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あおば動物クリニック所属
犬がキュンキュンと鳴くときは、甘えや不安、痛みなどを伝えている可能性があります。犬が鳴いていても何を訴えているのか分からず、飼い主として心配になってしまうことがありますよね。
この記事では、犬がキュンキュン鳴くときの理由や、鳴き声以外にも感情が出る体の部位について説明します。また、キュンキュン鳴くときの飼い主の対応についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
- キュンキュンという鳴き方をする理由
- 鳴き声以外の感情の表し方を知ろう
- 犬がキュンキュン鳴くときの対応
- まとめ
キュンキュンという鳴き方をする理由
犬は、鳴き声で自分の気持ちを伝えます。キュンキュンと鳴くときは、飼い主に対して何か訴えたいことがあるはずです。考えられる4つの理由を以下に解説します。
甘える気持ちを表現している
「自分を見てほしい」など、飼い主に甘える気持ちをキュンキュン鳴くことで表現します。体の一部をくっつけてきたり、目を見つめたりして意思表示をすることもあります。
犬がキュンキュンと鳴くのは、子犬時代の習性の名残とも考えられます。子犬の時は母犬に対しておっぱいを求めたり、自分の居場所を伝えたりするためにキュンキュンと鳴くことがあります。成犬になってからも、飼い主を母犬のように慕い、キュンキュンと鳴いてコミュニケーションを取ろうとしていると考えられます。
「遊んでほしい」「おやつがほしい」「散歩に行きたい」など、おねだりの気持ちを表現していることもあります。
不安な気持ちを表現している
弱々しく鳴きながら飼い主に付きまとったり、そわそわと同じ場所を行き来したりする様子を見せるときは、不安を感じている可能性があります。身体を丸めたり震わせたり、目や耳を伏せたりすることもあります。
さびしい気持ちを表現している
飼い主の外出を察知したり、ケージに入れられたりしたときに、さびしさを訴えるためにキュンキュン鳴くこともあります。留守番でひとりぼっちになったときに、キュンキュンと悲しそうに鳴くこともあります。
留守番をさせる場合には、出かける前に散歩や遊びで十分に愛犬のストレスを発散し、留守番をお昼寝の時間として活用するなど、リラックスして待っていてもらえるよう工夫しましょう。
痛みなどを訴えている
犬は身体に痛みがあるときに、キュンキュンと鳴くこともあります。このようなときは、いつもと違う仕草を見せることが多いはずです。
震えたりうずくまっていたり、触れるとキャンと鳴き声をあげたりするときは、念のためかかりつけの動物病院で診察を受けましょう。
鳴き声以外の感情の表し方を知ろう
犬は鳴き声以外にも、全身のさまざまな部位を使って気持ちを表現します。体を使った気持ちの表し方を知っておくことで、犬の気持ちをより理解することができます。体の部位ごとに、気持ちの表現方法を見ていきましょう。
しっぽ
しっぽは犬の気持ちをさまざまに表します。しっぽを高く上げて素早く振っているときは、興奮していることを示しています。喜びの表現だけでなく、緊張により興奮していることも。飼い主や仲良しの犬に会ったときには、腰を落としてしっぽを大きく振って大好きな気持ちを表します。
しっぽをピンと立てているときは、周囲を警戒して緊張しているサイン。ほかの犬に自分を大きく見せて、強さをアピールする気持ちの表れのことも。また、好奇心を抱いて興奮しているときも、しっぽをピーンと伸ばして立てることがあります。
しっぽが後ろ足の間に巻き込まれているときは、恐怖や強い不安を感じています。怒る飼い主や強い犬に対して、降参や服従の気持ちを表現していることもあります。
耳
耳をピンと立てるときは、周りに興味を示したり何かに集中したりしています。警戒心があるときは不安気な表情になり、好奇心をもっているときは明るい表情をしています。
耳を前に傾けて伏せるときは、威嚇の気持ちを表します。後ろに寝かせるように倒す、いわゆる「ヒコーキ耳」にも、うれしさや甘え、威嚇などさまざまな意味合いがあります。
目
目を大きく見開きキラキラとした表情のときは、楽しい・うれしい気持ちになっています。緊張や戸惑いを感じたり、気まずい気持ちになったりしたときは、目をそらせて視線を合わせないことがあります。怒っているときは、目が三角にとがり、目頭や鼻にかけてシワが寄ります。
口
興奮しているときや楽しいときは口角が上がり、まるで笑っているように見えます。口元が緩んで下の歯が見えているときは、穏やかな気持ちになっています。
集中しているときや、緊張しているときは口を固く閉じます。怒ったり威嚇したりするときは、上唇を上げて歯をむき出しにしてうなり声を上げます。
犬がキュンキュン鳴くときの対応
キュンキュンと鳴くときは、何かを訴えたい気持ちがあると考えます。まずは、身体や環境に問題がないかを確認しましょう。
普段より声が小さかったり、痛そうにしていたりと、いつもと違う様子のときは体調不良の可能性があります。
かかりつけの病院に相談することをおすすめします。
おやつを多くねだるなど甘えの表現の場合は、要求に応え過ぎると「鳴けば要求が通る」と学習してしまいます。その結果、甘え鳴きがひどくなることがあるため、注意が必要です。
キュンキュン鳴きながら甘える姿を見ると、つい言うことを聞いてあげたくなりますが、そこはグッと我慢です。「おやつはもう終わり」と優しく言い聞かせて、要求してきても応えないことが肝心です。
鳴いている時ではなく、愛犬が落ち着いたタイミングでたくさん褒めてあげましょう。また普段から「おすわり」や「まて」といった号令を練習しておき、上手にできた時に褒めてもらえると学習してもらうことも大切です。
また、お留守番などで我慢させた後は、たっぷりコミュニケーションを取り、犬の気持ちを満足させてあげましょう。
まとめ
犬がキュンキュン鳴くときは、必ず何か理由があります。知らんぷりをせずに、犬の様子をよく観察しましょう。
犬の気持ちをくんで対応してあげると、落ち着くこともあります。普段から犬の鳴き声や表情をしっかり見て、気持ちを判断してあげましょう。
体調不良の可能性があるときは、すみやかに動物病院を受診してください。