更新 ( 公開)
獣医師資格取得後、小動物臨床経験6年。主に犬猫の臨床に携わる。現在は子育てをしながら、愛猫と暮らしている。
犬の耳に、いつもと違う耳アカやできもの、赤みが見られる場合は、「外耳炎」や「腫瘍」などの疑いがあります。悪化を防ぐためにも、異常を発見したらすぐ獣医師に相談しましょう。ここでは、注意が必要な耳の症状と考えられる病気を解説します。
目次
- こんな耳アカが出たら要注意!
- 耳にできものや腫れが見られたら?
- 耳の中に赤みや黒ずみが出た場合は?
こんな耳アカが出たら要注意!
犬の耳アカの量や色は、耳の健康状態を確認するための重要な指標です。
刺激臭を伴うベタベタした耳アカが出る場合は、「マラセチア」という真菌が増殖している可能性があります。細菌や真菌の感染から「外耳炎」を併発すると、黒っぽい耳アカが出ることも。
黒っぽくて乾燥している耳アカであれば、「耳ダニ」感染の疑いもあります。
耳の中から分泌液が出る耳垂れを起こしている場合は、重度の「外耳炎」のおそれがあるでしょう。はじめは透明の耳垂れが出ることが多いのですが、進行するとしだいに黄色や粘度の高い耳垂れに変化します。
もし、耳介から耳の奥まで耳全体に茶色の耳アカが見られる場合は、「外耳炎」だけでなく、「中耳炎」を併発しているかもしれません。すぐに動物病院で受診してください。
耳にできものや腫れが見られたら?
皮膚にできる腫瘍全般が、耳にもできる可能性があります。良性のものもあれば、「耳垢腺癌(じこうせんがん)」などのような悪性腫瘍ができることも。
見た目では判断することができないので獣医師に相談しましょう。できものが急に大きくなったり、黒く変色したりするようであれば、特に要注意です。
耳介が腫れている場合は、耳介の皮膚と軟骨の間に血がたまる「耳血腫(じけっしゅ)」という病気かもしれません。こちらは、かゆみから激しく耳をかくことで発症するケースが多いです。
耳の中に赤みや黒ずみが出た場合は?
耳の中に赤みが見られる場合は、「外耳炎」や「アトピー性皮膚炎」のほか、皮膚から皮脂が過剰に分泌される「脂漏症(しろうしょう)」が疑われます。
「アトピー性皮膚炎」などで慢性的なかゆみがあると、犬が耳をかき続けてメラニン色素が沈着し、耳の中が黒ずむことも。いずれも場合も獣医師に相談が必要です。
※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。