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ちば愛犬動物フラワー学園所属。北里大学獣医畜産学部卒業 / 現在は専門学校に勤務しつつ、地域の動物病院にて勤務医として従事。

喉を鳴らすのは猫だけではなく、犬も鳴らすことがあります。犬がグーグー、グググ、ゴロゴロなどと喉を鳴らすのにはさまざまな理由があり、愛犬の感情や健康状態を理解するための手がかりになります。
この記事では、犬が喉を鳴らす理由とその対処法について、心理的な理由と身体的な理由の2つの側面から獣医師の平田繭子先生に解説していただきました。
目次
- 犬が喉を鳴らす【心理的な理由と対処法】
- 犬が喉を鳴らす【身体的な理由と対処法】
- 愛犬との楽しい時間や健康のために
- まとめ
犬が喉を鳴らす【心理的な理由と対処法】
愛犬がゴロゴロと喉を鳴らしていると、何か訴えたいことがあるのかなと考えてしまいますよね。言葉を話せない犬は、喉を鳴らすことで感情表現をすることがあります。犬の表情や状況に注目して、気持ちを読み取ってみましょう。
満足の気持ち
ごはんやおやつ、散歩の後など、喉を鳴らしながらくつろいだり、足をなめたりする場合があります。この行動には「ごはんがおいしかった」「散歩が楽しかった」などの気持ちが表れているといえます。満足した状態の犬は、目を細めたり、体をくつろがせたりといった行動も見せます。このような様子を観察できたら犬はリラックスした状態にあるため、優しくなでたり、話しかけたりしてあげると、愛犬の満足した気持ちがより長く続くはずです。
特に、日常の「嬉しい瞬間」を共有することで、犬も飼い主に対して一層の安心感を覚えると考えられます。
甘えの気持ち
飼い主にすり寄って来て喉を鳴らしたり、おなかを見せて「なでてほしい」というように喉を鳴らしたりするときは、甘えの気持ちを表しているといえます。このような行動は、子犬が母犬に甘えるときと同じ仕草で、愛情表現の1つだと考えられます。甘えた行動が見られるときは、飼い主への信頼が表れています。この瞬間に飼い主も愛情をもって応えることで、犬の心に「安心」という感情がさらに根付き、信頼関係がさらに深まるでしょう。
また、甘えの行動に応じることで、飼い主と犬の間でポジティブなルーティンが生まれます。例えば、毎日同じ時間になでてあげたり、遊んであげることで、犬にとって「穏やかで楽しい時間」を提供できます。
嬉しくて興奮する気持ち
飼い主が家に帰ってきたり、一緒におもちゃで遊んだりしているときにうなるように喉を鳴らすのは、嬉しくて興奮している気持ちが表れているといえます。犬が飼い主とのコミュニケーションを喜んでいると考えられます。犬が飼い主に喜びを表現するのは、信頼と愛情がしっかり築かれている証拠です。このような瞬間を大切にすることで、飼い主に対する犬の愛情もますます深まります。
ただし、興奮したまま遊びに入ると、想定外のアクシデントが起きる可能性があります。「おすわり」「待て」などの指示を出して、少し落ち着かせてから遊びを再開することが、安全で楽しい時間を過ごすポイントです。
警戒や威嚇の気持ち
見知らぬ人や他の犬に対して警戒心を抱いたり、威嚇したりする際に、喉をゴロゴロと鳴らすことがあります。また、お気に入りのおもちゃや食べ物を取られまいとして、うなるように喉を鳴らすことも。
この場合、犬は自分のテリトリーや物を守ろうとする本能から行動していると考えられます。このような状況では、犬が安心できるように、優しく声をかけたり、また犬同士が対面してしまった場合は距離を遠ざけるなど刺激を避けたりしていきましょう。シーンによって対処法は異なりますから、愛犬がどんなときに警戒や威嚇の気持ちがあるか、普段から様子をよく観察して複数の選択肢を準備できるといいですね。
また、他の犬や人との関係を良好に保つために、適切なトレーニングを行うこともおすすめです。
犬が喉を鳴らす【身体的な理由と対処法】
犬は次のような身体的な理由で喉を鳴らすこともあります。こうした理由に注目することで、犬の健康状態をより深く理解することができます。
おなかが空いている
ゴロゴロと喉を鳴らす場合、おなかが空いている可能性があります。特に、食事の時間が近づいたときや、飼い主が食事をしているときにこの行動が見られます。子犬が母犬に空腹を訴える際にも似た仕草を見せます。日々の食事量を確認して、必要に応じて適量の食事を与えるようにしましょう。
体に異常がある
痛みや不快感を訴えるため、飼い主を見ながら喉を鳴らすことがあります。この行動は、犬が自分の異変を伝えようとしている仕草といえます。痛みや不快感が原因の場合、犬は喉を鳴らすだけでなく、頻繁に体を舐める、食欲が減退するなどのサインを示すことがあります。
これらのサインを見逃さず、いつもと違う様子が見られる場合は早めに動物病院を受診しましょう。飼い主が犬の様子に注意を払うことで、病気の早期発見や予防が可能になります。
気管虚脱
「ガーガー」というアヒルの鳴き声のような音が喉から聞こえる場合、気管が何らかの要因で押しつぶされて空気の流れが悪くなる「気管虚脱」の可能性があります。この症状は特に小型犬に多く見られ、中高齢の犬に多い傾向があります。治療としては内科的、外科的処置が考えられますが、まずは動物病院で診断を受けることが重要です。症状を放置せず、早期に対処することで愛犬の負担を軽減することができます。
気管虚脱のリスクを軽減するためには、適切なハーネスを使用するほか、肥満を予防することも重要です。気管虚脱の兆候が見られる場合には、犬の体重や生活環境を見直してみましょう。
愛犬との楽しい時間や健康のために
カインズのオンラインショップでは、犬の「遊びたい」「甘えたい」気持ちに応える楽しいおもちゃを各種取りそろえています。また、スキンシップを通して安心感を与えるだけでなく、皮膚や被毛の状態もチェックできるケア用品もお取り扱いしています。
定期的なスキンシップは、犬のリラックス効果だけでなく、体調変化の早期発見にも役立ちます。毛並みの状態や肌の異常に気づくことで、健康トラブルを未然に防ぐことができます。愛犬との触れ合いを日々の習慣に、グッズもぜひチェックしてみてくださいね。
気管虚脱しやすい犬のために、気管を圧迫しづらいハーネスもおすすめです。
※売り切れや取り扱い終了の場合はご容赦ください。
※店舗により取り扱いが異なる場合がございます。
※一部商品は、店舗により価格が異なる場合があります。
※上記商品は獣医師の監修外です。
まとめ
犬が喉を鳴らすとき、安心感や喜びなどのポジティブなものから、不安や体調不良といったネガティブなものまで、さまざまな理由があることをご紹介してきました。犬の行動にはさまざまな情報が詰まっています。行動の背景を理解することで、犬との絆を深め、健康管理にも役立てることができるでしょう。
特に、体調不良のサインを早期に察知することは、愛犬の健康管理において非常に重要です。喉鳴りの音の特徴や頻度、犬の表情や体の様子を総合的に判断し、適切な対応を心がけたいものですね。この記事で紹介した内容を日々のケアに取り入れ、愛犬と楽しい時間を過ごしてください。

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