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2019年に岡山で結婚し、2021年に淡路島に移住。購入した古民家を夫婦でセルフリノベーション中。その様子をYouTubeやInstagramで発信している。
淡路島に移住し、築55年を超える古民家をDIYで大改造したかみおか夫婦。愛犬のむく君と愛猫のひのきちゃんを同時期に迎え、多頭飼いするかみおか夫婦の暮らしとは?
目次
- 築55年超えの古民家をDIYして愛犬・愛猫と暮らす、かみおか夫婦
- 「庭をドッグランに」犬を迎えることを視野に入れた物件選び
- 自宅DIYでパテラ(膝蓋骨脱臼)を患う愛犬の負担軽減を徹底
- きっかけは一匹の野良猫。突然始まった犬猫の多頭飼い暮らし
- 吠え癖の悩み…向き合うべきはSNSではなく、目の前の愛犬
- 犬猫の快適な共同生活の秘訣は、パーソナルエリアを作ること
- 2匹はかけがえのない家族。愛犬は我が子、愛猫は恋人?
- 愛犬・愛猫のためにも、まずは飼い主の心のケアを
築55年超えの古民家をDIYして愛犬・愛猫と暮らす、かみおか夫婦
「いつか、庭のある大きな家でワンちゃんと一緒に暮らしたい」
犬好きの人であれば一度は憧れる夢なのではないでしょうか。
そんな理想の暮らしを自らの手で叶えた夫婦がいます。かみおか夫婦の、萌楓(もか)さんと武蔵(たけし)さんです。
かみおか夫婦は勤めていた仕事を辞めて、2021年に淡路島に移住。以来、築55年を超える古民家をDIYで大改造し、その様子を『かみおか夫婦』としてYouTubeで発信してきました。今まで作ったものは、棚や机といったインテリアから、床や天井、壁といった大規模なものまで。
「将来迎えるワンちゃんが思いっきり走り回れるように」と庭まで自分たちの手で作りました。
2023年9月、かみおか夫婦はトイプードルのむく君と野良猫のひのきちゃんを同時にお迎えしました。DIYで理想の家を叶えてきたふたりは、愛犬、愛猫との暮らしをどのように築いていったのでしょうか。犬猫の快適な共同生活のための工夫や、家族が増えた後の変化について話を伺いました。
「庭をドッグランに」犬を迎えることを視野に入れた物件選び
かみおか夫婦が淡路島に移住したのは2021年2月のこと。物件探しのために、当時住んでいた岡山県から何度も島に足を運び、当時築55年の古民家に住むことを決めました。
萌楓さん「この家に決めた理由の一つは、広い庭があったことです。ゆくゆくはワンちゃんを迎えたいと話していたので、庭をドッグランにして、思いっきり走らせてあげたいなと思って。DIYは初心者でしたが、家も庭も自分たちでリノベーションをしていこうと思っていました」
しかし、移住当時の家の庭は荒れ果てた状態でした。木や雑草が生い茂り、池の跡や大きな岩も残っていたため地面もガタガタ。とてもワンちゃんが走り回れる状態ではありませんでした。
そこで、かみおか夫婦がまず取りかかったのは、土地を平らにならす「整地」です。木の伐採、雑草やゴミの撤去、伐根、池の解体、土をふるって小石を取り除く作業など、すべて人力で行ったといいます。その後、人工芝を敷いて、今のお庭が完成しました。
萌楓さん「人工芝を選んだのは、ワンちゃんの走りやすさと、管理のしやすさを重視したからです。自由にワンちゃんを放せるように、フェンスも作りました。骨の折れる作業でしたが、おかげでむくは庭で走るのが好きな子になったので、作った甲斐があったなと思います」
自宅DIYでパテラ(膝蓋骨脱臼)を患う愛犬の負担軽減を徹底
また、かみおか夫婦の自宅は「ワンちゃんに優しい床」を敷いています。
萌楓さん「普通のフローリングだと滑りやすくて、足腰に負担がかかってしまいますし、事故も起きかねません。そういう不安要素は、自分たちの手でなるべく取り除いておきたかったんです」
かみおか夫婦がテーマとしたのは、“滑らない”床。何種類もの床材を比較した上で、防滑性ビニル床シート(※)という滑りにくい床材を見つけ出し、DIYで床施工をしていきました。
(※)防滑性ビニル床シート...マンションの廊下やベランダなど、おもに屋外で使用される床材
“滑らない”床が完成し、いよいよむく君との生活がスタート!……と思いきや、しばらくして、むく君はパテラという膝蓋骨が正常な位置から外れてしまう疾患を抱えていることがわかりました。
萌楓さん「むくはすでに足腰が弱いので、地面が踏ん張りやすい状態じゃないと危険なんです。そんなむくでも、私たちが作った床なら滑ることなく遊べているので、なおさら作ってよかったなと思います」
それ以来、かみおか夫婦はワンちゃんのためのDIYをするときは「むく君の足腰への負担を減らすこと」を意識するようになりました。ベッドの階段にも、さまざまな工夫が施されています。
萌楓さん「むくは私たちと同じベッドで寝ているんですが、むくが昇り降りするには少し高くて。これは足腰に負担がかかってしまうと思って、ベッドの左右に階段を作ったんです。落下防止のために一段の幅を広くしたり、滑り止めとしてタイルカーペットを貼ったり、工夫しています。夫が1日で作ってくれたのですが、怪我防止のために何度も触って確認しながら、木のささくれを削ってくれました」
かみおか夫婦のように本格的に作らなくても、愛犬のための簡単なDIYはたくさんあるといいます。
たとえば、キッチン侵入防止柵は、ホームセンターで適当なサイズに板を切ってもらい、壁に固定するだけで完成します。また、前述の“滑らない”床に使われた床シートは重みがありズレにくいため、床の形に切って敷くだけでも十分な効果が得られるそうです。
武蔵さん「ワンちゃんと暮らしているといろんな心配事が出てきますが、それを解決するためにすべて既製品で揃えるとけっこうな出費になってしまいますよね。でもDIYをすれば、出費も抑えられますし、少しの道具で簡単に作れるものも多いです。そこまで難しいものと捉えずに、できる範囲で愛犬のためになるものを作ってみてほしいです。僕たち以外にも、いろんな人がSNSで作り方を紹介しているので、ぜひ参考にしてもらえたら」