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獣医師資格取得後、小動物臨床経験6年。主に犬猫の臨床に携わる。現在は子育てをしながら、愛猫と暮らしている。
老犬になるとさまざまな感覚機能が衰えるため、これまでと違った接し方が必要となるケースも少なくありません。そこで今回は、老犬とふれあうときのポイントについて解説。後ろ足など、知っておきたい下半身の老化予防法もご紹介します。
目次
- 老犬をさわるときはまず「声かけ」をしよう!
- 老犬をさわるときはゆっくり横から
- 後ろ足などをさわって下半身の老化対策もしよう!
老犬をさわるときはまず「声かけ」をしよう!
老犬になると、視野が狭くなるほか、耳が聞こえにくくなったり、鼻がきかなくなったりといった変化がおきます。そのため、若いころと同じようにさわってしまうと、犬は「何かが迫ってきた」と恐怖を感じ、本能的に吠えたり噛んだりしてしまうかもしれません。
そこで、老犬をさわるときは、その前に一声かける習慣をつけることが大切です。そうすることで、犬はさわる人が誰なのかを認識でき、恐怖を感じにくくなります。
声をかけても反応が薄いなど、耳が聞こえにくくなっている犬の場合は、おやつの袋の音を鳴らしたり、お皿にごはんを入れてカラカラと音を鳴らしたりするなど、違う音で注意をひきつけてみてください。
犬は自分の好きな音をよく覚えているので、すぐに音のする方を見るはずです。
老犬をさわるときはゆっくり横から
犬をさわる前に一声かけたら、ゆっくりと近づいて体の横からさわってあげることも大切です。真正面からさわられると、犬は頭に何かが覆いかぶさってきたと感じてしまうので、ふだんから横からさわるよう意識してみてください。
なお、家族で犬を飼っている場合は、「声をかける・ゆっくりと近づく・横からさわる」という一連の流れを全員でシェアし、誰がさわっても愛犬が落ち着いていられる環境をつくってあげましょう。
後ろ足などをさわって下半身の老化対策もしよう!
個体差はありますが、犬は目・耳・鼻の順に衰えるケースが多く、その次に「下半身」が老化の影響を受けやすいといわれています。
そのため、後ろ足やしっぽなど、愛犬の下半身を意識的にさわって、忘れかけていた感覚を呼び起こしてあげることが重要です。
後ろ足は輪郭に沿って爪や指先までまんべんなくさわり、しっぽは先まで丁寧にさわってあげましょう。
ただし、嫌がるようであれば、無理にさわるのはNG。痛がっていたり、違和感があったりする場合は、動物病院に一度相談するようにしてくださいね。
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