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獣医師資格取得後、小動物臨床経験6年。主に犬猫の臨床に携わる。現在は子育てをしながら、愛猫と暮らしている。
健康診断は、愛犬の健康維持のために、子犬期から老犬期まで大切にしたい習慣です。健康診断が必要な理由から、受ける方法や頻度、かかる費用まで、あらためて確認してみましょう。さらに、4つの基本検査の内容と、前もって準備しておきたいことも解説します。
目次
- 健康診断が大切なのはなぜ?
- 健康診断を受ける場所・頻度・費用は?
- どんなことをするの?健康診断の検査内容
- 健康診断を受ける前に!日頃から準備できること
健康診断が大切なのはなぜ?
健康診断を受ける最大のメリットは、病気を早期に発見できることです。犬は人と違い、症状を自分で訴えることができません。また、元気そうに見えていても、目に見えないところで症状が進んでいく病気もあります。健康診断で早期に病気を発見できれば、スムーズに治療へ移行できる可能性が高まるでしょう。
また健康診断には、現在の健康状態を把握できるという利点も。定期的に健康診断を受けることで、過去のデータとの比較ができ、わずかな異変や病気の兆候にも気づきやすくなるのです。さらに、日々の食事やお世話などについても相談できるので、獣医師との信頼関係アップにもつながります。
健康診断を受ける場所・頻度・費用は?
健康診断はどこでどうやって受ける?
健康診断は、多くの動物病院で実施しています。病院によって検査内容が違い、絶食・絶水させたほうがいい場合、尿便の持参が必要な場合、排せつを我慢させたほうがいい場合と、条件はさまざまです。事前に病院に予約・確認し、指示に従いましょう。
都道府県や市町村での健診はありませんが、自治体によって身体障害者補助犬の定期健診費用等の医療費助成を実施しているところはあるようです。
健康診断を受ける頻度は?
犬が年をとるスピードは人よりも早く、生まれてから1年半で人間の20年分、その後は1年ごとに人間の4年分年をとるといわれています。そのため、1歳頃からできれば年に2回以上、少なくとも毎年1回受診するのがおすすめです。
健康診断にかかる費用は?
健康診断の料金設定は病院によって異なり、数千円~数万円程度と幅があります。身体検査や血液検査などの基本的な検査項目であれば数千円程度、これにレントゲン検査や超音波検査・CT検査などのオプションを加えると数万円かかることが多いでしょう。
ペット保険は適用できる?
一般的なペット保険の補償範囲は、加入後に見つかった病気やケガのための通院・入院・手術。健康な状態で受診する健康診断の費用は補償されません。
どんなことをするの?健康診断の検査内容
では実際に、健康診断ではどのような検査をするのでしょうか?ここでは、多くの病院で実施されている、基本的な4つの検査をご紹介します。
身体検査
身体検査では、おもに問診・聴診・視診・触診がおこなわれます。
問診では、飼い主さんから愛犬のふだんの様子を聞いて異常がないかを、聴診では心臓や肺の音を、視診では皮膚や口の中・粘膜の色などを、触診では体全体を触って腫れやできものなどがないかをチェックします。
便検査
便検査では、愛犬の便をもとにさまざまな検査を行います。血液や寄生虫が混ざっていないか、下痢をしていないか、消化状態は正常かなど、便1つでもさまざまなことがわかります。
尿検査
尿の比重を確認し、試験紙でタンパク質、pH値、潜血などの項目をチェックする検査と、遠心分離機にかけた尿の沈渣物を調べる検査がおこなわれ、異常がないかをチェックします。腎臓や肝臓など、臓器のさまざまな病気を発見するきっかけになる、重要な検査です。
血液検査
血液検査には、貧血や炎症などがないかを調べる血球検査と、肝臓や腎臓など臓器の機能、脂質の状態や血糖値などをチェックする血液生化学検査があります。
検査値をそれぞれの項目の基準値と比較することで、体のどこかの臓器の異常や、なんらかの疾患が見つかることも。場合によっては、より詳しい検査をする必要があると判断されます。
健康診断を受ける前に!日頃から準備できること
ささいなことでもメモしておく
犬の健康診断では、日頃の食事や様子などについて獣医師に正確に伝えたり、検査内容について判断したりする必要があります。そのため、日頃から一番お世話をしている人が連れて行くのがおすすめです。
ささいなことでもメモしておき、問診時に伝えられるようにしましょう。
クレートに慣れさせておく
愛犬が病院を嫌がる場合は、連れていくクレートに慣れさせるのもひとつの手。クレートに入ると楽しいことがあるということを日頃から教えておくと、苦手な病院でも安心して過ごせるかもしれません。
※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。