「犬の体重(kg)×50~70ml」を参考にしました。
この量を必ず飲ませなくてはいけないということではなく、体調を見ながら調整してください。
【日常編】愛犬の水のトッピングにオススメな食材と選び方、与え方ポイント
おうちで水を飲ませたい時のトッピングには、香りや風味を感じられて「日常的によく使う食材で、常備しておきやすいもの」がおすすめです。
愛犬のお水トッピング食材1.ごま
ごまは香りが強いので、水のトッピングに向いています。
<選び方・トッピングのポイント>
ごまの種類は白ごまでも黒ごまでも大丈夫です。すりごまが便利ですが、いりごまを使う場合は指先で潰してからトッピングしてください。
乾物なので、おうちに常備しやすいのも嬉しいポイントです。
愛犬のお水トッピング食材2.ごま油
ごま油はごまの香りと油の滑らかさが、水のトッピングに向いています。
<選び方・トッピングのポイント>
調味料が混ざっていない、純正なものを選んでください。ただし、油は小さじ1杯あたり約36kcalとなかなかの高カロリー。入れすぎないようにご注意ください。
愛犬のお水トッピング食材3.かつお節
タンパク質であるかつおから作られており、香りを強く感じるのでかつお節も水を飲ませたい時のトッピングに便利な食材です。
<選び方・トッピングのポイント>
愛犬に与える時は、細かく削られているものがおすすめです。
塩分が気になる際は減塩タイプを選んでください。粗削りのかつおぶししか手に入らない場合、のどに貼り付かないように細かく砕いてからトッピングしてください。
愛犬のお水トッピング食材4.ヨーグルト
タンパク質の風味も脂肪のなめらかさも揃っているヨーグルトもトッピングにおすすめです。
<選び方・トッピングのポイント>
無糖のプレーンタイプを選んでください。ダイエット中や脂肪を控えめにしたい愛犬には低脂肪ヨーグルトでも大丈夫です。
全体を軽く混ぜてから与えてください。
愛犬のお水トッピング食材5.豆乳
豆の風味を感じられる豆乳もトッピングにおすすめです。
<選び方・トッピングのポイント>
豆乳は無調整のものを選んでください。「豆乳だけ」で水分補給をしようとすると、カロリーオーバーになる可能性も考えられます。
おやつとしてではなく水分補給として与える時は、ごく少量を混ぜるようにしてください。
【出先編】散歩中やお外で水を飲ませたい時のトッピング食材と選び方、与え方ポイント
長めのお散歩、ドッグカフェやキャンプなど、お出かけの時に水を飲ませたい時のトッピングには「常温で持ち歩きやすく、小粒なもの」がおすすめです。
ドライフード、ボーロ、細かく切ったジャーキーなどを水に入れてあげると、風味が広がって飲みやすくなります。
先ほどの「日常編」でご紹介した、かつおぶしやごまなどの乾物も持ち歩きやすい食材ではありますが、おでかけに持っていくおやつと水分補給のちょい足し食材が兼ねられるともっと◎。荷物がコンパクトにまとまりますよ!
毎日の水分補給や熱中症対策に!愛犬の好みを把握しておこう
水道から出したばかりの水なら飲む、冷蔵庫で冷やした水のほうが飲む、ということもあるようなので、愛犬はどのようにしたら水を飲んでくれるか試してみてください。
多少の時間はかかってしまいますが、愛犬の傾向を理解しておくことでいざという時に困らずに済むこともあります。
水の温度は常温or人肌程度のぬるま湯がおすすめですが、愛犬が冷やした水を好む場合、おなかを壊さないように少しずつ飲ませてくださいね。
我が家の愛犬たちは食べることに関していつも全力なのですが、水だけ出すとなかなか飲んでくれず、テンションが下がった様子でどこかへ行ってしまうことも。。。
無調整豆乳を少し入れてみたところ、ごはんのごとく無我夢中になって水を飲むほどではありませんが、水だけを出した時よりも飲む量が増えていました。
一度に大量に飲ませようと思わず、小まめな水分補給を心がけてみてくださいね。
【与える前に】水分補給のトッピング食材を活用するときの注意点
・今回ご紹介した食材は健康な成犬が口にすることを想定しています。
・アレルギーがあったり投薬中の場合、食材の中には相性のよくないものもあります。かかりつけの獣医師に相談の上、与えるようにしてください。
・風味づけは与える直前にして、保存しないようにしてください。