更新 ( 公開)
わんちゃんがオモチャで遊ぶことに慣れたら、次はオーナーとわんちゃんとの遊びです。オーナーがわんちゃんの獲物になりきって追いかけさせたり、犬になりきってわんちゃんと犬同士の遊びに興じたり。オモチャやおやつを使わずに行うことができます。
最初はわんちゃんのテンションとペースに合わせます。テンション低めのわんちゃんに対してハイテンションだと、わんちゃんは警戒。逆のパターンだと、わんちゃんは面白くないと感じてしまいます。少しずつ合わせていって、オーナーのテンションやペースに巻き込んでいきます。
オーナーとわんちゃんとの絆が深まるだけでなく、いろいろな遊びのウォーミングアップにもなる簡単な遊びです。ぜひ毎日遊んでみてください。
目次
- STEP1 わんちゃんの獲物になりきって遊ぶ
- STEP2 犬になりきってわんちゃんと遊ぶ
- オーナーへの動機づけが、自発的な行動ができるわんちゃんへの第一歩
STEP1 わんちゃんの獲物になりきって遊ぶ
①わんちゃんの名前を呼んで追いかけさせる
気が散らない環境で、わんちゃんの名前を呼んで気を引きます。「楽しいことが始まるよ!」の気持ちを込めることが大切です。オーナーは獲物役になり、逃げるものを追いかけるわんちゃんの習性を利用し、後ずさりをして追いかけさせます。反応が薄いわんちゃんには、常に声をかけながら行ってみてください。
その気にならないわんちゃんには、届きそうで届かないところからスタート。一歩でも追いかけたことをうれしがっていると、わんちゃんは喜んで追ってくるようになります。
②わんちゃんに捕まえられたら大げさに喜んで
追いかけさせるのは数秒程度。わんちゃんに「捕まえた!」という達成感を味わせることが大切です。「捕まっちゃったなぁ〜」など、わんちゃんが追いついたことを大げさに喜びます。
③今度はわんちゃんが追いつけないように
ひと呼吸おいたのち、再び突如後ずさりをして追いかけさせます。わんちゃんが楽しんでいるようなら、追いつきそうなところでサッと体の向きを変えたり、逃げ方に緩急をつけたり。わんちゃんに「なかなか追いつけないな」と思わせます。
④わんちゃんが物足りないぐらいで終わりがベスト
10秒程度の遊びを数回繰り返したら終わりにします。わんちゃんがノッてきて、「もうちょっと遊びたいな」と思ったところで止めるのがベストです。
⑤どんな環境でもオーナーとの遊びが一番になるように
わんちゃんがこの遊びに積極的になってきたら、次は外の環境でやってみます。気になるものがあっても、「オーナーとの遊びが一番!」となるようにしていきます。
⑥オーナーの獲物になりきる演技力が大事
獲物は動き続けるもの。例えば、高い声などの奇声をあげる、手をひらひらさせる、洋服の中に手を入れてモゾモゾしてみせるなど、わんちゃんの興味を引きつける獲物としての演技力を身につけることが大事です。奇妙な動きで、人には見せられない姿かもしれませんが、わんちゃんのために頑張りましょう!
⑦わんちゃんの表情を読みとろう
この段階では体を触られるのが嫌いなわんちゃんに、ボディタッチをして喜びを伝えるのは避けます。目の輝きを観察してみてください。楽しいと感じているわんちゃんの目は輝いています。わんちゃんの表情を読みとれるようになると、お互いにもっと楽しく遊べるようになります。
POINT わんちゃんの名前を呼んで叱るのはNG
普段の生活で、呼び寄せてからわんちゃんの嫌がること(ハウスに入れる、ブラッシングや爪切りをするなど)をしていませんか? わんちゃんの名前を呼んで叱っていませんか? 名前を呼ばれたらわんちゃんにとってうれしいことが100%あるように普段から気をつけることが、しつけへの第一歩です。
STEP2 犬になりきってわんちゃんと遊ぶ
①わんちゃんの体を軽く突き放してみる
わんちゃんが獲物遊びで目を輝かせて追いかけてくるようになったら、このSTEP2へ。追いついたわんちゃんの体を軽く突き放してみます。それでもそばに駆け寄ってくるなら、わんちゃんがオーナーとの遊びに夢中な証拠。ここまできたら遊びの幅を広げていきます。
②プレイバウの姿勢で遊びを仕掛けよう
犬になりきり、「わんわんプロレス」などと呼ばれる犬同士のじゃれあいを行います。「プレイバウ」という犬同士で遊びに誘う姿勢をとって、追いかけてきたわんちゃんに遊びを仕掛けてみます。
③わんちゃんが喜ぶちょっかいを出してみる
わんちゃんをゴロンと寝かせてお腹をこちょこちょしてみたり、口をつけてブーっと息を吹きかけてみたり、大きなわんちゃんなら抱きかかえてゴロゴロ転がったり......。人間の赤ちゃんにやるような「ちょっかい」もわんちゃんは喜んでくれます。普段禁止している跳びつきも少々ならOKです。
④わんちゃんが興奮したらクールダウンのルールを徹底
わんちゃんが遊びに興奮しすぎて、吠えたり甘噛みしたりし始めたらいったん中断。クールダウンさせます。このルールを続けると、なぜ遊びが中断されたのか、わんちゃんが自分で考えるようになり、興奮しすぎないで遊べるようになっていきます。
⑤犬になりきって心から楽しんで
わんちゃんは人の表情や匂いで感情がわかると言われています。中途半端でヘタな演技は、見抜かれてしまうのです。オーナーはとにかく犬になりきって、声を出して心から楽しんでみることが重要です。遊びに夢中になっていると、触られると怒るわんちゃんも気にしなくなります。足の先や尻尾の先、耳などを触られることにも慣らしていきます。
オーナーへの動機づけが、自発的な行動ができるわんちゃんへの第一歩
この遊びを通して、わんちゃんはオーナーに夢中になっていきます。つまり、オモチャやおやつではなくオーナーへの動機を強くし、わんちゃんの中でオーナーの価値を高めることができるのです。動機が強いわんちゃんは、遊びに対しても、しつけに対しても、自発的・意欲的に行動できるようになります。
オーナーに呼ばれると楽しいことがあると思わせることで、呼び戻しもスムーズに。よそのわんちゃんや人に吠えてしまう場合でも、オーナーへの動機が強ければ、吠えそのものを減らすことができます。吠えてしまっても、オーナーへの注目を促すことで制止が可能に。お散歩の時の引っ張りも、オーナーへの注目が強くなれば軽減していきます。
すぐに効果が出る遊びではありませんが、薄紙を重ねるように一緒に日々遊ぶことで、わんちゃんとの関係がより一層強固なものになっていきますよ。