更新 ( 公開)
獣医師資格取得後、小動物臨床経験6年。主に犬猫の臨床に携わる。現在は子育てをしながら、愛猫と暮らしている。
クッションやスリッパをかじったり、ゴミ箱をひっくり返してしまったりするのは、犬によく見られるいたずらです。しかし、このようないたずらでうっかり異物を飲み込んでしまう危険も……。家の中で起こりやすい誤飲・誤食のリスクや対策をご紹介します。
目次
- 家の中で気をつけたい異物
- 誤飲・誤食を防ぐ対策
- もしものために「交換」を教えよう
家の中で気をつけたい異物
人の食べ物
まず気をつけたいのが、「人の食べ物」。犬にとっては有害な食べ物があることはもちろん、鶏の骨やエビ・カニの殻なども、誤って食べると口の中や消化器官を傷つけるおそれがあります。
子どものおもちゃやぬいぐるみなど
また、ボールや子どものおもちゃなどにも要注意。ほどよい大きさと噛み心地のスーパーボールなどを誤食してしまう犬は意外と多いのです。また、クッションやぬいぐるみをかじって遊ぶ犬は、出てきた綿を飲み込んでしまうかもしれません。
使用済みのカイロやティッシュ
意外なところでは、使い切りカイロや使用済みのティッシュなども誤飲・誤食しやすい異物。どちらも飼い主さんのニオイがついているので、愛犬にとってはものすごく魅力的なアイテムなのです。
誤飲や誤食は、口の中を傷つけたり、消化器官の不調や腸閉塞などの深刻な事態を招いたりする危険があります。犬が何かをかじっているときは、「いたずらだから」と見逃さず、十分に注意したいものです。
誤飲・誤食を防ぐ対策
食べ物のニオイに興味をもつのは犬の習性ですので、まずはゴミ箱に近づかせないよう工夫することが大切です。ゴミ箱は犬の届かない高い位置に置く、フタ付きのものを使用する、ゴミ箱の前に柵を設けるなど工夫しましょう。
アクセサリーや薬など犬が興味をもちそうなものは、テーブルの上などに置きっぱなしにせず、ふだんから引き出しなどに入れて管理を。さらに、来客中はハウスに入れる習慣をつけておくと、食べこぼしの拾い食いや、お客さんがうっかり「食べ物をあげてしまう」トラブルを防げます。
もしものために「交換」を教えよう
犬が口に入れているものを無理やり取ると、犬も必死で抵抗しようとするため、飲み込んでしまうおそれがあるほか、攻撃性を引き出すことにもつながりかねません。
そのため、もしもに備えて、ふだんから「アウト」「交換」を教えておくことはとても大切です。
愛犬がおもちゃで遊んでいるときにおやつのニオイをかがせ、おもちゃとおやつを交換できるようにしつけておきましょう。
愛犬が口にしてしまいそうなものはできる限り片づけておくことが前提ですが、万が一拾い食いしそうになったときも、おやつと交換すれば未然に防げます。
※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。