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PEACE Lab代表。目標は、ペット業界を「人とペットの暮らしを全力で応援できる場所」にすること。保護猫10匹と暮らしているが、実は猫アレルギー。
黒っぽかったり、赤かったり……うんちの色がいつもと違うと心配ですよね。この記事では、犬のうんちの色別に、考えられる病気と原因を解説します。また、異常な色のうんちが出たときの受診の仕方や、健康なうんちのためのポイントも紹介。愛犬の体調チェックに欠かせないうんちの色を知り、健やかな毎日につなげていきましょう。
目次
- 健康的な犬のうんちの色とは
- こんな色の時は要注意!異常な犬のうんちの色
- 色以外のうんちのチェックポイント
- 異常なうんちが出た場合の対処方法
- 健康的なうんちのためのポイント
- まとめ
健康的な犬のうんちの色とは
犬のうんちの色は、黄土色~茶色~こげ茶色が正常です。脂質を消化する胆汁の色素(黄色~緑色)が、腸内細菌によって分解されることで、いわゆる「便の色=茶色っぽい色」になります。
食事の内容によっても、うんちの色は変わります。炭水化物や野菜、乳酸菌を多くとると黄色寄りに、肉や鉄分を多くとると黒色寄りの色になります。また、腸内が酸性(善玉菌優勢)だと黄色寄りに、アルカリ性(悪玉菌優勢)だと黒色寄りになります。
食事やおやつを変えなければ、同じ色のうんちをするのが普通です。また、うんちの硬さはべちゃっとしておらず、ティッシュでつまみ取れ、シットリしているくらいが理想的。普段から愛犬のうんちの様子をよく見て、健康状態の目安にしましょう。
こんな色の時は要注意!異常な犬のうんちの色
黒、赤、緑などうんちの色別に、考えられる原因について解説します。
黒いうんちの場合
血液は時間が経つと黒くなるため、黒いうんちが出たときは口やのど、胃や小腸など上部消化管からの出血が疑われます。誤食などによる出血、肉類やレバー、鉄剤の影響などの場合もあります。
赤いうんちの場合
赤いうんちや、うんちの表面に血がついている場合は、大腸や肛門などからの出血の可能性があります。また、誤食やストレスが原因の場合も……。血便や下痢とともに、透明なゼリー状の粘液が出ることもあります。
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緑色のうんちの場合
うんちが緑色になるのは、胆汁に含まれる色素のためです。下痢などにより消化管の通過時間が短い場合、腸内細菌で分解されず、色素が茶色に変わる前の緑っぽい色のままで出てきます。野菜や草を大量に食べた場合にも起こります。
白いうんちの場合
胆管閉塞などで胆汁がうまく分泌されない場合や、膵臓に異常がある場合、白っぽいうんちが出ます。
黄色味の強いうんちの場合
腸炎などで胆汁の色素が分解されないと、黄色味が強い軟便や下痢便が出ます。また、膵外分泌不全などで脂肪が分解されず、脂肪便として黄色味の強いうんちになることもあります。野菜など繊維の多いものをたくさん食べた場合にも起こります。
細いうんちの場合
腸が圧迫されていると、細いうんちになります。大腸や膀胱の腫瘍などのほか、オスなら前立腺肥大や会陰ヘルニア、メスなら膣の平滑筋肉腫などが考えられます。。
色以外のうんちのチェックポイント
トイレタイムには、毎回次のようなこともチェックしておきましょう。まずは臭いです。健康的なうんちは、臭いがきつくありません。酸っぱい臭いや腐ったような臭いは要注意です。硬さはバナナくらいが理想的。これらは人間と同じですね。
また、犬は肉食に近い雑食なので、動物性タンパク質がメインの食事なら消化吸収しやすく、うんちの量は少なめになります。食物繊維が多い食事をとると、うんちの量は増えます。
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異常なうんちが出た場合の対処方法
色や形状、臭いなどうんちに異常があった場合は、うんちを持参して動物病院を受診しましょう。前日のものでも大丈夫ですが、なるべく冷暗所で保管することをおすすめします。ビニール袋やラップを二重にして包む、ペットシーツの上で排便した場合はそのままビニール袋に入れて持参するとよいでしょう。
普段食べている食事やおやつの種類に加えて、食欲や元気の有無、体重の増減など、普段と変わった様子があれば合わせて獣医師に伝えましょう。
健康的なうんちのためのポイント
いいうんちが出るように、日頃から気を付けてあげたいポイントを解説します。
乳酸菌の摂取
腸を酸性にして、善玉菌を活性化させることが快便のポイントです。
ただし、乳酸菌飲料やヨーグルトをたくさんあげるのは禁物。ヨーグルトは牛乳からできていますが、犬は牛乳に含まれる乳糖を分解することができません。また、ヨーグルトには乳脂肪分が含まれていますから、脂肪過多にならないよう注意が必要です。与える場合には甘味のついていない、無脂肪タイプのヨーグルトが安心です。少しずつあげて、うんちの様子を見ながら適量を判断しましょう。
また、食事でカバーしきれない場合は、サプリメントで補助するのも一つの手です。獣医師に相談して、乳酸菌が含まれている犬用のサプリメントを適宜与えましょう。
年齢にあった食事内容
運動量のある若い犬は必要な栄養素をしっかり補える食事にする、シニア犬は良質なタンパク質の摂取と脂質は少なめのフードを選ぶなど、年齢に合った食事内容を心がけましょう。また、食欲不振がある場合はふやかしてあげる、便秘や臭いがきつい場合は消化吸収がよく、水溶性食物繊維の多いフードへ切り替えるなどの配慮も必要です。
ただし、フードは急に変えると消化器官に負担がかかります。今のフードに新しいものを少しずつ混ぜ、徐々に割合を増やしながら1週間くらいかけて変更します。うんちの様子を見ながら、ゆっくり切り替えてあげましょう。
栄養バランスを考える
うんちの調子がよくない場合は今までよりも、タンパク質や脂質が少なめのフードにしてみましょう。また、食物繊維過多は便秘やガスの発生の原因になります。判断が難しい場合は獣医師に相談しましょう。
まとめ
毎日のうんちは、犬の健康状態のバロメーターです。健康なうんちの状態を把握しておくと、トラブルに気づきやすく、大きく体調を崩すことを防げます。日頃から色や形、回数などをよく観察してあげてくださいね。