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ろろの犬猫部屋所属。麻布大学獣医学部獣医学科卒業 / 動物病院で3年間臨床医 / 現在は横浜市の福祉施設にて研究事業と臨床医として働きながら保護猫活動に従事
パプリカはピーマンと同じナス科トウガラシ属で、カラーピーマンとも呼ばれます。ピーマンと比べると青臭さや苦みがなく、肉厚で甘いのが特徴です。彩りも良く、トッピングに加えたいと思う人も多いはずです。
ビタミンが豊富に含まれるパプリカを、愛犬に食べさせたいと考える方もいるでしょう。実は、犬にパプリカを与えても大丈夫です。この記事では、パプリカを犬に与えるときの注意点や、栄養素について解説します。
目次
- 犬にパプリカを食べさせても大丈夫!
- パプリカにはどんな栄養がある?
- パプリカの与え方
- まとめ
犬にパプリカを食べさせても大丈夫!
パプリカには、犬にとって有害な成分は含まれていないため、食べても大丈夫な野菜です。甘味があるため、喜んで食べる犬もいるでしょう。ただし、アレルギーを起こす可能性があるため、最初は少しずつ与えて様子を見ていきましょう。
皮が硬く、食物繊維が豊富に含まれているため、消化器官や排せつ機能が弱っている場合は無理に与える必要はありません。また、カリウムが含まれるため、腎臓や心臓の機能が弱っている犬は避けた方が良いでしょう。
なお、パプリカはナス科の植物のため、ピーマンやナスと同じくアルカロイドという成分を含んでいます。アルカロイドは大量に摂取すると、嘔吐や下痢などの中毒症状が出ることがまれにあります。ただし、パプリカを大量に食べない限りは問題ありません。
パプリカにはどんな栄養がある?
パプリカにはさまざまな栄養素が含まれています。それぞれの栄養素について解説していきます。
βカロテン
犬は体内で、βカロテンをビタミンAに合成することができます。犬の被毛や皮膚の健康を保ち、丈夫な粘膜や歯をつくるのに役立ちます。抗酸化作用が強く、老化を防ぐ効果も期待できます。
ビタミンE
ビタミンEには抗酸化作用があります。人間ではアトピー性皮膚炎など皮膚疾患への抗炎症作用や、認知症予防などアンチエイジング効果も期待できるとされています。
ビタミンC
ビタミンCにも強い抗酸化作用があり、人間ではがん予防やアンチエイジング効果が期待できるとされています。また、解毒作用や免疫機能向上にも役立ちます。さらに、タンパク質からコラーゲンを合成するのをサポートしたり、毛細血管や骨・歯の健康を保ったりする働きもあります。
葉酸
葉酸は、細胞の生まれ変わりや成長をサポートします。造血のビタミンとも呼ばれ、不足すると免疫力が低下したり、貧血になったりします。
カリウム
カリウムは体液の浸透圧を調整して、血圧を安定させる役割を果たします。ただし、腎臓病や心臓病を患っている犬や高齢の犬の場合は「高カリウム血症」になることがあるため、注意が必要です。
ルテイン
ルテインは、黄色のパプリカに多く含まれています。抗酸化作用が高く、人間では老化予防に効果があるとされています。また、ルテインは目の水晶体にも含まれる成分のため、人では視力低下の防止や白内障の予防にも役立つとされています。
カプサチン
カプサチンは、赤パプリカに含まれています。ルテイン同様、抗酸化作用があるとされます。辛み成分のカプサイシンと似た名前ですが、赤パプリカには辛味はありません。
食物繊維
パプリカには水溶性と不溶性の食物繊維が共に含まれています。水溶性食物繊維は、糖質の吸収を緩やかにして血糖値の急上昇を抑えるほか、コレステロールの排出にも役立ちます。不溶性植物繊維は腸の中で水分を吸って膨らむため、排便を促す効果があります。また、腸内の毒素やコレステロールも排出してくれます。
パプリカの与え方
パプリカを調理して犬に与えるやり方は次のとおりです。
ヘタと種を取り除く
果肉と比べて硬く、消化が悪いヘタと種は取り除いて調理します。特にヘタは硬く、のどに詰まらせる恐れもあるので気を付けましょう。
加熱する、細かく刻む
生でも食べられるパプリカですが、加熱したほうが甘味が増し、犬の食いつきが良くなる効果があります。ビタミンCは加熱で壊れるとされていますが、パプリカにはビタミンCが熱で壊れるのを防ぐビタミンPが多く含まれているため、加熱しても安心です。
肉厚のため喉に詰まらせないよう細かく刻んでから、ドッグフードに混ぜたりおやつとしてあげたりするとよいでしょう。
量は、ドッグフードのトッピング程度にとどめる
食物繊維が豊富なパプリカですが、食べ過ぎると消化不良を起こす可能性があります。ドッグフードのトッピング程度にとどめておきましょう。
まとめ
パプリカは栄養価が高く見た目もカラフルで、愛犬に与えたいと考える人は多いはずです。犬にパプリカを食べさせても問題ありませんが、与え方には注意があり、あげ過ぎは禁物です。正しい与え方を確認してから、犬の食事に加えるようにしてください。