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獣医師資格取得後、小動物臨床経験6年。主に犬猫の臨床に携わる。現在は子育てをしながら、愛猫と暮らしている。
ノミやダニなどの「寄生虫対策」は、犬を飼育するうえで必須。刺されると吸血による皮膚炎や貧血などの症状のほかに、深刻な疾患を引き起こすおそれもあります。夏に発生するイメージが強いですが、室内が暖かければ冬に繁殖することも!? 今回は、室内で寄生虫を繁殖させないコツをご紹介します。
目次
- 刺されると危険!寄生虫がもたらす病気
- ノミやダニは、室内の「ココ」にいる!
- ノミ・ダニ撃退!掃除のコツ
刺されると危険!寄生虫がもたらす病気
ノミの吸血や寄生により罹患する代表的な病気が、「ノミアレルギー性皮膚炎」や「瓜実条虫症」です。「瓜実条虫症」は瓜実条虫という寄生虫が犬の小腸に寄生します。下痢や体重の減少といった症状があるため、放置したら大変。早期治療が必要です。
マダニが原因で起こる命にも関わる犬の病気は、「犬バベシア症」が有名です。この病気はダニが媒介する原虫が赤血球を破壊するため、重度の貧血などを引き起こします。
人にも感染するおそれのある病気も媒介することがあり、「ライム病」や「日本紅斑熱」、最近ニュースでも話題になっている「重症熱性血小板減少症(SFTS)」などがあります。
愛犬のためだけでなく、飼い主さんのためにもノミ・ダニ対策は必ず行いましょう。
ノミやダニは、室内の「ココ」にいる!
自然界でのノミやダニは、主に春~夏の暖かい季節に活動します。しかし、どの季節でも快適な温度が保たれている室内では、冬にノミやダニが発生することもあるのです。
ノミやダニは、暖かくてある程度湿気がある場所を好みます。
- 犬用のベッド
- カーペット
- 窓の結露
- 観葉植物の鉢や土
- ソファ
これらが、虫の温床になりやすい主な場所です。
ノミ・ダニ撃退!掃除のコツ
犬用ベッド
愛犬のためにも、犬用ベッドはいつも清潔にしておきたいですよね。家ダニは熱に弱いため、撃退にはアイロンが便利!掃除機や粘着テープであらかたゴミを除去したあとに、当て布をしてスチームアイロンをベッドに当てます。1カ所2~3秒を目安に、まんべんなくかけましょう。
アイロンが終わったら、スチームによる湿気を乾かすために天日干しすればバッチリです!
床・カーペット
床やカーペットには、やはり掃除機が有効です。やみくもに掃除機を滑らせるのではなく、床板の目に沿ってかけるといいでしょう。カーペットの場合は、毛が多く倒れている方向に向かって、まっすぐ掃除機をかけます。端まで行ったら、今かけた直線を戻るように掃除機を引きながらかけます。こうすることで、1回で取り切れなかったホコリやダニを、効率よく吸うことができますよ。
ソファ
ソファは一見きれいでも、食べかすや犬の抜け毛が隅にたまりがちです。掃除機を普通にかけるだけでなく、細口のノズルでクッションの間などを念入りに掃除しましょう。滑り止め付きの軍手でソファをなでると、犬の抜け毛がよく取れますよ。
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