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文化服装学院卒業後、スタイリストを経て、ドッグウェア、アパレル小物のデザイン及び製作を行っている。愛犬の為に服を作ったのがきっかけで現在に至る。
専門店や通販サイトでは、バラエティー豊かな犬の服が販売されています。「おしゃれな服を着せてあげたい!」と思うオーナーさんは多いと思います。しかし、犬の服選びでは、事前に把握していなければならないこともあります。それは、サイズです。人間でも服を買う前に必ず自分にあったサイズを確認しますよね。犬の服でもそれは同じ。ここではサイズの測り方など、犬の服選びで重要なポイントについて紹介します。
目次
- 犬に服を着せるメリットはあるの?
- 犬の服のサイズはメーカーや犬種により違う
- 犬の服のサイズの正しい測り方
- 犬に服を着せる際の注意点
犬に服を着せるメリットはあるの?
犬に服を着せる理由は、おしゃれをさせることだけではありません。服を着せることによって、犬自身の体を守るさまざまなメリットもあるのです。
暑さ・寒さの調整のため
犬は汗腺が人より少なく、体温調整が苦手なため、体温調整に気を使ってあげることが大切です。犬種にもよりますが、犬は毛で覆われている分、人より寒さに強い反面、暑さに弱い傾向にあり、夏など暑い時期には熱中症になる危険性があります。
ペットショップなどでクールウェアが市販されているので、冷房など他の暑さ対策をしっかりと行い、その補助としてクールウェアも着させてあげるのがいいでしょう。反対に、寒さに弱い犬種などは、服を着せることで防寒対策ができます。
最近では、犬を室内で飼うことも少なくないと思いますが、人と同じ部屋に一緒にいる時は、意図せず犬に負担をかけてしまうこともあります。夏や冬にエアコンを付けている場合、特に注意し室温の調整や、服などを着せて体温の調整をしてあげましょう。
汚れや雨から体を守るため
服を着せることには、犬を汚れから守る役割もあります。雨や雪の日のお散歩では、家に帰って来た頃には犬はびしょ濡れ状態になりますが、レインコートを着せることで、汚れや雨・雪の侵入を防ぐことができます。
また、汚れて帰ってきた場合は、帰宅時にお手入れが必要になり、余計な手間がかかりますが、レインコートなどの服を着せることで、お散歩から帰った後のお手入れを、大きく軽減できるというメリットもあります。
抜け毛が飛ぶのを防止するため
人間同様、犬にも抜け毛があります。気が付かないうちに抜けてしまうので、オーナーさんにとって、犬の抜け毛問題は悩みの種といえるでしょう。特に自宅以外の屋内空間に連れていく場合は、気を使わなくてはなりません。
また犬には、換毛期(かんもうき:毛の生え変わる時期)があります。春と秋ごろに、まとまった量の毛が抜けるので、いつも以上に抜け毛に気を配る必要があります。犬に服を着せることは、このような抜け毛を周囲に散らさないようにするためでもあるのです。
犬の服のサイズはメーカーや犬種により違う
犬の服を購入する際には、いくつかのポイントに注意しなければなりません。デザイン性や見た目で購入すると、「全然サイズが合わなかった」ということにもなりかねません。ではどのような点に気をつければいいのでしょうか。
サイズはメーカーによって異なる
犬の服はたくさんのメーカーが取り扱っています。たとえ同じサイズでも、メーカーによって定める基準が異なる場合があります。同じサイズでも、幅を持たせて設定している場合とそうでない場合があるので、必ずサイズを確認しましょう。またサイズ表記もメーカーにより異なります。S・M・Lといったアルファベット表記と、2号・3号といった号数表記にしているところがあるので注意が必要です。
メーカーではヌード寸法(犬の実寸のサイズ)ではなく、製品の仕上がりサイズで表記をしている場合がほとんどです。購入する場合は、どのような基準でサイズ設定をしているのか事前にメーカーやお店に確認しましょう。
ダックスサイズにご注意を!
犬は犬種によって、当然体つきが異なり、特に胴長のミニチュア・ダックスフンドの場合は、服のサイズが他の小型犬とは異なります。ダックスサイズの服は、袖丈は短く、着丈は胴に合わせて長めに作られています。そのためダックスの服は、SD、MD、などというように、D(ダックス)をつけたサイズが表記されています。
サイズの大まかな基準を把握する
実際に犬の服のサイズを確認してみましょう。まずは、自分の犬がどのサイズに当てはまるのか、事前に大まかに把握しておくといいでしょう。また、服を購入する際は、試着して選ぶことがおすすめです。試着できるかは店により異なるので、できるかどうか確認してみましょう。
犬の服のサイズの正しい測り方
犬の服のサイズを測るポイントは、首周り・胸囲(胴周り)・着丈(背丈)です。採寸の際にはどのような点に注意すればいいのでしょうか。
測り方は小型犬でも、ダックスでも同じです。まずは巻尺を準備しましょう。そして犬が四つん這いになった状態で、サイズを確認していきます。
首周りの測り方
首周りは首の根元の太い部分を測ります。首輪をしている位置を測るといいでしょう。犬が動き回る場合は、首輪を使って測ることも可能です。首輪の位置が首の付け根になるよう調節します。その後に首輪をはずし、長さを測ると首周りの長さとなります。また、首輪をしていない犬は、首輪をつけることをシュミレーションしながら測定してみて下さい。
胸囲の測り方
胸囲は前足の付け根と、後ろの胴を一周した寸法になります。後ろの胴は、一番太いところを目安に測りましょう。胴周りの長さは、服選びにおいて重要なサイズです。正確に測定するよう心がけましょう。
着丈の測り方
着丈は首輪をしている位置から尻尾の付け根までの長さです。小型犬よりも胴が長いダックスは、当然着丈が大きくなります。またダックスフンドだけではなく、トイプードルなども着丈が長い犬種です。ダックス以外の犬種でも、ダックスサイズの服を選ぶ方がピッタリの場合があります。
サイズを測る際、犬の姿勢などで誤差が出ることがあります。そのため採寸は3回ほど行って平均値をとると、より正確なサイズが把握できます。また、毛量が多い犬に大きめのサイズの服を着せると、脱げる可能性があります。そのため、ピッタリサイズを選ぶようにしてあげましょう。
どんなサイズが愛犬に合うの?
前述したとおり、サイズの違いはメーカーやお店、また犬の個体差により違うので一概には言えません。では、様々な種類のペットウェアを販売している「カインズ」の通販サイトを参考にサイズの違いを説明します。ぜひ参考にしてみてください。
カインズでは、体重2.8kg、着丈27cm、胸囲32cm、首周り20cmの犬の場合、着丈27cm、胸囲40cm、首周り26cmのMサイズのウェアをお勧めしています。また体重2.8kg、着丈35cm、胸囲33cm、首周り25cmの胴長の犬の場合、着丈33cm、胸囲42cm、首周り27cmのMDサイズをお勧めしています。各々サイズの違いは、以下です。愛犬にあったサイズを探してみてください。
<サイズ一覧>
・SDサイズ 着丈29cm 胸囲36cm 首周り23cm
・MDサイズ 着丈33cm 胸囲42cm 首周り27cm
・SSサイズ 着丈18cm 胸囲33cm 首周り20cm
・Sサイズ 着丈24cm 胸囲35cm 首周り22cm
・Mサイズ 着丈27cm 胸囲40cm 首周り26cm
・Lサイズ 着丈31cm 胸囲46cm 首周り30cm
・2Lサイズ 着丈36cm 胸囲54cm 首周り34cm
・3Lサイズ 着丈41cm 胸囲60cm 首周り40cm
・4Lサイズ 着丈46cm 胸囲66cm 首周り43cm
・5Lサイズ 着丈51cm 胸囲72cm 首周り47cm
・6Lサイズ 着丈56cm 胸囲79cm 首周り51cm
・7Lサイズ 着丈61cm 胸囲86cm 首周り55cm
参照元: https://www.cainz.com/shop/pages/dog_size.aspx
犬に服を着せる際の注意点
犬に服を着せる時は、安全と快適さを意識することが大切です。注意すべき点を紹介していきますね。
ストレスを誘発させない
服を着せるには、犬自身の慣れが必要です。無理矢理犬に服を着せることは、ストレスで他のトラブルを誘発させます。服を着たらおやつをあげる、散歩に連れて行くなど、服を着させるためのポジティブな条件を与えながら徐々に慣れてもらいましょう。
デザイン性の高い服は誤飲に注意
デザイン性を重視した服は、犬が安全に着用できるか確認しましょう。装飾品が口に近い部分にあると、誤飲を招く危険があります。毎日着る服の場合は、シンプルなデザインのものを選ぶ方がいいでしょう。記念写真の撮影などで、どうしても着る必要がある場面では、目を離さず、終わったらすぐに脱がせるようにしましょう。
体温調整を心がける
犬は自分自身で服を脱ぐことはできません。服を着せるときは、犬の体温や家の室温、散歩に行くときの外気温などに注意することが大切です。環境に応じて、服装の調整をしましょう。
※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません