あおば動物クリニック所属

※商品などの紹介は、本記事の獣医師の監修外であり、編集部による情報提供です。
子犬は新しい環境や遊びの刺激で、噛んだり吠えたり、走り回ったりと興奮しやすい時期があります。これは成長過程の自然な行動ですが、ケガにつながったり、放っておくと甘噛みが強くなったり、落ち着きにくくなったりすることもあります。
この記事では、子犬が興奮する理由や成長に伴う変化、落ち着きを促すための関わり方、安心できる環境づくりについて、獣医師の牧村さゆり先生監修のもと解説していきます。
目次
- 子犬が興奮するのはなぜ?
- 子犬の興奮を放置しても大丈夫?
- 子犬が興奮したときの適切な対処法
- 子犬の興奮を落ち着かせるしつけ(トレーニング)と環境づくり
- 子犬の興奮行動が続くときの注意点と動物病院の相談目安
- 子犬の落ち着きをサポートするカインズのグッズを紹介
- まとめ
子犬が興奮するのはなぜ?

子犬が興奮するのは心身がまだ成長過程にあるため、さまざまな刺激への反応をうまくコントロールできないからです。まずは、その背景にある原因や行動の特徴を理解し、安心できる環境づくりにつなげていきましょう。
子犬が興奮する4つの原因
子犬が興奮する主な原因は大きく4つに分けられます。
1.喜びや期待感…飼い主が帰宅したときや、ご飯やおやつ、散歩、おもちゃ遊びなどうれしい出来事を前にして感情が高まり、尻尾を振ったりジャンプしたり走り回ったりすることがあります。これはポジティブな興奮ですが、過剰になると甘噛みや吠えにつながることもあります。
2.恐怖や警戒心…インターホンの音や雷などの大きな音、あるいは苦手な動物病院や知らない人、他の犬への不安や恐怖が原因で興奮状態に陥る場合もあります。
3.ストレス発散…長時間の留守番や運動不足によるストレスなどが突発的な興奮行動として発散されることがあります。
4.生活リズムの乱れ…子犬は1日に16~20時間ほどの睡眠が必要とされており、十分に睡眠がとれない場合も過剰に興奮しやすくなります。逆に、遊びすぎて疲れすぎたときも自制が効かずハイテンションになることがあります。
子犬の興奮には多面的な要素が関わっていると理解しておくことが大切です。
子犬が興奮状態のときに見られる行動パターン
興奮した子犬には、いくつかの特徴的な行動が見られます。それぞれの行動にはリスクも伴うため、状況を理解して落ち着ける環境を整えることが大切です。
・飛びつく…うれしさや遊びたい気持ちの表れですが、人にケガをさせたり、犬自身の関節に負担がかかったりすることがあります。
・吠え続ける…警戒や要求からくる行動で、近隣トラブルやストレス増加につながるおそれがあります。
・走り回る…エネルギー発散の一環ですが、家具や人にぶつかってケガをすることがあります。
・ジャンプを繰り返す…テンションの高まりを示す行動で、滑る床では転倒の危険があります。
・甘噛みをする…遊びの延長で見られることも多い行動ですが、力が強くなると人にケガをさせる場合があります。
行動そのものを叱るよりも、まずは落ち着ける環境を整えることが大切です。どんなときに興奮が高まりやすいのかを観察し、原因ごとに対応していくことが、子犬の安心と健やかな成長につながります。
子犬の興奮を放置しても大丈夫?

子犬が興奮して走り回ったり吠えたりしたとき、「構わない方がいいのか」「注意すべきか」と悩む飼い主も多いのではないでしょうか。ここでは、構わず見守ってよいケースと、対応が必要なケースについて解説します。
構わず見守ってよいケースと対応が必要なケース
【構わず見守ってよいケース】…子犬が夕方や散歩のあとなどに急に走り回るのは、体にたまったエネルギーを発散しているだけのことで、多くの子犬に見られる自然な行動です。成長過程で自然に落ち着いていくでしょう。短時間のはしゃぎであれば、見守るだけで問題ない場合がほとんどです。
【対応が必要なケース】…噛んだり吠えたりする行動がエスカレートし、物を壊す、人や犬に対して攻撃的に見える場合は注意が必要です。呼びかけても興奮が収まらないようなら、環境面や関わり方を見直すタイミングです。
「子犬が暴れ回るのはいつまで?」「いつまでこの状態が続くの?」と不安に思うかもしれませんが、月齢ごとに落ち着きがでてくるとされています。もちろん個体差がありますが、一般的には1歳前後から2歳頃にかけて収まることが多いといわれています。
誤解しやすいポイント
興奮した子犬に対して、つい声をかけたり触ったりして落ち着かせようとする対応をしがちです。しかし、それがかえって刺激になり、興奮を長引かせることがあります。
効果的な方法として、「無視する」対応が推奨されています。「声をかけない」「触らない」に加えて「見ない」ことも重要です。飼い主が視線を向けず、関心を示さないことで、「この行動をしても構ってもらえない」と学習し、徐々に落ち着きを取り戻していきます。
状況によっては、一旦ケージなどの落ち着ける場所に入れて構わず、興奮が落ち着いてから声をかけて外に出すといった対処が有効な場合もあります。また、家族がいる場合は、全員が同じ対応をとることが大切です。
ただし、恐怖や体調不良が原因の場合は無視が逆効果になることもあるため、原因を見極めた上での対応が大切です。
子犬が興奮したときの適切な対処法
子犬が興奮したときは、行動の背景を理解した上で、落ち着きを促す工夫を行うことが大切です。ここでは、よくある行動ごとの対応と、環境づくりのポイントを紹介します。
噛む・吠える・跳びつきなど行動ごとの対応方法
子犬が興奮したときは叱るのではなく、飼い主側の対応を工夫することで改善を促しましょう。行動ごとの対応ポイントを見ていきましょう。
【甘噛み】…乳歯が生え替わる時期は、口を使って確認する行動が増えます。噛まれた際は大げさに反応せず、落ち着いた声で「痛いよ」と伝え、すぐに噛んでよいおもちゃに切り替えましょう。手や服を使った遊びは避けると、噛み癖の予防にもなります。成犬になると力が強くなり、本気で咬む癖につながるため、甘噛みは子犬のうちに止めさせるよう促すことが大切です。
【吠える】…来客や物音に反応して吠えるのは、警戒心や好奇心が原因です。大声で叱ると、犬は「一緒に吠えてくれている」と勘違いしやすいため逆効果です。静かになった瞬間を逃さず褒める、もしくはおやつで注意を別のものに向けましょう。
【跳びつき】…「遊んでほしい」「うれしい」という気持ちの表れですが、飛びつくたびに反応すると行動が強化されます。無視して背を向け、落ち着いたタイミングで優しく声をかけるようにすると、「落ち着けば遊んでもらえる」と理解しやすくなります。
環境や遊び道具を活用したクールダウン
子犬の興奮を防ぐには、事前に「興奮しにくい環境」を整えることがポイントです。遊び方や生活リズムを見直すだけでも、行動が落ち着きやすくなります。
【興奮させるシーンをつくらない】…遊びや来客時にテンションを上げすぎないよう注意します。短時間で遊びを区切り、遊び終わりには穏やかなトーンで声をかけて落ち着きを促しましょう。
【環境づくり】…静かで安心できる場所(クレートやケージ、ベッドなど)を用意し、子犬が自分から休める環境をつくることが大切です。
【遊び道具の活用】…噛むおもちゃや知育トイを与えると、興奮の矛先が自然にそちらへ向かい、クールダウンにつながります。
【生活リズム】…子犬には1日16〜20時間の睡眠が必要です。遊びと休憩のメリハリを意識し、十分な睡眠を確保することで、興奮が長引きにくくなります。
子犬の興奮を落ち着かせるしつけ(トレーニング)と環境づくり

子犬の興奮を抑えるには、その場の対応だけでなく、日頃の関わり方が大切です。ここでは、生活の中でできるトレーニングと、落ち着ける環境づくりの工夫を紹介します。
基本のトレーニング(オスワリ・マテ)
「オスワリ」や「マテ」は、子犬が気持ちを落ち着けるための大切な基本動作です。興奮しているときではなく、比較的穏やかな状態のときに練習を始めましょう。できたらおやつや優しい声かけで褒め、成功体験を積み重ねることがポイントです。
こうした練習を通じて、子犬は「落ち着くといいことがある」と学び、興奮から気持ちを切り替えられるようになります。無理に抑えつけるのではなく、子犬自身が自発的に落ち着く力を育てていくことが理想です。毎日の生活の中でこまめに取り入れることで、興奮しにくい土台をつくることにつながります。
遊びの中で噛みをコントロールする練習(引っ張りっこ)
ロープなどを使った「引っ張りっこ遊び」は、「引っ張りっこ遊び」を通じて噛み癖や甘噛みを予防・改善することを目的としたトレーニングで、「カムアットトレーニング」とも呼ばれます。
遊びの中で、人の手や体を噛むと遊びが中断されることを学び、人を噛まない行動を身につけていくための練習方法です。
遊ぶ前に「オスワリ」や「伏せ」の合図を出し、従ったらロープなど長さのあるおもちゃで引っ張りっこ遊びを始めます。
もし、遊びの最中に子犬の口が飼い主の手に当たったり噛んだりした場合は、「あっ」と短く声を出して動きを止め、遊びを一度中断します。その際、おもちゃを持って部屋を出ます。遊びを中断する時間は30秒ほどですぐに戻って再開しますが、子犬が噛めばまた遊びを中断します。
これを繰り返すことで、「人を噛むと遊びが終わる」と理解し、噛む力を加減できるようになります。遊びを通じて、楽しく落ち着きを学べるトレーニングとして日常に取り入れましょう。
生活リズムを整える工夫(睡眠・運動・遊びの区切り)
興奮を抑えるためには、日々の生活リズムを整えることも大切です。子犬はまだ体力がなく、集中力のコントロールが難しいため、遊びや散歩の時間を月齢や体格に合わせて調整しましょう。散歩は1日2回、合計30分〜1時間程度を目安にし、室内遊びも10〜15分程度で区切ると落ち着きやすくなります。
子犬の興奮行動が続くときの注意点と動物病院の相談目安
子犬の興奮は成長とともに落ち着くことが多いのですが、長く続く場合は何らかのサインであることもあります。ここでは、注意すべき体調や心理的要因と、専門家に相談する目安を紹介します。
体調や不安が原因のこともある
痛みや不快感があるなど体調面が影響して、落ち着けずに興奮状態が長引くことがあります。慢性的な下痢や嘔吐などの不調もストレスを高める原因となりやすいため注意が必要です。
また、分離不安が強い子犬は、飼い主が不在のときに過剰に吠えたり暴れたりするなど精神的な不安が影響するケースもあります。その他、引っ越しや新しい家族の加入など環境の変化も子犬の興奮行動の要因になり得ます。
子犬が興奮しているときは、「どんな場面で興奮が起こるか」「食欲や排泄、睡眠リズムに乱れがないか」をよく観察し、記録しましょう。行動日誌をつけることで、原因を把握しやすくなります。
動物病院やドッグトレーナーへの相談の目安
次のようなサインが見られる場合は、専門家への相談を検討しましょう。
・呼びかけても興奮が収まらず、生活に支障をきたしている
・噛んだり吠えたりする行動が強まり、人や物に危険を及ぼす恐れがある
・落ち着けない時間が長く、睡眠不足や体調不良が見られる
・飼い主自身の体調や心身に負担がかかっている
相談先としては、まずは動物病院で体調面の問題がないかを確認することが先決です。異常がなければドッグトレーナーや動物行動学の専門家に相談しましょう。専門家に見てもらうことで、子犬の行動の原因を客観的に分析してもらえ、飼い主と子犬の双方に負担の少ない具体的な対応方法を提案してもらえます。
子犬の落ち着きをサポートするカインズのグッズを紹介
日々の関わりの中で子犬が興奮しやすいと感じたら、遊びやリラックスの時間を上手に助けてくれるグッズがあると助かります。カインズのオンラインショップには、子犬が安心して遊べるおもちゃや遊び道具、クールダウンにぴったりのアイテムが豊富にそろっています。
※売り切れや取り扱い終了の場合はご容赦ください。
※店舗により取り扱いが異なる場合がございます。
※一部商品は、店舗により価格が異なる場合がございます。
※商品などの紹介は、本記事の獣医師の監修外であり、編集部による情報提供です。
まとめ
子犬が興奮して噛む、吠える、走り回るのは成長過程でよく見られる自然な行動です。多くは月齢とともに落ち着いていきますが、環境や関わり方によっては興奮が長引くこともあります。行動がなかなか改善しない、過剰に続くといった場合は、体調や不安が隠れている可能性もあるため、早めに獣医師や専門家に相談しましょう。
子犬は日々の生活の中で、十分な休息・遊び・トレーニングのバランスをとることが大切です。子犬が興奮状態にあるときは無理に抑え込まず、落ち着ける環境を整えることで、子犬は安心して学び、心も体も健やかに成長していきます。









