トイプードルの「なっとう」、柴犬の「ねぎ」、チワワの「こんぶ」、元野犬の「カイダーオ」「みそ」と暮らす。収入のほとんどをわんちゃんに貢いでいる。

「ちょっと目を離したすきに、犬がキャットフードを食べてしまった」
「猫が残したキャットフードを犬にあげたい」
多頭飼いの家庭では、どちらも起こりうる場面です。では犬がキャットフードを口にした場合、体にどんな影響があり、どう対応すればよいのでしょうか。
「実は健康な成犬がキャットフードを少量食べてしまっても、直ちに問題はありません。しかし、だからといって『ふだんから犬にあげていい』とは言えないんです」
そう話すのは、モノカどうぶつ病院院長の小林清佳先生です。
本記事では、犬がキャットフードを食べてしまったときの対応と受診の目安、そして「推奨できない」とされる理由について解説します。
目次
- なぜ犬にキャットフードはNGなのか
- 嗜好性の高いキャットフードに犬が慣れることの問題とは
- 犬が猫用の療法食やサプリメントを食べた場合は要注意
- 犬がキャットフードを少量を食べてしまった場合の対応方法
- 犬にキャットフードを日常的に与えていた場合の対応方法
- 犬が猫のごはんを食べない環境づくりを
- 「いま大丈夫」でも、「続けていい」ではありません
なぜ犬にキャットフードはNGなのか

「そもそもキャットフードは、完全肉食動物である猫に向けて設計されています。一方で犬は肉食に近い雑食とされているため、必要な栄養素の前提が異なります。
また猫は、炭水化物から効率よくエネルギーを得る能力があまり発達しておらず、脂質やタンパク質を主なエネルギー源として利用する体のつくりをしています。
そのため市販のキャットフードは、炭水化物を控えめにし、脂質やタンパク質でカロリーを確保する設計になりやすいんです」
嗜好性の高いキャットフードに犬が慣れることの問題とは

また別の問題もあるといいます。
「キャットフードは、食の好き嫌いの激しい傾向にある猫が好むように、香りや風味など嗜好性が高くなる工夫がされています。そのため、キャットフードを食べ続けることで、ドッグフードを食べなくなってしまう犬も少なくありません。
その結果、治療のために療法食へ切り替えたいときに、フードが替えられず困るケースも考えられます」
犬が猫用の療法食やサプリメントを食べた場合は要注意

「犬が誤食したキャットフードが療法食だったり、サプリメントが含まれていたりする場合にも注意が必要です。これらは、目的に合わせて成分が調整されていることがあり、犬にとっては負担になったり、体質や持病によって影響が出たりする可能性があります」
こうした点を踏まえたうえで、実際に犬がキャットフードを食べてしまった場合の対応を見ていきましょう。
犬がキャットフードを少量を食べてしまった場合の対応方法

「犬がキャットフードを食べてしまった場合、まず大切なのは体調変化があるかどうかを見極めることです。元気や食欲が普段どおりで、嘔吐や下痢などの症状が見られない場合は、かかりつけ医に電話で相談し、数日様子を見ても良いか判断を仰ぎましょう」
一方で、キャットフードを日常的に与えている場合は、対応方法が変わります。
犬にキャットフードを日常的に与えていた場合の対応方法

「『実は知らずに愛犬にしばらくキャットフードを与えていました』という飼い主さんは意外と多いんです。しかし今は問題なくても、気づかないうちに体重が増えたり、消化器に負担がかかったりする可能性も充分にあります」
もし、これまでキャットフードを主食として与えていた場合は、なるべく控えるようにしましょう。
「これを機に体重や便の状態、食後の様子をあらためて確認し、気になる点があれば一度動物病院で相談しておくと安心です。特に、シニア期に入っている犬や、肝臓や膵臓に不安がある犬では、早めにチェックしておくことで、今後の食事管理の指針が立てやすくなります」
犬が猫のごはんを食べない環境づくりを

犬がキャットフードを食べてしまうのには、大きく分けて2つのパターンがあります。
ひとつは、ほんの一瞬のすきに犬が口にしてしまう「うっかり」のケース。もうひとつは、猫の食べ残しを「もったいないから」と飼い主が犬に与えてしまうケースです。

「多頭飼いでは、猫が食べ残したものを犬が盗み食いするケースもあるでしょう。防ぐには、食べる場所を分けることが一番です。理想は、犬と猫で食事をする部屋を分ける方法ですね。難しい場合でも、猫の食事場所を犬が物理的に届かない高さに移すだけで、誤食のリスクは大きく下がります」
また、「もったいないから犬にあげてしまう」という習慣がある場合は、そもそも猫に食べ残しを出させない工夫も有効だといいます。
「最初はフードを少なめに盛り付けて、足りなければ追加する。食べ残している場合は、置きっぱなしにせずに片付ける。特にウェットフードは傷みやすいため、食べきれる量を出すことが基本です。ぜひ意識してみてください」
「いま大丈夫」でも、「続けていい」ではありません

健康な犬がキャットフードを少量食べてしまったとしても、必要以上に慌てる必要はありません。ただし、それを習慣にしないことが大切です。いつまでも愛犬には健康でいてほしい。そのためにも、この記事をきっかけに愛犬の食生活を見直してみませんか?















