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博士(獣医学)。専門は獣医動物行動学。evergreen pet clinic ebisu行動診療科担当。日本獣医行動研究会研修医。藤田医科大学客員講師。

暖かくなり、害虫が気になる時期になりました。散歩に行っても「刺されてかゆがっていないかな?」「知らないうちにダニがくっついていないかな?」と、心配になりますよね。
今回は、そんな虫との付き合い方や、これからの季節にできる工夫について、獣医師の茂木先生の解説を交えながらご紹介します。
さらに、害虫を寄せつけにくい特殊加工素材「SCORONⓇ」を使用した、カインズの『不快害虫から愛犬を守るペットスーツ』を実際に使ってみた様子もレポートします!(PR)
目次
- 命に関わる危険性も……油断しないで! 害虫の健康リスク
- どのタイプが愛犬に合う? ノミ・マダニ駆除薬の選び方
- 予防薬や駆除薬だけじゃ不十分? 愛犬が刺されない工夫も忘れずに
- 「愛犬を害虫から守る!」飼い主ができる、5つの虫よけ対策
- 着る虫よけ対策! カインズ『不快害虫から愛犬を守るペットスーツ』を試してみた
- 実際に『不快害虫から愛犬を守るペットスーツ』を着用して愛犬とお散歩
- 3つの害虫対策で愛犬を守ろう
命に関わる危険性も……油断しないで! 害虫の健康リスク

春から夏にかけては、害虫によるさまざまなリスクが増える季節です。「虫に注意」とはよく聞くけれど、具体的に何がどのようにして危険なのでしょう?
茂木先生に聞いてみました!


実は、犬が虫に刺されることで、命にかかわるような病気になってしまうこともあります。
たとえば、また、マダニがうつす「バベシア症」や「SFTS」も、急にぐったりして命の危険が出ることがあるので注意が必要です。蚊に刺されてかかる「フィラリア症」は、心臓に虫が住みついてしまい、咳が出たり、元気がなくなって、ひどいと突然死してしまうこともあります。
こうしたマダニや蚊による病気は、人にも感染するものがあるため、犬だけでなく、飼い主にも関わるリスクとしても十分な注意が必要です。
ハエの幼虫が皮膚の傷に入ってしまった「ハエウジ症」や、ハチや毛虫に刺されて起きる「アナフィラキシー」でも、すぐに対処しないと命を落とすことがあります
「ちょっと刺されただけ」と思っていたら、実は命に関わる病気につながることもあるのが、害虫の怖いところですね。
愛犬の健康を守るために、身近にいる害虫に刺されないよう予防しましょう!
どのタイプが愛犬に合う? ノミ・マダニ駆除薬の選び方

命に関わる病気につながることもある虫刺され。大切な愛犬を守るためには、日頃からの予防対策が欠かせません。
なかでも効果的なのが、ノミやマダニを寄せつけない「駆除薬」の活用です。
駆除薬は種類によって効果や使いやすさが異なり、それぞれにメリット・デメリットがあります。重要なのは、愛犬の体質や暮らし方に合ったタイプを選び、無理なく続けることです。
一度駆除しても草むらを歩いただけで再びついてしまうことがあるため、定期的な予防が欠かせません。ここでは、代表的な駆除薬の3タイプをご紹介します。


食べるタイプの駆除薬は、毎月同日、スマホリマインダーなどを使って投与忘れゼロを目指しましょう。
首輪タイプは、誤食や引っかかりのリスクを避けるため、正しい装着と定期的な確認をするようにしてください。
駆除薬を使っていても、散歩コースは草むらや茂みなどダニが潜んでいそうな場所は避けた方が安心です。
帰宅後は、服を着せている場合はすぐに脱がせて洗濯をしましょう。内股や耳まわりなど、ダニがつきやすい部分を中心にブラッシングしながら、愛犬の体をチェックしてあげてくださいね
予防薬や駆除薬だけじゃ不十分? 愛犬が刺されない工夫も忘れずに

ノミ・マダニ対策と同じく、蚊などの害虫への備えも大切ですが、駆除薬や予防薬だけでは“虫に刺されること自体”を完全には防げません。
ノミ・ダニ用の駆除薬も、製品によっては「虫がつくのを防ぐ」のではなく、ついた後に駆除するタイプが多く見られます。
そこで大切になるのが、「刺されないための工夫」。
たとえばフィラリア予防薬も、「蚊に刺されないようにする薬」ではなく、体内に入った幼虫を後から駆除するもの。 つまり、こうした薬では蚊に刺されること自体は防げないのです。
以前、愛犬が蚊に刺されたとき、かゆみから掻きむしって傷になってしまったことがありました。見ていて、本当にかわいそうでした。
こうした傷がきっかけで、皮膚炎に発展する可能性もあるため、注意が必要です。だからこそ、予防薬や駆除薬だけに頼るのではなく、「刺されないようにする工夫」をあわせて行うことが重要といえるでしょう。

蚊やノミ・マダニの他にも、ハチによるアナフィラキシーや毛虫の毒毛による炎症、ハエによるハエウジ症なども、重篤化する危険があるため注意が必要です。
万が一、刺されたり噛まれたりした場合は、すぐに患部を洗い流し、異常があれば速やかに動物病院を受診してください。
「愛犬を害虫に近づけさせない」ことも、虫対策において重要なポイントです
「愛犬を害虫から守る!」飼い主ができる、5つの虫よけ対策

愛犬を害虫から守るには、薬だけでなく日常的な防虫グッズの活用も大切です。 ここでは、主な対策アイテムを紹介します。

・設置型
屋内やベランダでは、置くだけで空間を虫から守れるアイテムが活躍します。人間用の虫よけには、犬にとって有害な成分が含まれていることがあるため、必ずペット専用の製品を選びましょう。
・スプレータイプ
外出前にひと吹きするだけで虫よけができる手軽さが魅力です。 必ず「ペット使用可」と記載された製品を選び、顔や粘膜には吹きかけないようにしましょう。
・精油・アロマ
精油やアロマなど、香りによる虫よけ方法もあります。天然由来の成分で安心感がある反面、舐めてしまったときに犬にとっては肝臓や神経に負担をかける成分が含まれていることも。補助的な対策として、獣医師の指示のもとで使うのが安心です。
・アクセサリータイプ
首輪やハーネス、リードに取りつけて使える防虫アクセサリーも便利なアイテム。ただし、超音波式や磁気式のものは、効果を裏付ける臨床データが不足しており主な対策としては不向きです。使用成分をよく見て使用しましょう。また、他の対策とあわせて使うと、より安心です。
・ウェアタイプ
虫よけ効果のある加工が施されたウェアは、防虫効果に加えて、皮膚の露出を減らすことで物理的にも害虫に刺されにくくなります。特に、耳やお腹など害虫がつきやすい部位をカバーできるのがポイントです。

室内では湿度55%以下をキープすることで、ダニの繁殖を抑えられます。寝具やラグなどは、60℃以上での洗濯や乾燥機の使用が効果的です。
アウトドアやキャンプでは、防虫加工のある服を着せたり、地面から離れたベッドを使用することで、害虫の接触リスクを減らせます
着る虫よけ対策! カインズ『不快害虫から愛犬を守るペットスーツ』を試してみた

先ほどご紹介したように、虫よけ対策の“最後のひと押し”として頼れるのが、着るタイプの虫よけアイテム。
カインズの『不快害虫から愛犬を守るペットスーツ』は、帝人フロンティア株式会社とアース製薬株式会社が共同開発した特殊加工素材「SCORONⓇ」を使用したペットウェアです。
虫が寄りつきにくいよう、特殊素材の繊維「SCORON®(スコーロン)」を使っています。皮膚の露出部分が少ないオールインタイプで、ストレッチ性にも優れているため、アクティブな犬もストレスを感じにくく着用できます。
ノミ・マダニのつきやすい耳まわりも、調整機能付きのフードでしっかりガード。
さらに、紫外線に配慮したUVカット機能や、夜のお散歩でも安心の反射材加工など、あるとうれしい機能がそろった一着です。
獣医師の茂木先生目線での、使い方のポイントや上手な活用方法などを教えてもらいました!

この商品は、愛犬に虫が接触しないための役割を果たしてくれます。
使用されている有効成分は繊維内部に固定されており、経皮吸収のリスクは極めて低いとされています。人用の長期着用衣類と同等の安全性試験(皮膚刺激性・経口毒性・変異原性など)をクリアしており、皮膚が敏感な犬や妊娠中・幼齢期の犬でも安心して使用できる設計です。
ただし、本製品には害虫が嫌がる有効成分が繊維に含まれており、「完全に薬剤フリー」ではありません。化学物質に不安のある方は、使用をよくご検討のうえ、ご自身で判断されることをおすすめします。
生地の破れやほつれがあると、そこから害虫が入り込む可能性もあるため、状態をこまめにチェックしましょう。
駆虫薬や帰宅後のチェックと組み合わせることで、総合的な虫対策ができ、愛犬とのアウトドアもより安心して楽しめますよ。
実際に『不快害虫から愛犬を守るペットスーツ』を着用して愛犬とお散歩

愛犬に『不快害虫から愛犬を守るペットスーツ』を着せて、お散歩してみました。
実は以前、後ろ足まで覆うタイプの服を着せたときに、嫌がってその場で固まったことがあり、今回も歩かなくなってしまうのではないかと心配していました。
ですが、『不快害虫から愛犬を守るペットスーツ』はストレッチ性が高く、動きにくさや違和感はなかったようです。いつも通り歩き、散歩中に走ったりボール遊びをしたり、快適に過ごしてくれました!

わが家の散歩コースは緑が多く、愛犬はよく草むらに入りたがります。害虫が気になる場所もありますし、雨上がりは地面がぬかるんで体が汚れてしまうこともあります。
そんなときでも『不快害虫から愛犬を守るペットスーツ』を着ていれば、汚れてもそのまま洗濯すればOK。シャンプーが苦手な愛犬にとっても、うれしいポイントでした。
実際に洗濯してみると、さらっとした生地で汚れが落ちやすく、天気の良い日であれば半日ほどで乾きました。朝の散歩で汚れても、洗えば夕方にはまたきれいな状態で着せてあげられそうです。

フードには調整用の紐がついているので、頭にフィットして動いても脱げません。草丈のある場所など、耳まわりをカバーしたい時に活躍しそうですね。
伸縮性があるおかげで、着脱もスムーズ。毎日の散歩で使うものだからこそ、犬にも飼い主にもストレスがないのは大きなメリットです。
わが家は、山や湖などのアウトドアに出かける機会も多いため、『不快害虫から愛犬を守るペットスーツ』は、自然の中で遊ぶときにも心強い味方になってくれそうだと感じました!

『不快害虫から愛犬を守るペットスーツ』着用時の注意点は下記の通りです。
- 泥や皮脂などの汚れは虫を引き寄せる原因となるため、洗濯して清潔に着用しましょう。
- 肌に密着しすぎないゆったりとしたサイズを選び、通気性を確保してください。
- 幼齢犬が衣服をかじる場合は、着用中は目を離さないように。
- 高密度ポリエステル生地は、日差しの下で熱を蓄積しやすい性質を持ちます。真夏の気温の高い日は、軽量な冷感インナーとの組み合わせを推奨します。
- はじめて着用する際は、肌に合うか様子を見ながら短時間からはじめると安心です。
3つの害虫対策で愛犬を守ろう
害虫が気になる季節は、 定期的な予防・駆除薬の服用に加えて、虫よけアイテムの活用、帰宅後の体表チェックをセットで行うことで、蚊やノミ・マダニなどの害虫リスクをぐっと減らすことができます。
しっかり対策して、安心して春夏の散歩やお出かけを楽しみましょう!
※防虫服はあくまで補助的な対策です。感染症の予防には駆虫薬の併用が大切です。
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