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出版社・Web媒体にて編集者として勤務後、ライターとして独立。現在は、エッセイ、ショートストーリー、脚本、コピーライティングなど、文章にまつわる活動は多岐に渡る
さまざまな業界のインフルエンサーとその愛犬を取材する「ワンフルエンサーインタビュー」企画。3人目のワンフルエンサーは、ライターの夏生さえりさんとビションフリーゼの月ちゃん。さえりさんと旦那さんと月ちゃんの3人暮らしから、息子さんが誕生して4人家族となった日常生活や、子育て世帯がワンちゃんを迎えることの魅力や心構えについてお話をうかがいました。
目次
- 「今日から家族に!」夏生さえりさんと愛犬月ちゃんの出会い
- ワンちゃんを飼ったことがなかった旦那さんがメロメロに!?
- 月ちゃんに弟が!赤ちゃんと犬の絶妙な距離感
- 「簡単には勧められません」子育て世帯が犬を迎えるということ
- 犬の1年は人の4倍の速さ。後悔がないように100%の愛情を
「今日から家族に!」夏生さえりさんと愛犬月ちゃんの出会い
小学生の頃から実家でワンちゃんを飼っていたというさえりさん。結婚して落ち着き、ペットを飼える物件に引っ越したことから、大好きなワンちゃんを迎えたいと思っていました。
しかし、旦那さんはワンちゃんを飼った経験がありませんでした。「可愛いとは思うけど、自由がなくなり、大変なことの方が多いのでは」と考えていたんだそう。さえりさんは、旦那さんの性格を踏まえ「あなたは犬を飼うのに向いている。絶対に、素晴らしい暮らしになると断言できる」と数か月にわたって説得し、ついにワンちゃんをお迎えすることに。
もともと仕事で多忙な日々を送っていたさえりさんと旦那さんでしたが、コロナ禍に入ると出社することがなくなり、家にいる時間が増えました。「コロナ禍はいつまで続くかわからないけれど、子犬の時期の数か月は一緒にいてあげられる」ということも追い風になったといいます。
「実家ではじめて飼ったのが白いトイプードルでした。その姿が思い出に残っていたので、トイプードルやビションフリーゼ、ボロニーズなど、白のふわふわしたワンちゃんを中心に探していました」
色々なワンちゃんを見ている中で、月ちゃんを迎えることとなった決定打は、旦那さんがブリーダーの元を訪れた際、「この子が可愛い!」と言ったことでした。
さえりさん自身も月ちゃんに会ったときは「情けない顔がすごく可愛い!」と感じたそう。あまりの可愛さに言葉にならず、帰りの車の中では旦那さんと共に沈黙していたといいます。
「自然界にある名前を付けたいな、と思っていました。私も夫もお月様を見ることが好きで、『月が綺麗だね』『月が大きいね』と日々よく話すので、名前は月がいいなと思いました。ビションフリーゼの白くて丸いフォルムがまん丸の満月みたいにも見えるので、ちょうどいいね」と話して「月」ちゃんと命名。
月ちゃんを迎えてから、旦那さんには大きな変化があったそうです。
ワンちゃんを飼ったことがなかった旦那さんがメロメロに!?
これまでワンちゃんを飼った経験がなかった旦那さんでしたが、月ちゃんを迎えてからというもの、月ちゃんを溺愛。
月ちゃんの家での定位置は旦那さんの膝の上。旦那さんは、引っ越し先を探す際も「月ちゃんにとって良い環境であること」が第一条件であったり、お散歩からなかなか帰ってこないと思ったら一緒にカフェに行っていたりと、すっかりワンちゃんファーストの生活を楽しんでいて、お世話もほとんどしてくれるのだとか。
旦那さんに「結婚して良かったことって何?」とさえりさんが尋ねた際には、「月ちゃんと一緒に暮らせていること」と答えるほど。それを聞いたさえりさんも、旦那さんがワンちゃんと暮らせることの幸せを感じてくれていることに喜びを感じているそうです。
「夫はとても優しいし丁寧だし、外に出かけるのも好きなので、きっと犬との暮らしを好きになるだろうとは思っていましたが、想像以上でした。子犬のころの躾は、犬を飼っていたこともある私がリードしましたが、今は月ちゃんのことはほとんど夫が担当しています」とのこと。
そして、月ちゃんが1歳のときに息子さんが誕生します。
月ちゃんに弟が!赤ちゃんと犬の絶妙な距離感
息子さんが生まれ、自宅に戻って初めて会ったときは、しっぽを振って迎えてくれたという月ちゃん。「赤ちゃんが生まれることや、入院が必要なこと、生まれた後は忙しくなることを前々から月に伝えていたのも良かったのかもしれません。息子の泣き声がするたびに様子を見にいってくれて、可愛かったです」と当時を振り返ります。
新生児期は、慣れない育児で手一杯になり、月ちゃんに構えない時間も増えたといいますが、息子さんのところに行く前に必ず月ちゃんに「泣いてるからちょっと行ってくるね」などと声をかけ、月ちゃんが寂しくならないように、できる限りの配慮を怠りませんでした。
月ちゃんのおもちゃで息子さんが遊んでいると、「私のおもちゃなのに……」という目で見ている月ちゃんに対して、息子さんは「どうぞ」と言って渡したり、おもちゃを引っ張り合う遊びをしたり、ときには喧嘩したり、お互いに良い関係で姉弟のように過ごしている2人。
普段はお互いあまり近づかないものの、息子さんが寝ているときは近くに寄っていき、仲の良さを見せているようです。
「簡単には勧められません」子育て世帯が犬を迎えるということ
子育てをしながら送るワンちゃんとの生活についてうかがいました。
「子どもが小さい頃はどうしても手がかかってしまいます。家族と、家事や育児、そしてワンちゃんへのケアを分担できる環境じゃないと、ワンちゃんに寂しい思いをさせてしまうので、この時期から犬を飼うことを簡単には勧められません。大変なことも多いですし、SNSで見かける可愛いシーンばかりではありません。
でも、家族の一員なのだということを忘れずに、しっかり考えてあげられるなら、犬との暮らしは幸せなことがたくさんあります。私自身子どもの頃にワンちゃんがいたことで救われたことがたくさんあるんです。
また、言葉を話せない動物に対して、こう考えているんじゃないかな、と想像を巡らせる力が付くのはすごく良いことだと思います」
息子さんに対しては、「月ちゃんが待ってるから帰ろうね」や「月ちゃんにただいまを言った?」、「月ちゃんにもおやすみを言ってね」などと家族の一員として接することを大切にするように伝えているといいます。
また、旦那さんとは月ちゃんが幸せでいられているかを頻繁に話し合っているんだそう。「息子のことを第一に考えてしまうけど、犬の人生は短いので、月ちゃんのこともちゃんと考えていこうね、とよく話します」
犬の1年は人の4倍の速さ。後悔がないように100%の愛情を
ワンちゃんの1年は人間の4年に相当するといわれていて、人間よりも早く歳を取ってしまいます。
「実家で飼っていたワンちゃんは老後に介護が必要になり、何回も危篤状態になりました。介護は母がしていましたが、頻繁に病院に連れて行かなくてはいけないし、家でも付きっきりで看病している様子を見ていて、こういう時期も来るんだよな、と思っています。そして必ずお別れのときが来てしまいます。
ワンちゃんを迎えた家庭は元気な時期だけじゃなくて、一生を通し家族の一員として、ちゃんと愛してあげてほしいなと思います。ワンちゃんの一生は短いので別れは悲しいですが、私は毎日後悔がないように100%愛して積み重ねていくのが大事だと思っています」
休みの日にはワンちゃんも入れる商業施設に行ったり、カフェでお茶をしたりと家族全員でお出かけ。
普段はマイペースな月ちゃんですが、とても優しい性格で、さえりさんがひっそり泣いているときや、落ち込んでいるとき、旦那さんと喧嘩したときにはそっと寄り添ってくれるそうです。妊娠初期の辛い時期もずっと側にいてくれて、救われた回数は数知れず。
「月ちゃんの優しさは、太陽などの強く明るい感じじゃなくて、名前の通りお月様の光みたいな柔らかいほわーっとしたさりげない優しさなんです。アピールもせず、そっと足元にいてくれたり、横で寝転んでくれたりする。暗いときに、私の心を優しく照らしてくれる存在です」
これからも夏生家の家族の一員として、お月様のような優しさで包み込んでくれることでしょう。