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獣医師資格取得後、小動物臨床経験6年。主に犬猫の臨床に携わる。現在は子育てをしながら、愛猫と暮らしている。
人と同じように、犬もアレルギーにかかることがあるので、注意が必要です。今回は、犬に多く見られるアレルギーの種類と、アレルギーにかかったときの治療法などについて解説します。まずは、犬のアレルギー反応が起こるしくみから見ていきましょう。
目次
- 犬のアレルギー反応が起こるしくみ
- 犬に多く見られるアレルギーの種類
- 犬のアレルギーの治療法はある?
犬のアレルギー反応が起こるしくみ
アレルギーとは、異物(アレルゲン)から体を守るために、免疫システムが過剰に反応し、自らの体に有害に働いてしまっている状態です。
このしくみは人も犬も同じで、人のアレルギーとしては、花粉症などが有名でしょう。なお、犬でも花粉に対してアレルギー反応を起こすケースは見られますが、犬のアレルギーの場合くしゃみや鼻水といった呼吸器系の症状ではなく、皮膚炎となってあらわれることが多いです。
犬に多く見られるアレルギーの種類
犬に多く見られるアレルギーの種類は、以下のとおりです。
食物アレルギー
主に食物中に含まれるたんぱく質に対して、アレルギー反応を起こします。主な症状は皮膚の赤み(炎症)や抜け毛など、皮膚表面にあらわれることが多いのが特徴です。ノミアレルギー
寄生したノミが吸血する際、その唾液が体内に入ることによって発症します。症状は皮膚の炎症(ノミアレルギー性皮膚炎)がほとんどです。アトピー性皮膚炎
アトピー体質の犬は、さまざまなものに対しアレルギー反応を起こしやすいのですが、原因としてもっとも多いのがイエダニ(ハウスダスト)のフンだと考えられています。この場合も皮膚炎が主な症状です。接触性アレルギー
プラスチックやゴム、ナイロン、金属に対するアレルギーのことで、フードボウルをなめたり、おもちゃをくわえたりした後、口のまわりにかゆみを伴う炎症を起こすケースが多く見られます。犬のアレルギーの治療法はある?
生活の場からアレルゲンを完全に取り除くことができればよいのですが、ハウスダストなどは完全除去が非常に難しく、犬のアレルギーは完治が難しい病気といえるでしょう。
ただし、室内の掃除をこまめにしたり、犬の生活スペースを常に清潔にする、ノミダニ駆除薬を使ったり、ブラッシングや定期的にシャンプーをしたりなど、できるだけ犬のまわりからアレルゲンを減らしてあげることは大切です。
またアレルギーが疑われる場合に、犬にもアレルギー検査を受けさせることができます。反応のあるアレルゲンが分かればそれを摂取させないようにしたり、できるだけふれさせないようにしたりすることができます。低アレルゲン食やアレルギー用のシャンプーや保湿剤などを症状に応じて使ってみるのもいいでしょう。
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