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今日はペットの虫ケアのパイオニア的存在として知られるアース・ペット株式会社を直撃!同社研究開発部の安田良平さんに正しいケアとアイテム選びのポイントを教えていただきました。
早速、アース・ペット株式会社に到着。気になる商品がたくさん!
目次
- 犬のための蚊よけアイテムは家の内外で使い分けよう!
- 正しく対策できてる?ノミは愛犬の体に寄生して家の中に・・・
- 豆粒大まで血ぶくれする!マダニが犬についた時の対処法は?
- 虫ケア商品の犬の健康への影響は?人用を使ってもいい?
犬のための蚊よけアイテムは家の内外で使い分けよう!
犬の夕方の散歩時間に、蚊は活発になる!?
夏になると現れる、厄介な虫たち。愛犬も私たちも快適に過ごすために、今日はアース・ペット株式会社に正しい防虫方法を教えてもらいにやってきましたよ。それでは早速、お話を伺ってみましょう!
お話を伺ったのはこの方
アース・ペット株式会社 研究開発部 安田良平さん
―安田さん、今日は愛犬の虫ケアについていろいろと教えてください!よろしくお願いします。まずは、基本的なことなのですが、愛犬を刺すおそれがある虫には主にどんなものがいるのか、教えていただけますか?
安田良平さん(以下、安田):はい。主に、蚊・ノミ・マダニの3種類です。いずれも犬の血を吸って繁殖する虫で、どの虫も愛犬の行動するエリアに普通に生息しています。愛犬の虫ケアの基本はこういった虫を愛犬に寄せ付けない「虫よけ」が基本となります。
―かわいい愛犬が蚊に血を吸われてしまうのは、かわいそうですね。蚊・ノミ・マダニ、それぞれ、どんな場所で刺される可能性が高いのでしょうか?それぞれ、特徴を教えてください。
安田:わかりました。虫の種類別に刺されやすい場所や特徴を説明しますね。まずは、蚊についてですが、日本には100種類以上の蚊が生息しています。このうち、犬を刺す蚊の代表はイエカ類の「アカイエカ」とヤブカ類の「ヒトスジシマカ」です。アカイエカは夜行性で名前通り人家の周辺を好んで生息、活発に飛び回って動物を探し、吸血します。一方、ヒトスジシマカは昼行性で草むらや藪、森林など緑の多い場所を好み、動物が近くに来るのを待ち構えて襲ってきます。
―ということは、昼も夜も、家の中でも外でも蚊に刺されるおそれがあるということなんですね。
安田:そうです。特に愛犬の散歩タイムになっていることが多い朝と夕方は、蚊の吸血活動が活発になる時間帯なので、注意が必要です。家にいるときは、蚊取り線香やアースノーマット、蚊よけネットなどの設置型の虫よけ、外出時は愛犬の体に着けられる首輪タイプの虫ケアアイテム・・・といった具合にシーンに応じて使い分け、1日中、場所を問わず虫ケアをしてあげることをおすすめします。
アース・ペットの虫ケア商品(一例)
―なるほど。家の中で使うアイテムを簡単にご説明いただけますか。
安田:家の中で使うのにおすすめなのは、ペット用「アースノーマット」や「薬用蚊よけネット」、「ペット用アース渦巻」 などですね。
こちらはペット用の「アースノーマット」(動物用医薬部外品)です。1日12時間使用で、約60日間、効果が持続します。ボトルカバーは愛犬が噛んでも割れたり壊れたりしづらく丈夫な素材で作られていて、倒れにくい安定感のあるデザインを採用しているんですよ。リビングなど広い空間の使用に最適です。
こちらは「薬用蚊よけネット」(動物用医薬部外品)。ネットから放出される薬剤でペットを蚊から守る、吊り下げタイプの虫ケア商品です。火や電気が不要なので、ペットサークル内や犬小屋内でも手軽に利用できます。雨にぬれても効果が継続するので屋外でも使っていただけますよ。効果は70日間持続・130日間持続の2タイプがあります。
ペット用アース渦巻(動物用医薬部外品)は、ペットへの安全性が確認された蚊取り線香です。1巻で約13時間、効果が持続します。ペットに優しい香りで作られているだけでなく、持続時間も長いのが特長です。屋内はもちろん庭先やキャンプ場など屋外でも使えますので、これからの季節のレジャーにもおすすめです。
―ありがとうございます。では、「お散歩中の蚊よけ」におすすめのアイテムもぜひ教えてください!
安田:お散歩シーンなら、薬用アースノミ・マダニとり&蚊よけ首輪(動物用医薬部外品)をおすすめします。
こちらは装着するだけで蚊よけ、ノミ・マダニ駆除効果のある首輪です。約1週間で効果があらわれはじめて、約6カ月間持続します。お散歩中はもちろん、家の中にいるときも着用しておくと安心ですよ。
正しく対策できてる?ノミは愛犬の体に寄生して家の中に・・・
―なるほど、一口に「蚊よけ」といっても、シーンや場所に応じていろいろな商品を使い分けると良いのですね。参考になりました!次に、ノミやマダニについて教えてください。蚊は夏になるとよく目にするのですが、ノミやマダニは見たことがありません。私たちの身の回りにも普通に生息しているのですか?
安田:はい、郊外の方が多いですが、都市部にもごく普通に生息しています。ノミは普段は草むらなど日当たりのあまり良くない場所に生息していて、動物が近づくと、呼気や体温を感知して体長(約1.5~4mm)の200倍を超えるジャンプ力で動物の体に飛び乗り毛の中にもぐりこみ、お腹など柔らかい部分を刺して血を吸います。
メスは動物の体に住みながら血を吸い、1日20個以上の卵を産み続けます。卵はペットの体から落ちた後、幼虫⇒さなぎとなり、最短約2週間で成虫になり、また動物に寄生して・・・というサイクルを繰り返しながら数を増やしていきます。室内のカーペットやソファの隙間などは、ノミの繁殖に最適な場所なので、もしも犬が散歩先などでノミを体につけたまま家に持ち帰ってしまうと、家の中でどんどんノミが増えてしまう事態になってしまいます。
―なんと!家の中で繁殖してしまうのですね。
安田:そうです。ノミは犬だけでなく人間の血も吸いますので、犬が持ち込んだノミに人間が刺される被害も珍しくありません。
―想像しただけで、かゆくなります・・・。どうすればノミが犬の体に寄生するのを防げるのでしょうか。ノミはものすごく小さい上に、すぐに毛の中に潜り込まれてしまうと、気づけないと思うのですが・・・。
安田:外出の際には、先ほど紹介した「薬用アースノミ・マダニとり&蚊よけ首輪」などを活用し、体についたノミが吸血したり卵を産んだりする前に駆除できるようにしておくことが大切です。首輪タイプに抵抗がある場合は、愛犬の体に液体タイプのスポット剤をつける方法もあります。
「薬用ショットオン(動物用医薬部外品)」は、犬の首筋から尾の付け根にかけて被毛をかき分け、背中に線を引くようにして皮膚に滴下して使用します(中・大型犬の場合)。約1か月間、効果が持続しますよ。ただし、シャンプーすると効果がなくなるので、シャンプー後は再度滴下が必要です。
―もし、家の中でノミが繁殖してしまったら、どうすれば良いのでしょうか?
安田:部屋の中で繁殖してしまったノミは絨毯や畳の中に潜んでいるので肉眼で見つけづらいですし、動きが素早いので手作業で駆除するのは困難です。そこで、アース・ペットでは、青い光に引き寄せられるノミの性質を利用した「ノミ取りホイホイ」をご提案しています。青い光に引き寄せられて集まってきたノミを粘着シートで捕獲する仕組みで、薬剤は使わないので安心してノミの駆除ができます。
豆粒大まで血ぶくれする!マダニが犬についた時の対処法は?
―なるほど。家にノミがいるかどうか確認するためにも、1度試してみたいと思います!では、続いてマダニについて教えてください。
安田:マダニは蚊やノミと並んで、「犬の3大害虫」と言われますが、実は昆虫ではなく、クモやサソリの仲間です。マダニもノミと同じく草むらなどに潜んでいて、近寄ってきた動物の体に飛び移って、毛の中にもぐり、吸血します。マダニの吸血力はすさまじく、自ら分泌した体液で口を動物の皮膚に固定して約1週間も血を吸い続け、吸血後は普段3~4mmの体が血でパンパンに膨れ、1センチを超えます。
左が吸血前のマダニ
右が吸血後のマダニ
こうなって初めて、ペットにマダニが寄生していることに気づく飼い主さんが多く、急いでマダニを引きはがそうとするのですが、がっちりと口が固定されてしまっているので、なかなか取れません。無理に引きはがすとマダニの口が皮膚に食い込んだまま残ってしまい、皮膚にトラブルを起こしてしまう可能性があります。マダニの寄生を見つけたら無理に引きはがさず、獣医師に相談しましょう。
―マダニは見た目もグロテスクで、気持ち悪いですね・・・。マダニ対策はどうすれば良いですか?
安田:基本的にはノミと同じです。駆除用の首輪やスポット剤を使って、近寄ってきてもすぐに駆除できる体制を整えておきましょう。
虫ケア商品の犬の健康への影響は?人用を使ってもいい?
―蚊やノミ・マダニ対策は、時期としてはいつくらいから始めれば良いのでしょうか?「夏になったら・・」と思っている飼い主さんが多いと思うのですが、具体的な目安はありますか?
安田:蚊やノミ・マダニの活動が活発になると言われている、気温が15度を超えたら虫ケアを始めるようにしたいですね。近年は地球温暖化の影響で早春や初冬でも気温が高くなる日が多いですし、1年中ノミやマダニが繁殖できるくらい暖かい室内で過ごすペットも増えているので、できれば1年を通じて基本的な虫ケア(防虫効果のある首輪の装着、スポット剤の滴下など)をしてあげると安心です。
―なるほど。ただ、正直言うと、効果の高い虫ケア商品は長時間使うと愛犬の健康に悪いのではないか・・・という不安もあります。愛犬用の虫ケア商品の成分は主にどのようなものですか?また、愛犬の健康に影響はないのでしょうか?
安田:蚊よけに使われるのは、主にピレスロイドと呼ばれる成分です。ピレスロイドはキク科の植物に含まれる殺虫効果のある天然成分を人工的に合成したもので、哺乳類や鳥類への高い安全性が確認されており、人用蚊よけアイテムにも使われています。したがって、適正な使用方法さえ守れば、愛犬の健康を脅かすことはありません。安心してくださいね。
―人用の蚊よけアイテムと同じ成分が使われているんですね?ということは、人用の蚊よけアイテムでペット用の蚊よけアイテムを代用しても良いということですか?
安田:いいえ、そうではありません。人は赤ちゃんでも3,000gくらいありますが、ペットの場合はそれよりももっと体が小さく体重が1,000g以下の場合もあります。ペット用の虫ケア商品はそうしたことを考慮した上で安全性や効力を担保し、商品化しています。人と犬が一緒にいる空間で蚊取り線香やノーマットを使う場合は、人用ではなく、ペット用を使うようにしましょう。
―なるほど、よくわかりました。ただ、最近はペット用の虫ケア商品もいろんな種類があって、どれが良いのか迷ってしまいがちです。選ぶ際のポイントはありますか?
安田:やはり、ちゃんと防虫効果があってしかも安全性の高い、信頼のおける商品を選びたいですね。見分けるための1つの目安としてはパッケージに「動物用医薬部外品」という表示のあるもの。動物用医薬部外品は、農林水産省の審査を受けて一定の効果や効能、安全性が認められている商品なので、安心して使うことができます。また、たとえ動物用医薬部外品であっても、アレルギーなどを起こすリスクはゼロではないので、直接体に付けて使うようなアイテムの場合は、必ずパッチテストをして安全性を確かめた上で使うようにすると安心です。
害虫対策は愛犬の健康だけでなく、飼い主さんご自身の健康や快適な生活環境を守ることにもつながります。慣れてしまえば手間暇のかかるものではないので、愛犬と一緒に快適に暮らすための健康管理の一環として、また愛犬家のマナーとして必ず実践するようにしてください。
―安田さん、ありがとうございました。食事や運動と同じ健康管理の一環として、日常的に虫ケアを実践していきたいと思います。
※個人情報保護のため、記事中の人名は仮名にしています。