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獣医師資格取得後、小動物臨床経験6年。主に犬猫の臨床に携わる。現在は子育てをしながら、愛猫と暮らしている。
最近では、馬肉・猪肉などの珍しい肉類や、「狩猟で得た食肉」を意味する「ジビエ」を扱うお店が増えています。これらの食肉は、犬に与えてもいいのでしょうか。「犬に生肉を与えてもいいの?」「与えてもいい肉の種類は?」といった疑問について解説します。
- 記載した分量は、ドライフードを主食としている、およそ5(〜10)kgの健康な成犬を基準とした目安です。
目次
- 犬に生肉を与えてもいいの?
- 犬に鹿肉を与える場合の量と注意点
- 犬に馬肉を与える場合の量と注意点
- 犬に猪肉を与える場合の量と注意点
- 犬に羊肉を与える場合の量と注意点
犬に生肉を与えてもいいの?
犬はもともと、狩猟で得た獲物を生で食していた動物です。そのため、生肉を食べることに関しては、体の構造上問題ないといえます。
しかし、生肉にはサルモネラ菌や大腸菌など、食中毒を引き起こす菌が付着していることがあるため、肉を加熱せずに与えることはおすすめできません。肉類を与える際は、どんな種類でも必ず加熱したうえで、味付けをせずに与えるようにしましょう。
犬に鹿肉を与える場合の量と注意点
紅葉(もみじ)と呼ばれる鹿肉は、犬に「与えてもいい」食材です。
鹿肉は脂肪やコレステロールの値が低いうえ、たんぱく質や鉄分が豊富。犬に適した食肉といわれています。
与える際は加熱して、1日に5~10gまでを目安にしましょう。
犬に馬肉を与える場合の量と注意点
桜肉と呼ばれる馬肉は、犬に「与えてもいい」食材です。
低カロリー・低脂肪・低コレステロールと、3拍子そろった優秀な馬肉。さらにたんぱく質やミネラル、グリコーゲンなども豊富なため、犬にとっても好ましい食材といえます。
与える際は加熱して、1日に5~10g程度までを目安にしましょう。
犬に猪肉を与える場合の量と注意点
ぼたん肉と呼ばれる猪肉は、犬に「与えてもいい」食材です。
野性の猪肉は、低脂肪で高タンパク、さらにミネラル分も豊富です。与える際は加熱して、1日に5~10gまでを目安に。
ただし、飼育されている猪肉は豚肉とほぼ同じような成分のため、犬にとっては脂質が多すぎます。あえて与える必要はありませんが、もし与える場合はごく少量に抑えてください。
犬に羊肉を与える場合の量と注意点
ラム肉と呼ばれる羊肉は、犬に「与えてもいい」食材です。
カルシウムや鉄分、ビタミンB1が豊富なので、人ではイライラやストレスの解消に効果が期待できるとされています。カロリーも低いため、犬に与えても問題ありません。
ほかの肉類同様、与える際は加熱して1日5~10g程度までを目安にしてください。
※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。