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獣医師資格取得後、小動物臨床経験6年。主に犬猫の臨床に携わる。現在は子育てをしながら、愛猫と暮らしている。
犬は、本能的に拘束されることを嫌がる動物。そのため、子犬の頃から少しずつ抱っこに慣れさせていくことが大切です。今回は、愛犬を抱っこに慣れさせるメリットや、正しい抱っこの方法とまちがった抱っこの仕方について解説します。
目次
- 抱っこに慣れさせるとどんないいことがあるの?
- フードを与えながら楽しく!正しい抱っこの練習方法
- こんな抱っこはNG!
抱っこに慣れさせるとどんないいことがあるの?
愛犬が抱っこに慣れていると、日頃のお手入れや健康チェックがしやすくなり、たくさんスキンシップをとることで愛犬との信頼関係も深まります。
また、段差や階段の上り下り、共用部分の移動など、日常生活で抱っこが必要となる場面でも役立つでしょう。
抱っこやスキンシップをいつでも問題なく行えるように、順応性の高い子犬の頃から慣れさせていきましょう。
フードを与えながら楽しく!正しい抱っこの練習方法
ここでは、愛犬にフードを与えながら、楽しく抱っこに慣れさせる方法をご紹介します。愛犬にはあらかじめリードと首輪をつけて練習しましょう。
- 飼い主さんはリードを持ち、愛犬の横に膝立ちになります。
- リードを持っていないほうの手にフードを軽く握り、愛犬の鼻先に近づけて気をひきます。
- リードを持っている手を愛犬のおなかの下に入れて、愛犬が飼い主さんの横にぴったりとくっつくように誘導します。
- おなかの下に入れた手で愛犬を抱き上げたら、その状態で握っていたフードを与えます。愛犬が嫌がる前に下ろすようにしましょう。
1日の練習時間は、1日分のフードの六分の一程度を使いきるまでが目安です。愛犬が嫌がらずに抱っこされるようになるまで、繰り返し練習しましょう。
安全に抱っこするためのコツ
愛犬を抱き上げるときは、手を大きく開き、親指と小指は愛犬の体の横に、残りの3本の指は胸とおなかにあてて支えてください。愛犬の体を飼い主さんにぴったり寄せると、より安定し、愛犬も嫌がりにくくなります。
また、ごほうびのフードを与えたあと、その手の親指を上から首輪に差し込んでおくと、愛犬が動いたときに落下させてしまうことを防げますよ。
こんな抱っこはNG!
力いっぱい抱きしめる
力いっぱい抱きしめたり、足をつかんだりするのはNG。愛犬が嫌がって落下してしまう危険性があります。
おなかを上に向けた抱っこ
おなかを上に向けた抱っこは、背骨や腰に負担をかけやすく、バランスも悪いため愛犬が落ちつきません。同じく嫌がって落下してしまうおそれがあるため避けましょう。
縦抱き
愛犬の体が地面に対して垂直になる縦抱きは、背骨に負担をかけてしまいます。愛犬の背中が地面と平行になるように、横抱きをしてください。
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