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獣医師資格取得後、小動物臨床経験6年。主に犬猫の臨床に携わる。現在は子育てをしながら、愛猫と暮らしている。
お手入れを苦手とする犬は少なくありませんが、子犬がお手入れを嫌がって甘噛みをするのには理由があります。飼い主さんがその理由をきちんと知っておくことで、状況に応じた的確なしつけを行うことができますので、犬がお手入れ嫌いになってしまう前に正しく理解しておきましょう。また、焦らずゆっくり慣れさせていく心構えも必要ですので、今回は具体的な対処法についてもご紹介します。
目次
- 子犬がお手入れを嫌がる理由
- 嫌がって甘噛みをするときの特徴
- お手入れを嫌がらなくするしつけ方
- 甘噛みされたときの対処法
子犬がお手入れを嫌がる理由
子犬がブラッシングや足拭きなどを嫌がるのは、まだ慣れていないからかもしれません。経験したことのないお手入れに対して、「怖いことかもしれない」という不安を感じた結果、嫌なものを追い払って逃げたい気持ちになるのでしょう。
嫌がって甘噛みをするときの特徴
噛む前に一瞬動きを止め、噛む場所を見てから噛んでいたら、怖がっている可能性が。遊びで噛んでいる場合とは違い、その場合は噛む前に嫌がるしぐさや表情をすることがありますので、よく観察して見極めるようにしましょう。
お手入れを嫌がらなくするしつけ方
いきなりお手入れを始めると刺激が強すぎるので、おやつを与えて、犬を楽しい気分にさせてから始めましょう。
ステップ1:おやつを与えて犬をリラックスさせる
しばらく手から犬におやつを与え続けます。犬が体の力を抜き、リラックスしている様子がみられたら、お手入れ開始の合図です。
ステップ2:おやつを与えながらお手入れする
おやつを差し出すと同時に、ブラッシングや足拭きなどのお手入れを開始します。犬はおやつに気を取られているので、不安も抱きにくいでしょう。
ステップ3:おやつをご褒美に替えていく
おやつを食べながらお手入れすることに慣れたら、次はおやつを与えずにブラシや爪切りなどを子犬に短時間あててみます。噛んだり嫌がったりしなければすかさずご褒美をあげましょう。これを繰り返し少しずつお手入れの時間をのばしていきましょう。
甘噛みされたときの対処法
甘噛みは犬が発するサインなので、無理やりお手入れを進めるようなことはやめましょう。まちがっても、たたいたり、しかったり、マズルを強くつかんだりしてはいけません。また、噛むことでお手入れが中断されたと犬が学習してしまうため、お手入れが苦手な犬はますます噛むようになってしまいます。
子犬のペースに合わせて、嫌がって甘噛みしてくる前にお手入れをストップしてご褒美をあげるようにしましょう。お手入れが苦手な子犬の場合はゆっくり慣らしていくか、無理せずに動物病院やトリマーなどに相談しても良いでしょう。
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