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「汚れの落とし方」を科学で分析。「洗浄技術の研究者」に教わる、汚れとの戦い方

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大矢勝

大矢勝

1957年、神戸市生まれ。大阪市立大学大学院生活科学研究科(修士)修了。泡で洗う洗濯機の開発研究で学術博士の学位を取得。短期大学講師を経て1990年より横浜国立大学助教授、2008年より同大学教授となり、2023年現在は名誉教授。洗浄技術・試験法、洗剤の環境影響・安全性、消費者情報などの分野の研究に従事し、洗浄技術や洗剤に関する多数の著書の執筆も行う。

洗浄技術の研究者に「汚れの落とし方」を聞く

掃除を愛するライターの加藤よしきと申します。最近、何度掃除をしてもすぐに汚れることが気になり始めました。

汚れってなぜ、どうやって生まれるんだろう。なぜあの洗剤はあの汚れに効くんだろう。その「メカニズム」を知れば、どんな汚れも攻略できるのでは……?

そこで今回は、洗浄技術や洗剤研究の第一人者である、横浜国立大学の大矢勝先生から汚れの発生するメカニズムや科学的な汚れの落とし方を教わります。記事の最後でそれらを踏まえて掃除を実践! お掃除のレベルアップを目指します。

大矢勝先生

大矢勝(おおや・まさる)
1957年、神戸市生まれ。大阪市立大学大学院生活科学研究科(修士)修了。泡で洗う洗濯機の開発研究で学術博士の学位を取得。短期大学講師を経て1990年より横浜国立大学助教授、2008年より同大学教授となり、2023年現在は名誉教授。洗浄技術・試験法、洗剤の環境影響・安全性、消費者情報などの分野の研究に従事し、洗浄技術や洗剤に関する多数の著書の執筆も行う。

「汚れ」ってそもそもなんだろう

戦いに勝つには、まず敵を知ることから。大矢先生に「汚れ」との戦い方を教わります。

加藤よしき(以下、加藤)「大矢先生は具体的にどのようなことを研究しているのでしょうか?」

大矢勝先生(以下、大矢)「衣類の洗濯から、原発施設など特殊な施設の洗浄、そして体内の膿を落とすといった医療行為につながる洗浄まで、さまざまな洗浄技術を研究しています。『汚れを落とす』ことに関しては、なんでも来いという感じですね」

加藤「衣類から原発まで! そんな洗浄のエキスパートである大矢先生にお聞きしたいのは、家の汚れ、特に私が今一番苦戦している水回りについてです。そもそも汚れって、なんなのでしょうか?」

大矢「基本的に、水回りの汚れは、水に含まれている成分が積み重なったものです。お風呂でしたら、石鹸や洗剤の成分。台所でしたら、食品に含まれる成分。こういったものが水と化学反応を起こして、汚れになります。あとは、お風呂も台所もどうしても水分が多いので、カビが発生しがちですね」

加藤「なるほど。自然発生するカビを除けば、いろいろなものに含まれる成分が水と化学反応を起こして、汚れが発生すると」

大矢「そういうことです」

加藤「ちなみに、市販の洗剤は台所やトイレ、お風呂など、用途別に細分化されていますよね。あれはやはり、タイプの異なる汚れに対して、それぞれ一番効果があるように作られているのでしょうか?」

大矢「はい。でも実は、水回りの汚れにおいてもっとも汎用性の高いものは台所用洗剤なんです。油分やタンパク質、デンプン質などさまざまな成分に幅広く対応しているからです。極端な話をすると、台所用洗剤でゴシゴシ洗えば、お風呂やトイレの汚れも落ちるんですよ。ただし、汚れが積み重ならないよう毎日ゴシゴシ念入りに洗う必要があります。それは物理的にも作業的にも厳しいですよね?」

加藤「はい。とっても厳しいです」

大矢「積み重なって落としづらくなった汚れも落とせるよう、それぞれの専用洗剤は成分が工夫されているわけです。

例えばお風呂には、水道水に含まれる成分(炭酸カルシウム)が石鹸の成分と化学反応を起こして発生する『金属石鹸』と呼ばれる汚れが発生します。石鹸カスとも呼ばれる、白っぽくこびり付いた汚れですね。粘着質で取りづらいのですが、これを落とす力を強く付与したのがお風呂用洗剤です。実は、台所用洗剤では金属石鹸はもちろん、水アカも落ちません」

加藤「毎日まとまった掃除の時間を確保できないからこそ、汚れに合った洗剤を使うべきだと理解できました。ただ、洗剤を細かく使い分けると、出費がかさむように思いまして……」

大矢「それでも基本的に、汚れに合わせた洗剤を使った方がいいでしょう。汎用性の高い台所用洗剤も、あらゆる場所の掃除に使うと、それ相応の量が必要です。そうなると結局洗剤を使い分ける場合とコストも変わらなくなりますからね」

加藤「やはり専用の洗剤を使うのが一番というわけですね。そうそう甘い話はないものです」

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