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わんちゃんのしつけの中でも、大切な「マテ」。「マテ」は、拾い食いや困った行動などを止めさせるなど、わんちゃんの心身にとって大きな役割を担っています。「だるまさんが転んだ」の遊びで、「マテ」を楽しく練習させていきましょう。「マテ」の他にも、この遊びを通して、オーナーの表情に注目させたり、言葉を注意深く聞くようになったりといった成長も期待できます。
まずはオーナーの掛け声に合わせて「マテ」ができるように練習し、慣れてきたら「オイデ」と「マテ」を繰り返してできるようにします。最初は短い距離からスタートして、少しずつ距離を伸ばしていくのがコツです。途中で止まる回数も、少しずつ増やしていけるのが理想的ですね。
遊ぶ際には、「だるまさんが転んだ」の言い方や声色にもひと工夫加えてみてください。オーナー自身がワクワクするような声と表情をしていると、わんちゃんにも楽しい気持ちが伝わって、楽しく取り組んでくれるようになりますよ。わんちゃんの表情や反応をしっかりと観察しながら、トライしていってくださいね。
目次
- STEP1 まずは「マテ」を練習させよう
- STEP2 「だるまさんがオイデ」「転んだマテ」の声かけをする
- STEP3 「だるまさんが転んだ」の掛け声でストップ
- 離れた場所でも「マテ」ができるのは信頼の証
STEP1 まずは「マテ」を練習させよう
①「マテ」のサインを覚えさせよう
わんちゃんと向かい合って、オスワリやフセをさせ、「マテ」の状態にさせてください。そして、「マテ」の合図を出しながらわんちゃんから1~2mほど離れます。「マテ」の合図は手をパーにし、自分の前にまっすぐかまえるとよいでしょう。
②「オイデ」と「マテ」を繰り返す
「オイデ」と手招きをし、わんちゃんを呼び寄せます。わんちゃんが動いたらオーナーもすぐに近づき始めて、手のサインを見せながら「マテ」をし、わんちゃんをストップさせてください。「マテ」を出すタイミングは、離れた場所から半分ほどの距離のところが目安です。「マテ」でわんちゃんが止まったら、オーナーは最初にいた場所へ戻ってから「オイデ」をし、わんちゃんを手招きして呼び寄せてください。最初にいた場所で「マテ」と言ったことを教えるのが大切です。これを繰り返して、オーナーが近づかなくても「マテ」のサインを見て途中で止まれるようになったらOKです。
STEP2 「だるまさんがオイデ」「転んだマテ」の声かけをする
①「だるまさんがオイデ」「転んだマテ」の言葉をかける
「だるまさんが」=「オイデ」、「転んだ」=「マテ」とし、「だるまさんがオイデ」、「転んだマテ」と言いながら「だるまさんが転んだ」をします。「だるまさんがオイデ」と声をかけながら、「オイデ」をし、「転んだマテ」という言葉で「マテ」をさせましょう。始めは、「だるまさんが」「転んだ」の言葉は、小さなボリュームで。いつもと違う言葉をかけるとわんちゃんは混乱しますが、サインを見せながら「合っているよ」という表情を見せてあげてください。
②慣れてきたらボリュームを調整して
「だるまさんがオイデ」「転んだマテ」という言葉で、わんちゃんがSTEP1と同じ動きができるようになったら、少しずつ「オイデ」と「マテ」の声を小さくしていきます。そして、徐々に「だるまさんが転んだ」の掛け声を大きくしていくのがポイントです。
STEP3 「だるまさんが転んだ」の掛け声でストップ
①顔だけ振り返って「だるまさんが転んだ」を言おう
STEP2までをクリアできたら、いよいよわんちゃんに背中を向けての「だるまさんが転んだ」に挑戦です。まずは、わんちゃんに背を向けて顔だけ振り返ったポーズで「だるまさんが転んだ」と言う練習をしましょう。同時に、「オイデ」「マテ」のサインもはっきりと出してください。「転んだ」と言うときには、体ごと向きを変えてわんちゃんのほうを振り返ってあげます。オーナーさんが背を向けた状態で遊ぶことにわんちゃんが慣れてきたら、「だるまさんが」の掛け声をするときに、少しずつ前を見ていくようにしてください。
②わんちゃんに背中を向け、目線も合わせずにトライ
この遊びに慣れたら、オーナーさんはわんちゃんに背中を向け、目線も合わせずにトライしましょう! その際、「転んだ」の声で早めに振り返って、しっかりとわんちゃんが止まれていたら近づいて褒めてあげましょう。さらに、「お手」ができるなら、ゴールのところでオーナーにタッチさせてみてください。オーナーに近づいてきたら、おやつを肩や腰のあたりに見せて「お手」と言ってみて。慣れると自然に手を出してくれるようになりますよ。
POINT バリエーションを増やすと楽しみ方も広がる
わんちゃんがオーナーのところまできたら、少しだけわんちゃんを追いかけてみましょう。すると、タッチしたら逃げるようになります。また、「だるまさんが転んだ」というワードが楽しいものだとわかったら、わんちゃんが座っているところにオーナーが寄っていくという逆バージョンもOK。バリエーションを増やすと楽しみ方も広がっていきますよ。
離れた場所でも「マテ」ができるのは信頼の証
「だるまさんが転んだ」で遊ぶことによって、わんちゃんは「マテ」を覚えられるようになるだけでなく、オーナーとの絆も深まっていきます。「オイデ」「マテ」という言葉を繰り返すことで、オーナーの表情や動きに注目し、言葉を注意深く聞けるようになるからです。少し離れた場所からでも「マテ」ができるのは、オーナーを完全に信頼しているという証でもあるのです。さらに、体の向きに関係なくオーナーさんのことを見てくれるようにもなるので、わんちゃん自身の危険回避にもつながるでしょう。
この遊びは室内でも簡単にできるものですが、わんちゃんが滑って転んでしまわないようにマットなどを敷いてトライするのがおすすめです。慣れてきたら、屋外でもチャレンジしてみてください。ただし、どこでトライするにしてもロングリードは必須です。たとえノーリードで遊べるドッグランなどでも、他のオーナーやわんちゃんへの気配りも忘れないようにしてくださいね。
「どの遊びでもそうですが、わんちゃんが少しでも新しいことができるようになったら、目いっぱい褒めてあげるのがステップアップにつながるポイントです。「だるまさんが転んだ」で、わんちゃんとのアイコンタクトや顔を合わせることを楽しんでください!