四国犬の性格や特徴は？飼い方のコツや寿命などについて解説【獣医師監修】

犬種名	四国犬
英語名	Shikoku Inu
原産国	日本
分類	中型犬
グループ	5G：原始的な犬・スピッツ

四国犬【英語名：Shikoku Inu】は、その名の通り四国産の日本犬で、国の天然記念物に指定される希少な犬種です。

一説によると、高知県の山岳地帯にいた野犬の「山犬」が祖先で、猟師が狩猟犬として飼育したのが四国犬のルーツだといわれています。かつては高知県の地名にちなんで「土佐犬」と呼ばれていましたが、「土佐闘犬」と区別しづらいことや、高知県以外の件にも存在したことから、四国犬と呼ばれるようになりました。

体高：約46～55cm
体重：約15～30kg

四国犬はがっしりとした骨太で筋肉質な体形をしています。中型犬の分類ですが、個体によっては大型犬ほどに大きく育ちます。

四国犬の平均寿命は10～12年前後とされています。四国犬は中型犬に分類されますが、『アニコム家庭どうぶつ白書2021』によると、中型犬の平均寿命は13.4歳のため、平均よりやや短いといえるでしょう。しかし、なかには15年以上長生きする四国犬もいます。

犬を迎える際は、最後のときまでしっかり世話ができるかを考えておきましょう。
犬をみとる頃に自分は大体何歳になるか、犬の介護ができるか、自分の生活環境や経済状況などもあわせて考えなければなりません。

犬を迎えようと考えているシニアの方は保護犬などで成犬を迎えるケースも検討するほか、万が一自分が世話できなくなった場合を想定しておくことも重要です。犬の世話を頼めそうな人にあらかじめ相談して承諾を得てから迎えたり、老犬ホームといった預かり先を決めたりして急な環境の変化に備えておきましょう。

四国犬は、日本犬の中で最もオオカミに似ているといわれる風貌をしています。毛色は赤や白、黒毛が混ざった胡麻色が最も多く、ほかに赤や黒褐色の被毛を持つ四国犬もいます。

被毛はダブルコート（被毛の層が2層）で、冬になると寒さを乗り越えるために柔らかいアンダーコートが密生します。

耳はピンと立ち、凛々しい顔つきをしています。尻尾はくるんと丸まった「巻き尾」が一般的ですが、毛が多く根元から前方に曲がった「差し尾」になっている四国犬もいるようです。

四国犬は、冷静で飼い主に忠実な性格をしています。警戒心が強いため、誰にでも懐くようなことはありませんが、その分家族への忠誠心はとても強いのが特徴です。

特にオスは警戒心が高く、自分のなわばりを守る意識が強いため、不信者には激しく吠えるなどの一面もあります。

四国犬を飼い始めるとき、飼い続ける際にかかる費用について説明します。

タイミング	内訳	費用の目安
迎えるとき	犬の生体代	約20～30万円
飼い始めるとき	畜犬登録料	約3,000円
	生活用品（クレートやケージなど）	約5～7万円
1年に1回かかる費用	狂犬病予防接種費	約3,500円
	混合ワクチン接種費	約5,000〜10,000円
毎月かかる費用	消耗品（フードやおやつなど）	約5,000〜10,000円

飼い始める際にかかる費用

四国犬のブリーダーは非常に少なく、ペットショップにいるケースはほとんどありません。迎える費用は、一般的に約20～30万円ほどといわれていますが、ブリーダーや月齢などで大きく異なるため、まずはブリーダーを探してみましょう。
他にも愛犬を迎えるには友人や知人から譲り受ける、譲渡会に参加する、保護犬を迎え入れるといった方法もあります。

犬を飼い始めるときには飼い始めてから30日以内に（子犬の場合は生後91日を経過してから30日以内に）お住いの自治体に犬の登録（登録料は3,000円程度）を行うほか、混合ワクチン接種費や狂犬病予防接種費も必要になります。母犬の初乳から得た免疫は徐々に低下していくため、混合ワクチンを子犬期に計3回接種してさまざまな感染症を防ぐ必要があります。子犬を迎える際の月齢によっては、ペットショップ側でワクチンを3回打っているため、生体代と一緒にワクチン代も支払います。3回全て打っていない場合は、飼い主が動物病院に連れて行って接種させましょう。

狂犬病予防接種は生後91日を過ぎた全ての犬が年に1回接種するよう法律で定められており、子犬の場合は混合ワクチンの接種を終えて2週間過ぎたタイミング（およそ生後110日前後）で打たせます。

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飼い続けるために必要な費用

犬を養育する上での生涯コストは、ドッグフードやペットシーツ、留守番時のエアコン代、一般医療費、トリミング代、レジャー費など200～300万円といわれています。

なかには僧帽弁閉鎖不全症など手術費が100万円以上になる病気にかかる場合や、アレルギーなどによって継続的な通院や投薬の費用がかかることもあります。犬を迎えるにあたっては、計画的な貯金やペット保険の利用なども検討し、予期せぬ出費にも対応できるかよく検討しておきましょう。

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四国犬を迎える際に必要な生活用品としては、クレートやケージ、サークルをはじめ、首輪やリード、食器、給水器、ドッグフード、トイレなどが挙げられます。

また犬が遊べるようおもちゃも用意するとよいでしょう。四国犬は多くの運動を必要とするため普段の散歩だけでなく、人けの少ない広場で走らせたり、ボールなどのおもちゃで遊んであげたりするとストレスの解消にもなります。

犬の生体代を除く初期費用としては、5～7万円程度を見込みましょう。

毎月の消耗品としては、ドッグフードやおやつ、トイレシーツ、歯ブラシやボディシートなどが挙げられます。一般的に毎月の平均額は5,000円～10,000円ほどです。四国犬はダブルコートのため、ブラッシングや自宅でのシャンプーといったケア用品を揃えておくのが安心です。

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2022年6月から、ペットショップやブリーダーで販売される犬や猫にマイクロチップの装着が義務化されました。マイクロチップは思わぬ事故や災害で迷子になってしまったときに、保護された犬を飼い主の元へ返すための重要な役目を果たします。装着費用は3,000～5,000円程度で、さらに飼い主の氏名や住所、電話番号などの情報登録料としてかかります。登録はオンライン申請で300円、郵送する場合は1,000円です。

ドアを開けた際に外へ飛び出したり、散歩中大きな音に驚いて逃げてしまったりなど、飼い主の不注意やアクシデントで犬は迷子になってしまう可能性があります。そのため、四国犬を迎える際は迷子対策もしっかり講じましょう。迷子対策としてはマイクロチップの装着のほかに、迷子札などの導入が挙げられます。

迷子札は、飼い主の連絡先を記載したキーホルダーで犬の首輪に装着します。値段は1,000～5,000円程度で、素材やデザインによって異なります。
そのほか、家からの飛び出しを防ぐために玄関にゲートを設置するといった対策を取るのもおすすめです。

四国犬を迎えたらできるだけ早くトレーニングを始めましょう。四国犬は頭がよく物覚えがいいため、トレーニングをしやすいといわれていますが、誰にでも懐く犬種ではない上に、指示に従う相手を選ぶため初心者には難しい可能性があります。

まずは飼い主がしっかり関係性を築くことからスタートしましょう。四国犬などの日本犬は特に、信頼関係の構築は欠かせません。犬が人からの指示に従った時には、しっかりとほめましょう。場合によってはプロのトレーナーに相談するのもおすすめです。

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✓散歩：1時間を1日2回
✓運動量：多い
✓おすすめの遊び：ボール遊び

四国犬はオスメスともに運動量が必要な犬種です。朝晩各1時間は時間をとり、時折早歩きをしたり、広場で思いっきり走らせたりしましょう。
また、信頼関係を構築するために、散歩中は飼い主が散歩ルートや歩くスピードを決定するよう心がけるのも重要です。

四国犬は猟犬由来のタフさがあり体を動かすのが得意なので、ランニングやボールを使った遊びで思いっきり体を動かすのがおすすめです。
縄張り意識や狩猟本能がとても強く、知らない場所や見知らぬ犬にすぐ慣れる性格ではない傾向にあるので、ドッグランのようにたくさんの犬がいる場所で遊ばせるのはおすすめできません。人けの少ない広場で強度の高いロングリードを使ってボール遊びをするなど工夫するといいでしょう。

✓十分な運動をさせてあげられる環境
四国犬は体が大きめで多くの運動量を必要とする犬種です。散歩では速く歩くなどして運動量を確保したいため、体力に自信がある人に向いているでしょう。

✓しつけをきちんとできる人
必要以上に警戒し攻撃的にならないよう、小さいうちから社会化トレーニングや、基本的なコマンドをマスターする必要があります。落ち着いて毅然とした態度を取れる人が向いているでしょう。

四国犬がかかりやすい代表的な病気と対策方法を知っておきましょう。

✓神経痛
子犬期になりやすい病気ですが、成犬になってからでも発症する犬もいて多くが原因不明です。ケガをしていないのに足をかばうようなしぐさをしていたり、触られるのを嫌がったりしたら神経痛のおそれがあるので早めに動物病院を受診しましょう。

✓皮膚炎
豊富な被毛を持つ犬種に多い病気です。ブラッシングやシャンプーなどのお手入れで皮膚を清潔に保って予防しましょう。

✓老年性認知症
四国犬を含む日本犬に多く発症する病気で、加齢に伴って発症リスクが高くなります。狭い場所に入って身動きが取れなくなる、名前を呼んでも反応しない、同じ場所をぐるぐる回るなどといった様子が見られるケースが多いようです。

✓ブラッシング：1週間に1、2回
✓シャンプー：1カ月に1回程度
✓トリミング：必要なし

皮膚を清潔に保つために、抜け毛や毛玉対策に定期的なブラッシングが必要です。ダブルコートの四国犬は春と秋に毛が大量に生え替わります。換毛期はこまめなブラッシングを心がけましょう。
コートは一定以上伸びないためトリミングは必要ありませんが、お尻まわりの被毛が長くなると排泄時の汚れがつく場合があるので、気になる場合はカットするとよいでしょう。

ブラッシング以外にもスキンシップの時間も兼ねて、表面からは分かりづらい皮膚の状態をチェックしたり、日々触れ合う時間を作ったりすることで、愛犬との信頼関係も高まります。

歯みがきは毎日～2日に1回、耳掃除や肛門腺絞り、爪切りは2週～1カ月に1回の頻度で行います。
また足裏の肉球間の毛が伸びると、フローリング床で滑りやすくなるためカットしてください。

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四国犬と生活する上で注意すべきポイントを紹介します。

✓熱中症に注意！
ダブルコートの犬は、太陽光の熱や湿気がこもりやすいため注意が必要です。晴天下で過ごす際は特に、口呼吸（パンティング）が激しくないか、体が熱くなっていないかこまめに確認しましょう。屋外では、十分な水分補給や太い血管のある場所を冷やすなど、暑さ対策は万全に。

✓マメな皮膚のチェックをしよう！
四国犬は皮膚炎にかかることがあるため、皮膚に赤みや脱毛、痒がっていないか、日頃から様子をチェックしておきましょう。四国犬は毛が二重構造のダブルコートで地肌が見えづらいため、日頃のブラッシングやスキンシップの時間に皮膚のチェックを欠かさないようにします。ハウスダスト、花粉が原因となることがあるため、こまめな部屋の掃除、外出後はぬらしたタオルで全身を拭くなどアレルギーの原因を取り除くようにしましょう。