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「物を持ってくる」のは、本来わんちゃんに生まれつき備わっている能力です。しかし、子犬の頃にはその能力があっても何もしないでいると、成犬になったときにその能力が失われてしまうこともあります。そのため、まだ子犬のうちからこの遊びをしていくとよいでしょう。
この遊びでは、オーナーが物を投げてそれを取りに行かせたり、元ある場所から物を持ってくるよう指示したりするのがメインになります。最初のうちはお気に入りのオモチャを使うのがポイントです。ワクワクしながら大好きな物を取りに行き、オーナーの元に戻ってくることで、人との関わりへのモチベーションを高めることができます。
それだけでなく、わんちゃんの物に対する所有欲や執着心を抑制できる他、体を動かすことで運動不足の解消につながったり、ストレスを発散できたりするでしょう。この遊びを通じて、わんちゃんの自然な行動や本能をたくさん引き出してあげてください。
目次
- STEP1 オモチャを「持ってきて」
- STEP2 指さしでの指示にトライ
- STEP3 複数の中からチョイスする
- 「持ってきて」でわんちゃん本来の能力を引き出そう
STEP1 オモチャを「持ってきて」
①お気に入りのオモチャを投げる
わんちゃんのお気に入りのオモチャを選んで、「持ってきて」と言いながら投げます。最初のうちはあまり遠くに投げず、1~2mの距離でOKです。
②取りに行ったら励ましてあげる
投げたオモチャをわんちゃんが取りに行ったら、「よ~し!」などと励ましてあげます。もしも、オモチャで遊び始めて戻ってこないときには、わんちゃんのそばに行って声かけをするか、わざと後ろに下がって誘うとよいでしょう。
③「ちょうだい」「出して」の合図を出す
わんちゃんがオーナーの元に戻ってきたら「ちょうだい」「出して」と言いながら合図を出してください。わんちゃんからオモチャを受け取ることができたら、チャレンジ成功です。一度チャレンジに成功したら、すかさずもう一度トライしてみてください。オモチャを放したらまた遊んでもらえるとわんちゃんに思わせることが大切です。
POINT オモチャを無理やり取り上げるのはNG
わんちゃんがオモチャを口から放さないときも、無理やり取り上げてしまうのはNGです。所有欲が強いわんちゃんにとっては逆効果になってしまいます。話しかけながら、時間をかけて放すよう誘導していってください。それでもわんちゃんがオモチャを放さないときには、別の物やおやつと引き換えるのがベターです。
STEP2 指さしでの指示にトライ
①指さしながら「持ってきて」と声かけをする
わんちゃんから1~2m離れた場所に好きなオモチャを1つ置き、指を差しながら「持ってきて」と声をかけます。難しそうなときはすぐ近くにオモチャを置いて、静止している状態で物をくわえる練習からスタートしてください。楽しそうな口調で「持って」と言い、鼻や前足などで少しでもオモチャに触れたら褒めてあげることを繰り返します。
②徐々に距離を伸ばす
離れた場所にある物を取りに行けるようになったら、距離を少しずつ伸ばしていってください。慣れてきたら、新聞などを取らせてみて。お手伝い犬になれるかもしれません!
POINT 「持ってきて」はお片付けの練習にもなる
オモチャを持って戻ってきた際に、箱などに放させるとお片付けにもなります。最初は箱におやつを1粒入れておき、「ボックス」などと指示してあげてみてください。
STEP3 複数の中からチョイスする
①離れた場所に2つのオモチャを置く
わんちゃんから少し離れた場所に、違う2つの違う物を置きます。わんちゃんの混乱を防ぐために、ボールとぬいぐるみなど、外見がまったく異なるものをチョイスするのがポイントです。
②1つを「持ってきて」と指示してみよう
2つ置いた中から、「ボールを持ってきて」などと声をかけます。このとき、対象物を指さしながら指示を出してあげてください。間違ったほうを選びそうになったら手などではばみ、正しいオモチャを選ぶよう誘導してあげます。
③選択肢を増やしてトライ
2択での選択率が上がったら、最初に置いておくオモチャの個数を3つに増やしてみてください。わんちゃんと対象物までの距離も少しずつ長くしていき、レベルアップしていきます。
④マッチ・トゥー・サンプルに挑戦
ここまでできるようになったら、さらにハイレベルな「マッチ・トゥー・サンプル」にチャレンジ。持ってきてほしい物を声には出さず、わんちゃんに同じ物(サンプル)を見せて取りに行かせます。もしもわんちゃんが迷っているようであれば、声でヒントを出してあげてください。
「持ってきて」でわんちゃん本来の能力を引き出そう
この遊びを通して、「獲物を追いかける」「親が子犬をくわえて運ぶ」といった、わんちゃんの本能の動きを引き出すことができます。子犬のうちからこの遊びを始めることで、どんどん能力が高い子が育っていくでしょう。言われた物を持ってこられるようになったら、お手伝いをさせることもできますよ。
初めはわんちゃんがこの遊びに興味を示さなくても、根気強く続けていってください。オーナーと楽しくコミュニケーションをとっているうち、数週間もすればきっとわんちゃんの意欲や動きに変化が生まれるはずです。また、最初のうちはドッグランなどの屋外ではなく、家の中で練習するほうが、わんちゃんも集中しやすくなります。
「持ってきて」で遊ぶ際のオモチャは、わんちゃん用の丈夫な物を使用してください。わんちゃんが丸呑みしたり、噛んで飲み込んだりしないよう、しっかりと見守っておくことも大切なポイントです。安全を確保しながら、わんちゃんと楽しくコミュニケーションをとってくださいね。