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日本興業銀行入社後、MBA留学を経て1997年に起業。2009年愛犬との生活を機に、動物殺処分の問題を知り、社会貢献活動『DOG saves DOG』を開始。
犬が犬の命を救う仕組み『Dog Saves Dog』とは?
目次
- 犬が犬の命を救う仕組み『Dog Saves Dog』を考えた近藤正純ロバートさん
- アナウンサー島田彩夏さんの愛犬と暮らし始めて知った、恵まれない犬たちの存在
- 楽しみながら継続できる、新たな動物保護支援を模索
- 愛犬のオリジナルアイテムを買うと、恵まれない犬への寄付に繋がる『Dog Saves Dog』
- 大切な愛犬だからこそ、妥協しない。継続的な寄付を募るためのこだわり
- 社会の役立つ取り組み『Dog Saves Dog』で世界を見据える
- いつまでも、愛犬が仲間を救うヒーローであり続ける
犬が犬の命を救う仕組み『Dog Saves Dog』を考えた近藤正純ロバートさん
政府の統計によると、2021年度に全国の保健所などに持ち込まれた犬と猫は計5万8,907頭に上りました。
このうち殺処分されたのは計1万4,457頭(環境省 統計資料 「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況」)。
年々少なくなっているとはいえ、いまだにこんなに多くの犬や猫が殺処分されていることに驚いた方も多いのではないでしょうか。
実業家の近藤正純ロバートさんも、その一人。
2009年、結婚を機に初めて犬と暮らすようになった近藤さんは、飼い主と一緒に幸せに暮らす犬がいる一方で、保健所に収容されたり殺処分されてしまう犬もたくさんいることを知りました。
「なんとかして恵まれない犬たちを、継続的に救う方法はないだろうか」と考えた近藤さん。
そして考え出したのが、『Dog Saves Dog』、文字通り「犬が、犬を救う」という、これまでにないコンセプトの寄付の仕組みです。いったい、どんな仕組みなのでしょうか。近藤さんにお話を伺いました。
アナウンサー島田彩夏さんの愛犬と暮らし始めて知った、恵まれない犬たちの存在
アメリカで生まれ、幼少期は日本と海外を行き来する暮らしをしていたこともあり、2009年に結婚するまで犬と暮らしたことがなかったという近藤さん。
奥様でフジテレビのアナウンサー島田彩夏さんが独身時代から飼っていたフレンチブルドッグのウリ坊くんが、近藤さんにとって初めての愛犬でした。
はじめの近藤さんとウリ坊くんの相性はあまり良くなかったといいます。
「最初は警戒されていて、噛まれたり、彼女との間に割り込んできたりしてきました。ウリ坊にしてみれば、僕は家に突然現れたよくわからない“部外者”だったのでしょう(笑)」
やがて島田彩夏さんと一緒に暮らすようになり、ウリ坊くんともお互いの仲を深めていった近藤さん。
「心を通わせてくれるウリ坊を見て、僕もウリ坊が大好きになりました。そのとき生まれて初めて、犬と一緒の暮らしの楽しさ・素晴らしさを知ったんですよね」
そしてウリ坊との暮らしをもっと楽しもうと、近藤さんが犬に関する情報を集めているとき、恵まれない犬たちの存在を知ったのです。
今でこそ、犬の殺処分数はかなり減っていますが、2009年当時は年に6万頭以上の犬が殺処分されていました。
近藤さんはあまりの数の多さに驚き、さらに調べてみると、保健所には殺処分される犬の数を大きく上回る数の犬が持ち込まれていること、そしてその犬たちが殺処分されないように保健所から引き取る活動をしている保護団体の方々がいることを知りました。
「うちのウリ坊のように大切に飼われている犬がいる一方で、恵まれない境遇での暮らしをしている犬がたくさんいる……。当時は、単純にかわいそうだと思いましたし、殺処分から免れて団体に保護された犬たちのためにも何かをしたいと思いました」