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獣医師資格取得後、小動物臨床経験6年。主に犬猫の臨床に携わる。現在は子育てをしながら、愛猫と暮らしている。
犬は高齢になると、さまざまな病気にかかりやすくなりますが、「関節炎」もその1つです。命に関わる病気ではありませんが、犬は痛みを感じるため、放っておいてはいけません。ここでは、関節炎の予防法や発症時のサインなどを解説します。
目次
- 関節炎とはどういう病気?症状や原因は?
- 関節炎になりやすい犬種は?
- 関節炎予防のコツと早期発見のポイント
- 関節炎になってしまったら……治療法や対処法は?
関節炎とはどういう病気?症状や原因は?
関節炎とは1つの疾患に対する病名ではなく、ひじ・ひざ・股関節など、全身のあらゆる関節疾患の総称です。骨と骨をつなぐ関節は、日々の生活で徐々に衰えていき、高齢になればなるほどその影響は大きくなります。犬の場合は、体重がかかりがちな、ひじ・ひざ・肩や股関節などの関節に炎症を起こすことが多いです。
関節炎自体は、命に関わる病気ではありません。しかし痛みを伴うため、犬にとってはつらい病気といえます。
関節炎になりやすい犬種は?
どの犬種でも関節炎になるおそれはありますが、遺伝的にはゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、シェットランド・シープドッグなどがなりやすいとされています。
また、体重が重い犬は関節に負担がかかり関節炎をおこしやすいので、肥満には十分に注意しましょう。
関節炎予防のコツと早期発見のポイント
関節を支えるのはそのまわりの筋肉です。関節炎のいちばんの予防法は、しっかりとした筋肉をつけること。毎日の散歩や運動が、関節炎予防において最重要といえます。
散歩や運動が習慣化していれば、体重の増加防止にも役立つため、関節炎だけでなく、肥満から引き起こされるさまざまな病気の予防にも繋がります。
ただし、過度な運動は逆に関節に負担をかけてしまうため、とくに歳を重ねて運動不足になりがちな場合、適度な運動で筋力を維持することを心がけましょう。
もし関節炎になってしまった場合は、飼い主さんがいち早く気づき、適切な治療を受けさせることが大切です。
- 立ち上がるのがおっくうな様子だ
- できるはずのお手やお座りを嫌がる
- 歩き方が変だ
こういったしぐさを見せるようになったら、もしかしたら関節が痛いのかもしれません。はやめに動物病院に行き、検査をしてもらいましょう。
関節炎になってしまったら……治療法や対処法は?
程度にもよりますが、薬やサプリメントなどで症状を緩和しながら、無理のない範囲で軽い運動をさせることが、悪化を防ぐのに役立ちます。運動不足で筋力が落ちたり肥満になってしまったりすると、関節炎には悪影響です。
痛みを押さえる治療法などを医師と相談しつつ、肥満気味であれば体重を落としたり、適度に散歩に出かけたりしてあげてください。
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