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獣医師資格取得後、小動物臨床経験6年。主に犬猫の臨床に携わる。現在は子育てをしながら、愛猫と暮らしている。
犬は人の約4倍のスピードで年をとり、病気もはやく進行します。愛犬の変化にすぐ気づくためには、毎日の簡単な健康チェックに加えて、月に数回しっかりチェックをするのがおすすめです。ここでは、見落としがちな健康チェック項目と最適な頻度をご紹介します。
目次
- 【月に1~2回】愛犬の体重をチェックしよう
- 【月に1回】愛犬の関節を触って痛がらないか確認しよう
- 【月に1回】正面や後ろから愛犬の姿勢をチェックしよう
- 【月に1回】見落としがちな愛犬の飲水量を把握しよう
【月に1~2回】愛犬の体重をチェックしよう
定期的に愛犬の体重を計測することで、急激な体重の増減や発育状態を知ることができます。やせすぎ・太りすぎではないかを知ることもできるので、食事量を見直すきっかけにもなるでしょう。
子犬の成長期である生後6〜7カ月くらいまでは、発育状態をチェックするためにも1〜2週に1回は体重を計ることが大切です。この時期は増えていくことが正常ですので、減ってしまっている場合には食事量などを見直しましょう。
チェック方法
犬を体重計の上に乗せたら、待てをして計測します。
体重計を怖がってしまう、もしくは待てができない場合は、まず抱っこした状態で飼い主さんと愛犬の体重を計測してから、次に飼い主さんだけの体重を量ってひき算すると犬の体重がわかりますよ。
正確な数字が分かりづらい超小型犬や、体重計に乗ることができない大型犬は、動物病院で計測してもらいましょう。
【月に1回】愛犬の関節を触って痛がらないか確認しよう
愛犬が抱っこやスキンシップを嫌がることはありませんか?急に嫌がり始めた場合は、関節に何らかの異常があるのかもしれません。特に老犬では、関節がスムーズに動くかどうかも要チェックですよ。
チェック方法
足先や付け根をさわったり、曲げたり伸ばしたりしたときに痛がらないか確認しましょう。ゴリゴリした感触や嫌がるしぐさが見られる場合は、「変形性関節症」などのおそれがあります。一度病院病院で受診してみましょう。
【月に1回】正面や後ろから愛犬の姿勢をチェックしよう
愛犬が真っ直ぐ立っているとき、左右バランスよく立てているか、体全体が左右対象か確認してみましょう。特に老犬は、関節に異常が出やすいので、注意深く確認してください。
チェック方法
愛犬が立っている状態で、正面と後ろから体の傾きを確認します。左右どちらかに体重をかけていたり、立ち姿のバランスが悪かったりはしませんか?立ち姿に傾きが見られた場合は、「股関節形成不全」や「膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)」など、関節や骨の病気の疑いがあるため注意が必要です。
また、顔の表情や目、体全体が左右対象かも合わせて確認しましょう。左右で差があったり、ふくらみや腫れがあったりしたら、一度動物病院で診てもらってください。
【月に1回】見落としがちな愛犬の飲水量を把握しよう
愛犬ののどが乾かないよう常に水を用意しているため、毎日どれくらい飲んでいるのかわからないというかたも多いでしょう。1日の飲料水が増加した場合は「糖尿病」や「腎不全」の疑いがあり、少なすぎると「尿石症」などオシッコの病気につながることも。季節や運動量などによっても飲水量が変化するため、ふだんから愛犬が適切な量の水を飲んでいるかどうか、しっかり把握しておくことが大切です。
チェック方法
朝、あらかじめ計量した水をいつもの容器に入れ、1日の終わりに残った水を再び計量。最初の量から最後の量をひき算することで、その日にどれくらい飲んだのかがわかります。定期的に計測し、増減が大きい場合は一度獣医師に相談しましょう。
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