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獣医師資格取得後、小動物臨床経験6年。主に犬猫の臨床に携わる。現在は子育てをしながら、愛猫と暮らしている。
愛犬の暑さ対策は十分にできていますか?犬は人よりも暑さに弱く、熱中症になると命を落とすこともあるので、はやく症状に気づいてあげることが重要です。熱中症の症状やなりやすい犬の特徴を知って、熱中症対策に役立てましょう。
目次
- 熱中症とはなにか?
- 進行度別にみる熱中症の症状
- 熱中症に注意したい犬の特徴
熱中症とはなにか?
犬が熱中症になるメカニズム
犬は人のように汗をかけないため、ハアハアという短い呼吸をして体の熱を外に逃がしています。しかし気温や湿度が高すぎると体内の熱を逃がしきれなくなるため、体温が上昇してしまいます。
熱中症が怖い理由
熱中症になると、体温を調節する機能が壊され、体温がどんどん上昇していきます。脱水、血圧低下などから循環不全に陥り、症状が一気に進むので、臓器にダメージを与え、あっという間に手遅れになることも。
後遺症が残ったり、命を落としたりする危険性があるため、飼い主さんがいちはやく愛犬の異常に気づくことが重要なのです。
進行度別にみる熱中症の症状
初期の症状
体の熱を調整しようとするためハッハッという浅くて速い呼吸が多くなり、皮膚から熱を逃がそうと血流量が増えて体温も急上昇します。
よだれがいつもより垂れる、涼しい場所を求めて落ち着きなく歩きまわるといった様子の変化もみられます。
中期の症状
心拍数や脈拍が速くなり、粘膜が充血しはじめ、低血圧や循環不全などから嘔吐(おうと)・下痢・痙攣(けいれん)などの症状がみられるほか、体が震える、意識がなくなるなどの異変もあらわれます。
末期の症状
体内で体温調節できなくなり、脳や神経に影響を与え、臓器不全に陥ることもあります。血便・血尿・嘔吐・動かない・排せつ物が勝手に出てくるなどの症状があらわれ、救命率はかなり下がります。命が助かった場合でも、後遺症が残る危険性があります。
熱中症に注意したい犬の特徴
熱中症になりやすい犬種
フレンチ・ブルドッグのような気道が狭く体温調節が苦手な短頭種や、ラブラドール・レトリーバーのような大型犬は、熱中症になるリスクが高いです。また寒い地方原産の犬も暑さに弱いため、熱中症になりやすい傾向があります。
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持病のある犬、老犬や肥満の犬
心臓病や呼吸器の病気、脱水しやすい病気など持病を抱えている犬は、熱中症のリスクが高くなります。また体の機能が低下している老犬、皮下脂肪で熱を発散しにくい肥満体型の犬も注意が必要です。
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高温多湿になりやすい地域に住んでいる犬
気温30℃、湿度40%を超えると、犬が熱中症になるリスクが高まります。地域別にみると、東日本での発生件数が多く、北日本や西日本と比較して熱中症の危険度が高いといえるでしょう。
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