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獣医師資格取得後、小動物臨床経験6年。主に犬猫の臨床に携わる。現在は子育てをしながら、愛猫と暮らしている。
愛犬には、いつまでも健康で長生きしてもらいたいもの。そのためには、適度な運動と刺激が必要です。散歩中や自宅でできる以下の習慣を取り入れて、ケガや病気をしにくい体を手に入れましょう。
目次
- 【1】病気を予防する、筋力を強化する習慣
- 【2】認知症を予防する、脳や嗅覚を活性化する習慣
- 【3】不要なケガを予防する習慣
【1】病気を予防する、筋力を強化する習慣
坂道を散歩する
坂道の上り下りは、体幹を支える腹筋や後ろ足に適度な負荷がかかるので、筋力をアップする効果があります。平坦な道ばかりではなく、坂道も散歩コースに取り入れて、足腰の病気を予防しましょう。
ただし老犬は、足腰の負担になることもあるので、勾配のゆるい坂道を選びましょう。
信号待ちはオスワリのポーズでとまる
犬も、立った状態からオスワリの姿勢にかえると、スクワットのような筋力トレーニングの効果があります。信号待ちなどのちょっとした時間にオスワリさせる習慣を取り入れて、後ろ足の筋力強化を図りましょう。
【2】認知症を予防する、脳や嗅覚を活性化する習慣
たまに違うコースを散歩する
散歩は運動機能を高めるだけでなく、新しい刺激に出合える貴重な時間。日差しや風を浴び、飼い主さん以外の人やほかの犬に会うことで、脳が活性化されます。たまには違うコースを歩き、新たな刺激を取り込んで老化を予防しましょう。
散歩中に匂いを嗅がせる
匂いを嗅ぐことは、犬にとって散歩の醍醐味。人にとって景色を眺めるのと同じくらい楽しいことなのです。特に老犬は、匂いを嗅ぐことで嗅覚と脳が刺激されて認知症予防の効果が期待できます。
マーキングや拾い食いに注意して、必要な場合は通りすぎることも必要ですが、散歩中は思う存分匂いを嗅がせてあげましょう。
【3】不要なケガを予防する習慣
冬の散歩前にはウォームアップも!
暖かい部屋から寒い外に急に出ると、心臓に負担をかけたり、体がこわばって関節を痛めたり転んだりしてしまいがち。寒さに慣らしながら最初はゆっくり散歩しましょう。老犬などは温タオルで手足の関節や腰を温めると、筋肉がほぐれて動きやすくなります。
散歩中は飼い主さんについて歩かせる
引っ張りグセがあると、いつも首輪に力がかかるので、首や気管を痛めることに。散歩中は、愛犬が飼い主さんについて歩くよう習慣をつけ、不要なケガを予防しましょう。
散歩中に犬が前へ行ってしまう場合は、名前を呼ぶかおやつで誘導して、飼い主さんに注目させることを試みましょう。
障害物をまたがせる運動を取り入れる
老犬になると筋力が衰えて、だんだんと足が上がらなくなりがち。これを予防するためには、散歩に行かない時間も室内で、バスタオルなどを丸めたポールをまたぐ運動をさせるといいでしょう。フードやトイレに行く手前に設置してみたり、リビングなどの部屋に入る前に設置しておいたりすると、自然にまたぐ運動ができます。
高さは犬のひざより下がベスト。愛犬に無理のない範囲で、室内でもちょっとした運動ができるように工夫してみましょう。
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