北海道犬の性格や特徴は？飼い方のコツや寿命などについて解説【獣医師監修】

犬種名	北海道犬
英語名	Hokkaido Ken、Hokkaido
原産国	日本
分類	中型犬
グループ	5G：原始的な犬・スピッツ

北海道犬はアイヌ民族が狩猟の際に使う猟犬として、古くから飼育されてきました。北海道犬のルーツにはさまざまな説がありますが、いずれの説も狩猟犬として人と共に入ってきたということです。凛とした立ち姿には猟犬のルーツを感じさせる勇壮さがあります。
1937年に国の天然記念物に指定されています。

体高：オスは47～55cm、メスは44～52cm
体重：約15～30kg

北海道犬は中型犬に分類されます。体型は同じく日本犬の柴犬に似ていますが、柴犬よりもひと回り大きな体をしています。筋肉質でがっしりとした体躯が特徴です。

北海道犬の平均寿命は13～15歳とされています。北海道犬は中型犬に分類されますが、『アニコム家庭どうぶつ白書2021』によると、中型犬の平均寿命は13.4歳のため、平均とほぼ変わらないといえるでしょう。

犬を迎える際は、最期のときまでしっかり世話ができるかを考えておきましょう。
犬をみとる頃に自分は大体何歳になるか、犬の介護ができるか、自分の生活環境や経済状況などもあわせて考えなければなりません。

犬を迎えようと考えているシニアの方は保護犬などで成犬を迎えるケースも検討するほか、万が一自分が世話できなくなった場合を想定しておくことも重要です。犬の世話を頼めそうな人にあらかじめ相談して承諾を得てから迎えたり、老犬ホームといった預かり先を決めたりして急な環境の変化に備えておきましょう。

北海道犬の毛色は赤毛が多く、他にも白毛、黒毛、胡麻毛、虎毛があります。なお、近年は白毛も多くなっています。

厳しい寒さにも耐えられる豊かな被毛を持ち、密度の高いダブルコートになっています。下毛は柔らかく密集して生えており、上毛はしっかりとした毛が生えています。

前胸部から前脚までがたくましく発達した、筋肉質な体型です。三角形の立ち耳や、丸まった巻尾、またはややまっすぐの差し尾などは、日本犬らしい特徴といえるでしょう。

北海道犬は狩猟犬としてのルーツを持つため、勇敢で忠誠心が強いといわれています。飼い主以外には警戒心が強く、懐かない傾向を示すこともあります 。知らない人に警戒心を強く抱く 場合もあるため、番犬にもなるでしょう 。訓練や寒さに負けない持久力も特徴です。

頑固な一面を持ちますが、子犬の頃から愛情を注いで育てれば、家族には優しく穏やかな家庭犬となります。散歩やドッグランなどでほかの犬との触れ合いを通じて、社交性の習得も可能です。

北海道犬を飼い始めるとき、飼い続ける際にかかる費用について説明します。

タイミング	内訳	費用の目安
迎えるとき	犬の生体代	約15～25万円
飼い始めるとき	畜犬登録費	約3,000円
	生活用品（クレートやケージなど）	約5～7万円
1年に１回かかる費用	狂犬病予防接種費	約3,500円
	混合ワクチン接種費	約5,000〜10,000円
毎月かかる費用	消耗品（フードやおやつなど）	約5,000〜10,000円

飼い始める際にかかる費用

北海道犬は、ペットショップでは販売が珍しい犬種ですが、国内にブリーダーがいます。迎える際の価格は、血統や月齢などによりますが、15～25万円が目安となるでしょう。ブリーダーから購入する際はあくまで目安となり、価格は変動することがあります。また、常に子犬が産まれているとは限らないため、北海道犬のブリーダーにあらかじめ相談しておくとよいでしょう。

他にも愛犬を迎えるには友人や知人から譲り受ける、譲渡会に参加する、保護犬を迎え入れるといった方法もあります。

犬を飼い始めるときには飼い始めてから30日以内に（子犬の場合は生後91日を経過してから30日以内に）お住いの自治体に犬の登録（登録料は3,000円程度）を行うほか、混合ワクチン接種費や狂犬病予防接種費も必要になります。母犬の初乳から得た免疫は徐々に低下していくため、混合ワクチンを子犬期に計3回接種してさまざまな感染症を防ぐ必要があります。子犬を迎える際の月齢によっては、ペットショップ側でワクチンを3回打っているため、生体代と一緒にワクチン代も支払います。3回全て打っていない場合は、飼い主が動物病院に連れて行って接種させましょう。

狂犬病予防接種は生後91日を過ぎた全ての犬が年に1回接種するよう法律で定められており、子犬の場合は混合ワクチンの接種を終えて2週間過ぎたタイミング（およそ生後110日前後）で打たせます。

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飼い続けるために必要な費用

犬を養育する上での生涯コストは、ドッグフードやペットシーツ、留守番時のエアコン代、一般医療費、トリミング代、レジャー費など200～300万円といわれています。北海道犬は短毛種で換毛するためトリミング代は不要です。

なかには僧帽弁閉鎖不全症など手術費が100万円以上になる病気にかかる場合や、アレルギーなどによって継続的な通院や投薬の費用がかかることもあります。犬を迎えるにあたっては、計画的な貯金やペット保険の利用なども検討し、予期せぬ出費にも対応できるかよく検討しておきましょう。

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北海道犬を迎える際に必要な生活用品としては、クレートやケージ、サークルをはじめ、首輪やリード、食器、給水器、ドッグフード、トイレなどが挙げられます。

また犬が遊べるようおもちゃも用意するとよいでしょう。北海道犬は多くの運動を必要とするため、 ボール遊びなどで思い切り走れるようにするのがおすすめです。

犬の生体代を除く初期費用としては、5～7万円程度を見込みましょう。

毎月の消耗品としては、ドッグフードやおやつ、トイレシーツ、歯ブラシやボディシートなどが挙げられます。一般的に毎月の平均額は5,000円～10,000円ほどです。消耗品費ではありませんが、北海道犬は暑さに弱いため、夏はエアコン代がしっかりかかると見込みましょう。

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2022年6月から、ペットショップやブリーダーで販売される犬や猫にマイクロチップの装着が義務化されました。マイクロチップは思わぬ事故や災害で迷子になってしまったときに、保護された犬を飼い主の元へ返すための重要な役目を果たします。装着費用は3,000～5,000円程度で、さらに飼い主の氏名や住所、電話番号などの情報登録料としてかかります。登録はオンライン申請で300円、郵送する場合は1,000円です。

ドアを開けた際に外へ飛び出したり、散歩中大きな音に驚いて逃げてしまったりなど、飼い主の不注意やアクシデントで犬は迷子になってしまう可能性があります。そのため、北海道犬を迎える際は迷子対策もしっかり講じましょう。迷子対策としてはマイクロチップの装着のほかに、迷子札などの導入が挙げられます。

迷子札は、飼い主の連絡先を記載したキーホルダーで犬の首輪に装着します。値段は1,000～5,000円程度で、素材やデザインによって異なります。
そのほか、家からの飛び出しを防ぐために玄関にゲートを設置するといった対策を取るのもおすすめです。

北海道犬は子犬の頃から一定のトレーニングをすることで、飼い主に忠実で愛情深い家庭犬になります。飼い主にも根気強さが求められますから、トレーナーの力を借りるのもおすすめです。

北海道犬は知らない人や動物への警戒心 が強い犬種です。子犬の頃からさまざまな人や犬と触れ合う機会を作り、社会性を身に付けましょう。獣医師に触られても嫌がらないように、子犬の頃から動物病院に慣れさせておくことも大切です。

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✓散歩：1時間を1日2回
✓運動量：多い
✓おすすめの遊び：ボール遊び

北海道犬には十分な運動量が必要です。1時間の散歩を毎日2回行いましょう。一緒に走るなど運動量を増やすことで、よりストレスを発散できます。 ボール遊びなどもおすすめです。

運動不足はいたずらやほかの犬とのトラブルなど、問題行動の原因となるため注意が必要です。

✓しつけをきちんとできる人
必要以上に警戒し攻撃的にならないよう、小さいうちから社会化トレーニングや、基本的なコマンドをマスターする必要があります。落ち着いて毅然とした態度を取れる人が向いているでしょう。

✓十分な運動をさせてあげられる環境
北海道犬は活動量の多い犬です。散歩では速く歩くなどして運動量を確保したいため、体力に自信がある人に向いているでしょう。自由に走り回れるような広い庭があるのも理想的です。

北海道犬がかかりやすい代表的な病気と対策方法を知っておきましょう。

✓皮膚疾患
北海道犬の被毛は密に生えており、ブラッシングが必要です。特に換毛期は抜け毛の処理を行わないと、皮膚病にかかりやすくなります。また、夏場の高温多湿も皮膚疾患の原因に。湿疹やかゆみ、脱毛などを起こしやすくなるので、こまめにブラッシングをしたり、絞ったタオルで拭いたりしてあげましょう。

✓熱中症
暑さに弱い犬種のため、熱中症に注意が必要です。夏場の散歩は早朝や夜など涼しい時間帯を選びましょう。室内でも夏場はエアコンで温度調節を徹底してください。

✓肝性脳症
肝臓の解毒機能が低下し、脳に異常を起こす病気です。発育不全や食欲低下、発作などの症状があります。肝臓の治療や手術が必要です。また、低たんぱくのフードに切り替える食事療法があります。

✓ブラッシング：1週間に2、3回
✓シャンプー：
✓トリミング：不要

歯磨きは毎日～2日に1回、耳掃除や肛門腺絞り、爪切りは2週～1カ月に1回の頻度で行います。

北海道犬は基本的にトリミングの必要はありません。しかし、被毛は分厚いダブルコートであるため、抜け毛が比較的多い犬種です。下毛が抜けて上毛に絡まり毛玉になると、蒸れて炎症や皮膚病の原因となることがあります 。週に2～3回はブラッシングをしてあげましょう。

特に、春と秋の換毛期には抜け毛の量が膨大になるため、この時期には毎日こまめにブラッシングを行う必要があります。ブラッシング以外にもスキンシップの時間も兼ねて、表面からは分かりづらい皮膚の状態をチェックしたり、日々触れ合う時間を作ったりすることで、愛犬との信頼関係も高まります。

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北海道犬と生活する上で注意すべきポイントを紹介します。

✓夏の高温多湿に注意
北海道犬は寒い地域にルーツがあるため、暑さに弱い犬種です。高温多湿の夏は、湿気によって皮膚が蒸れる皮膚疾患や外耳炎、熱中症などに注意しましょう。

✓定期的にブラッシングをしよう！
北海道犬のようなダブルコートの犬は毛が密生しているため、むだ毛が絡まったり、毛玉になったりすることを防ぐためにも定期的なブラッシングを心がけましょう。

✓マメな皮膚のチェックをしよう！
北海道犬は皮膚炎にかかりやすいため、皮膚に赤みや脱毛があったり、痒がったりしていないか、日頃から様子をチェックしておきましょう。

✓飼育が難しい犬種
猟犬としての攻撃性や、飼い主以外への警戒心が強く、子犬の頃からしっかりとしたトレーニングを行う必要があります。北海道犬は忠誠心が強いため、信頼関係が築けていれば最高のパートナーとなるでしょう。

✓運動不足に注意！
北海道犬は豊富な運動量が必要な犬種です。運動不足は、問題行動の引き金になるだけでなく、肥満の原因にもなります。さらに狩猟欲も強い犬種なので、アクティビティにはボール遊びなどを取り入れるとよいでしょう。