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獣医師資格取得後、小動物臨床経験6年。主に犬猫の臨床に携わる。現在は子育てをしながら、愛猫と暮らしている。
犬のしつけに欠かせない「待て」ですが、じつはまちがった使われ方もたくさんあるようです。「待て」をまちがって使っていると、犬にとってストレスになったり、犬が早食いになったりといったデメリットもあります。今回は、「待て」のNG例を5つご紹介します。
目次
- 大きな声で「待て」という
- 食事前のおあずけで長く「待て」をさせる
- まだ覚えていないうちから「待て」を指示する
- 目の前にフードを置いて「待て」を教える
- ストップの意味で「待て」を使う
大きな声で「待て」という
大きな声で脅すかのように「待て!」というと、犬に恐怖を与えてしまい、余計にできなくなることもあります。
犬が覚えられないと大声で指示をしがちですが、かといって大きな声ならば伝わるというものでもありません。「待て」の合図はやさしく落ち着いた声で出しましょう。
食事前のおあずけで長く「待て」をさせる
食事前に長い時間「待て」をさせるのは、じつはNG。長く待たせることで愛犬が早食いになりやすく、デメリットのほうが多いためです。
食事をおあずけさせる「待て」は、使わない方が賢明。詳しくは以下の記事も参考にしてください。
まだ覚えていないうちから「待て」を指示する
愛犬にまだ「待て」を教えていないうちから、「待て」を指示するのもよくないでしょう。
意味がわからないうちから「待て」を連発されると、愛犬は混乱してストレスを感じやすくなります。それによってしつけが失敗しやすくなるおそれも。
「待て」と指示を出すのは、本来はしつけの練習の中盤からです。
目の前にフードを置いて「待て」を教える
愛犬に「待て」を覚えさせるとき、目の前にフードを置いてトレーニングするのもNG。この方法では、「待て」という指示が、ただ「食べてはダメ」というマイナスなイメージの言葉になってしまいかねません。
フードは飼い主さんが持ち、「おすわり」か「ふせ」をさせてから「待て」と言い、最初は短時間動かずに入れたら「おりこう」とほめてフードをあげます。少しずつ「待て」の時間を伸ばしていきましょう。
ストップの意味で「待て」を使う
「待て」はその場で犬を待たせるしつけ。犬を吠えやませたり、興奮を止めたりするのに「待て」を使うのは不向きです。
吠えや動きを止めたいときには、「ストップ」という別のしつけを教える必要があります。「待て」と「ストップ」を混同せず、「待て」はその場で待たせたいときに使いましょう。
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