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ヤマザキ動物看護大学准教授、愛玩動物看護師、ペットグルーミングスペシャリスト。教育気・研究の現場だけでなく、数々のテレビ出演や、執筆活動など幅広く活躍。
世界一小さいといわれる小柄な体格が特徴のプラシュスキー・クリサジークですが、プラシュスキー・クリサジークを初めて飼う場合に気になるのが、どんな性格をしていて飼いやすいかどうかではないでしょうか。そこで今回は、ヤマザキ動物看護大学動物看護学科准教授、ドッググルーミングスペシャリストの福山貴昭先生に教えていただいた、プラシュスキー・クリサジークの性格や特徴、かかりやすい病気やしつけのポイントなどについて解説していきます。
目次
- プラシュスキー・クリサジークの歴史やルーツ、英語名は?
- プラシュスキー・クリサジークのオスとメスの体高や体重は?
- プラシュスキー・クリサジークの平均寿命は?
- プラシュスキー・クリサジークの毛色や種類、被毛、外貌の特徴は?
- プラシュスキー・クリサジークはどんな性格、習性?
- プラシュスキー・クリサジークを迎える際にかかる費用は?
- プラシュスキー・クリサジークのしつけと社会化トレーニングのポイント
- プラシュスキー・クリサジークに必要な運動量や散歩の目安、おすすめの遊びは?
- プラシュスキー・クリサジークを飼うのに向いている人は?
- プラシュスキー・クリサジークがかかりやすい病気と予防法は?
- プラシュスキー・クリサジークの日常のお手入れ
- プラシュスキー・クリサジークとの生活で注意すべきことは?
プラシュスキー・クリサジークの歴史やルーツ、英語名は?
犬種名 | プラシュスキー・クリサジーク |
英語名 | Prague Ratter |
原産国 | チェコ共和国 |
分類 | 超小型犬 |
グループ | 9G:愛玩犬 |
プラシュスキー・クリサジーク【英語名:Prague Ratter】は、チェコ共和国が原産の超小型犬です。
ジャパンケネルクラブの犬種分類では、家庭犬、伴侶や愛玩目的の犬である「9G:愛玩犬」に属します。
プラシュスキー・クリサジークは、古くからネズミ駆除のために働いてきた犬です。犬種名の“プラシュスキー”はチェコ語で「プラハの」、“クリサジーク”は「小さなネズミ捕り」という意味です。
歴史は古く、プラハ城で開かれたチェコ王主催の宴会に登場したという記録があります。ボヘミア貴族に寵愛され、ボヘミアの王から他のヨーロッパ諸国の王族や統治者に贈り物とされたのちに、庶民にも親しまれるようになりました。
ドッグショーへは「小さすぎる」ことを理由に参加資格をはく奪されたことがありますが、1980年代にチェコ・プラハで犬種が確立され、日本へは1998年に輸入が始まりました。犬種としては比較的新しく、世界一小さい犬種ともいわれています。JKC(ジャパン・ケネル・クラブ)では認定されていますが、FCI(国際畜犬連盟)では未公認犬種です。
プラシュスキー・クリサジークのオスとメスの体高や体重は?
体高:オス、メスともに21~23cm
体重:オス、メスともにやく2.6kg
プラシュスキー・クリサジークは超小型犬に分類されます。
プラシュスキー・クリサジークの平均寿命は?
プラシュスキー・クリサジークの平均寿命に関するデータはありませんが、『アニコム家庭どうぶつ白書2021』によると、超小型犬の平均寿命は14.4歳となっています。
犬を迎える際は、最期のときまでしっかり世話ができるかを考えておきましょう。
犬をみとる頃に自分は大体何歳になるか、犬の介護ができるか、自分の生活環境や経済状況などもあわせて考えなければなりません。
犬を迎えようと考えているシニアの方は保護犬などで成犬を迎えるケースも検討するほか、万が一自分が世話できなくなった場合を想定しておくことも重要です。犬の世話を頼めそうな人にあらかじめ相談して承諾を得てから迎えたり、老犬ホームといった預かり先を決めたりして急な環境の変化に備えておきましょう。
プラシュスキー・クリサジークの毛色や種類、被毛、外貌の特徴は?
ジャパンケネルクラブの犬種標準によると、プラシュスキー・クリサジークの毛色はタン・マーキングのあるブラックかブラウン、またはブルー、またそれらの毛色が薄まった色とされています。さらに、大理石模様に似た濃淡があるブラック・アンド・タン・マール及びブラウン・アンド・タン・マールもあります。
タン・マーキングは目の上、頬、胸、パスターン、後躯の内側及び尾の付け根の下にあり、前胸には同じような三角形が2つ形成されています。濃いレッドや薄いイエローの場合は、タン・マーキングがありません。
コートはスムースコートとミディアム・ロング・ヘアーの2タイプ。
全犬種の中で最も小さい体型で、体系はほぼスクエア、ピンと直立した耳が特徴です。
プラシュスキー・クリサジークはどんな性格、習性?
プラシュスキー・クリサジークは、体は小さいですが非常に活発で機敏です。
性格は明るく穏やかで、家族に深い愛情を注ぎます。知らない人に対しては控えめな態度で接しますが、ときには警戒心の強さを発揮します。
人に甘えるのが上手で、寂しがり屋な性格がみられるようです。
プラシュスキー・クリサジークを迎える際にかかる費用は?
プラシュスキー・クリサジークを飼い始めるとき、飼い続ける際にかかる費用について説明します。
タイミング | 内訳 | 費用の目安 |
迎えるとき |
ペットショップ、ブリーダー |
※ブリーダーによる |
飼い始めるとき | 畜犬登録料 | 約3,000円 |
生活用品(クレートやケージなど) | 約5~7万円 | |
1年に1回かかる費用 | 狂犬病予防接種費 | 約3,500円 |
混合ワクチン接種費 | 約5,000~10,000円 | |
毎月かかる費用 | 消耗品(フードやおやつなど) | 約5,000~10,000円 |
飼い始める際にかかる費用
プラシュスキー・クリサジークはペットショップでの販売は珍しく、専門のブリーダーや輸入が主な入手方法です。
ブリーダーから購入する際は時価となり価格は変動することがあります。また、常に子犬が産まれているとは限らないため、プラシュスキー・クリサジークのブリーダーにあらかじめ相談したり、問い合わせたりしておくと良いでしょう。
他にも愛犬を迎えるには友人や知人から譲り受ける、譲渡会に参加する、保護犬を迎え入れるといった方法もあります。
犬を飼い始めるときには飼い始めてから30日以内に(子犬の場合は生後91日を経過してから30日以内に)お住いの自治体に犬の登録(登録料は3,000円程度)を行うほか、混合ワクチン接種費や狂犬病予防接種費も必要になります。
母犬の初乳から得た免疫は徐々に低下していくため、混合ワクチンを子犬期に計3回接種してさまざまな感染症を防ぐ必要があります。
子犬を迎える際の月齢によっては、ペットショップ側でワクチンを3回打っているため、生体代と一緒にワクチン代も支払います。3回全て打っていない場合は、飼い主が動物病院に連れて行って接種させましょう。
狂犬病予防接種は生後91日を過ぎた全ての犬が年に1回接種するよう法律で定められており、子犬の場合は混合ワクチンの接種を終えて2週間過ぎたタイミング(およそ生後110日前後)で打たせます。
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飼い続けるために必要な費用
犬を養育するうえでの生涯コストは、ドッグフードやペットシーツ、留守番時のエアコン代、一般医療費、トリミング代、レジャー費など200~300万円といわれています。
なかには僧帽弁閉鎖不全症など手術費が100万円以上になる病気にかかる場合や、アレルギーなどによって継続的な通院や投薬の費用がかかることもあります。犬を迎えるにあたっては、計画的な貯金やペット保険の利用なども検討し、予期せぬ出費にも対応できるかよく検討しておきましょう。
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プラシュスキー・クリサジークを迎える際に必要な生活用品としては、クレートやケージ、サークルをはじめ、首輪やリード、食器、給水器、ドッグフード、トイレなどが挙げられます。
また犬が遊べるようおもちゃも用意するとよいでしょう。プラシュスキー・クリサジークは普段の散歩の他に、屋内で遊べるボールなどのおもちゃがおすすめです。
犬の生体代を除く初期費用としては、5~7万円程度を見込みましょう。
毎月の消耗品としては、ドッグフードやおやつ、トイレシーツ、歯ブラシやボディシートなどが挙げられます。一般的に毎月の平均額は5,000円~10,000円ほどです。ブラッシングや自宅でのシャンプーといったケア用品を揃えておくのが安心です。
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2022年6月から、ペットショップやブリーダーで販売される犬や猫にマイクロチップの装着が義務化されました。マイクロチップは思わぬ事故や災害で迷子になってしまったときに、保護された犬を飼い主のもとへ返すための重要な役目を果たします。
装着費用は3,000~5,000円程度で、さらに飼い主の氏名や住所、電話番号などの情報登録料としてかかります。登録はオンライン申請で300円、郵送する場合は1,000円です。
ドアを開けた際に外へ飛び出したり、散歩中大きな音に驚いて逃げてしまったりなど、飼い主の不注意やアクシデントで犬は迷子になってしまう可能性があります。そのため、プラシュスキー・クリサジークを迎える際は迷子対策もしっかり講じましょう。
迷子対策としてはマイクロチップの装着のほかに、迷子札などの導入が挙げられます。
迷子札は、飼い主の連絡先を記載したキーホルダーで犬の首輪に装着します。値段は1,000~5,000円程度で、素材やデザインによって異なります。
そのほか、家からの飛び出しを防ぐために玄関にゲートを設置するといった対策をとるのもおすすめです。
プラシュスキー・クリサジークのしつけと社会化トレーニングのポイント
プラシュスキー・クリサジークは、好奇心旺盛でトレーニングも楽しんで行うタイプです。
子犬の頃からたくさんの人に会わせ、多くの経験をさせることで、見知らぬことに対して過剰な警戒心を持たないよう社会性を育てていきましょう。
また本来は他の犬にも小さな子どもとも仲良くできるおおらかな性格ですが、敵と見なしたものには自分の体よりずっと大きな相手に対しても勇敢に立ち向かっていくような一面があります。家庭に小さな子どもがいる場合は、一緒にトレーニングをしながら、犬の特性などを理解して接し方を学ばせると良いでしょう。
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プラシュスキー・クリサジークに必要な運動量や散歩の目安、おすすめの遊びは?
✓散歩:1日20分程度
✓運動量:多くない
✓おすすめの遊び:おもちゃ遊び
必要な運動量はさほど多くありませんが、運動不足だと吠えやすくなったり、ストレスから問題行動を引き起こしたりすることがあるため、十分に運動をさせるようにしましょう。
散歩の他に、家の中でもおもちゃ遊びなどを取り入れると良いでしょう。
プラシュスキー・クリサジークを飼うのに向いている人は?
✓自宅で過ごす時間が長い人
プランシュスキー・クリサジークは、誰かの膝に乗っているのが大好きな犬種で、ひとりでいることが苦手です。留守が多い人よりは、自宅で過ごす時間が比較的長い人に向いているといえるでしょう。
✓犬を初めて飼育する人
穏やかで愛情豊かな性質なので、犬を初めて飼育する人でも飼いやすい犬種です。
✓アパートやマンションなどの集合住宅に住んでいる人
犬の足音や犬の吠え声が気になる集合住宅でも飼育しやすい犬種です。
プラシュスキー・クリサジークがかかりやすい病気と予防法は?
プラシュスキー・クリサジークがかかりやすい代表的な病気と対策方法を知っておきましょう。
✓関節疾患
関節に過剰な負荷がかかるとトラブルを起こします。居室の床材を滑りにくいものにし、ソファやベッドへの上がり降りをさせないようにするなどの対策が有効です。また肥満も関節に負荷をかける要因となるので、体重管理に気を付けましょう。
プラシュスキー・クリサジークの日常のお手入れ
✓ブラッシング:2~3日に1回程度
✓シャンプー:1カ月に1回程度
✓トリミング:不要
プラシュスキー・クリサジークはシングルコートのため、2~3日に1回程度ラバーブラシなどで被毛を磨くようにブラッシングします。固く絞ったタオルで週に1度拭いてあげるのもよいでしょう。
ブラッシング以外にもスキンシップの時間も兼ねて、表面からは分かりづらい皮膚の状態をチェックしたり、日々触れ合う時間を作ったりすることで、愛犬との信頼関係も高まります。
歯みがきは毎日~2日に1回、耳掃除や肛門腺絞り、爪切りは2週~1カ月に1回の頻度で行います。
また足裏の肉球間の毛が伸びると、フローリング床などで滑りやすくなるためカットしてください。
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プラシュスキー・クリサジークとの生活で注意すべきことは?
✓関節に負担の少ない床材を選ぼう!
脚の骨が細いため、滑りやすい床材だと足首や膝などの関節に負担がかかります。普段過ごす部屋の床は滑りにくい素材を選ぶか、マットなどを敷くとよいでしょう。
✓寒さに気を付けて!
プラシュスキー・クリサジークは体が小さくシングルコートで寒さに弱いため、エアコンなどで温度調整できる室内で飼い、洋服を着せるなどして暖かくしましょう。