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獣医師資格取得後、小動物臨床経験6年。主に犬猫の臨床に携わる。現在は子育てをしながら、愛猫と暮らしている。
愛犬の黒目が白く濁ってきたと感じたら、それは目の病気である「白内障」のサインかもしれません。白内障は、進行すると視力が衰えていく病気。愛犬の目の異常にはやく気がつくためにも、症状や対処法を学んでおきましょう。
目次
- 白内障はどんな病気? かかりやすいのはどんな犬?
- 愛犬が白内障になったらどうすればいい?
- 犬の白内障、予防と早期発見のコツは?
白内障はどんな病気? かかりやすいのはどんな犬?
白内障は、眼球内でレンズの役割を果たす水晶体が、白く濁ってくる病気です。進行すると視力が低下し、水晶体の白さが増すほど視覚が衰えます。
愛犬が白内障になると、暗いところでぶつかったり、違和感によって目をこすったりする行動が見られるでしょう。進行すると緑内障を併発することもあるため、注意が必要です。
白内障は、7才以上の犬が発症することが多い病気です。犬種にかかわらず、どんな犬でもなる可能性があります。また糖尿病にかかっている犬や遺伝的に6才以前に発症する場合などもあります。
愛犬が白内障になったらどうすればいい?
白内障は初期の場合、点眼薬で進行を遅らせることができますが、根本的な治療ではありません。犬の白内障でも眼科専門の病院では手術を行なって治療することがあります。手術によって視力の回復が見込めるか、など手術の適応であれば実施されます。限られた病院でしか手術は出来ないので、まずはかかりつけの動物病院でよく相談し、必要に応じて眼科専門の病院へ紹介してもらうことが必要です。
愛犬がもし白内障になり視力が低下しても、徐々に進行していった場合は慣れた場所であればにおいを頼りに行動できます。散歩も慣れたコースで行ってください。
室内では、階段やソファから誤って転落しないよう、防止策を講じておくのがおすすめ。トイレや食事は決まった場所から変更せず、模様替えも控えるといいでしょう。
犬の白内障、予防と早期発見のコツは?
白内障を早期に発見するためにも、愛犬の目の輝きが少し鈍く感じたら、念のために検査を受けるといいでしょう。初期には特徴的な症状が見られにくいため、半年おきに検査を受けることで早期発見につながります。
また、白内障は糖尿病が原因で起こる場合もあります。食事管理などで肥満に気をつけ、糖尿病の予防もしっかり行いましょう。
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