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私は今年で漫画家歴33年目のアラフィフ世代で、昭和後半くらいから現在まで犬を取り巻くいろんな『常識』が大きく変動していくのをリアルタイムで見てきました。
前回は今では考えられない『常識』を取り上げました。今回は、そんな移り変わる常識を経て、私が辿り着いた振り回されないための方法をお伝えしようと思います。
目次
- 【平成】あの時もっと知っていれば…!今でも後悔が残る変な『犬の常識』
- 過去から学ぶ、変化する『犬の常識』に振り回されないためのメソッド
- 数十年の“犬”経験でようやく辿り着いた正解
【平成】あの時もっと知っていれば…!今でも後悔が残る変な『犬の常識』
「自然体が1番!」犬の避妊去勢手術に対する認識
さらに、まだ不妊手術も主流になりきっておらず、私もまた「体がどこも悪くないのにメスを入れるなんて可哀想」と本気で思っていました。トリミング専門学校に通ってましたが、学校の友達や先輩、先生方の愛犬、日々やってくるたくさんのカットモデル犬たちにも、不妊手術をしている子はほとんどいなかったと記憶しています。
マーシーは、嫌な事をされると歯を剥き出して怒り、噛み付くことも時々ありました。ただでさえ神経質な牧羊犬のシェルティーなのに、家族で統一されないしつけ方や大きな音で驚かすような叱られ方、その上去勢手術もしていないので、当然といえば当然ですが、家族全員マーシーに噛まれた傷がどこかしらに残ってます。
その後トリミング学校でブリーダーを探してもらい、私は初めてのトイプードルのオスの子犬(名前はアック)を迎えました。歳の差が1年弱のマーシーとアック。普段はひっついて眠るような仲良し兄弟。けれど未去勢のオス同士、何かのきっかけで噛み付き合いの大喧嘩をすることもありました。
現在一緒に暮らしているトイプーとスタンプーの仲良し兄弟を見ながら、「今の私なら、きっとマーシーとアックがもっと心穏やかな状態で快適に暮らさせてあげられるのにな・・・」と、ふたりにはいまだに申し訳ない気持ちが残っています。
愛犬のフード選びや与え方も先生を盲信するしかなかった
その頃はさすがに愛犬の食事はドッグフードが主流になってました。与えるものも、学校の先生など にも聞いて「これがいいよ」というフードを選んで与えていました。でもそのフードですら、現在のフード状況なら『それは選ば ない』というレベルです。さらに、当時は成犬のごはんは『1日1回』でした。 信じられないですよね。現在のうちの愛犬達は早食いや胃捻転など防止のため『1日3回』食事を与えています。お腹を壊した時なら1日5回です。
過去から学ぶ、変化する『犬の常識』に振り回されないためのメソッド
『犬の常識』は変わるものだと理解すること
まだまだ細かく書き始めるとキリがないほど、愛犬に与える快適な暮らしの『常識』は変化しています。 熱心な愛犬家であればあるほど、たくさん本を読んだりネットで調べたりして犬について一生懸命勉強されてると思います。昔私が犬雑誌やしつけ本などで得たよりもずっと多くの知識や情報がネット上には飛び交っていて、読めば読むほど何が 正しいのかわからなくなるかもしれません。そして真面目な人ほど誰かが書いた『常識』をきっちり遂行しようとするんじゃないかと、そしてうまくいかないと嘆いたり、イライラしたり、愛犬に八つ当たりをしてしまったりすることもあるかもしれません。
でもその『常識』が10年後、20年後にも『常識』であるのかどうかは誰にもわからないんですよ。 これから先もきっと犬の研究は進み、携わる人によってしつけや犬の暮らしの考え方が違ったりして、本やネットに書いてることはおそらく時代ごとに変わり続けるのでしょう。 長い間『定説』とされていた『アルファドッグ説』『アルファパック理論』も現在では間違っているという見解も出てきています。アルファ論が正しいとされる記事も間違ってるとされる記事もどちらも理路整然と自信満々に書いてあり、読めばどちらも正しいんじゃないかと思ってしまいます。 でもそうして記事になっていることは全て『人間』が『そうじゃないかな?』と考え、仮説を立てて実験や研究をしているんですよね。本当に本当の真実は『犬しか知らない』んです。
数十年の“犬”経験でようやく辿り着いた正解
愛犬と仲良く楽しく暮らしていくために飼い主さんに一番見て欲しいのはハウツー本でもネットの記事でも周りの犬やわん友さんでもなく、『あなたの愛犬の個性』だということに気付きました。 たくさんの記事を読んで話を聞いて様々な見解があることを知った上で、自分の犬にはどのやり方が合うのかを見極めていくことが大事なのではないかと思います。
どの記事にも書いてあるしつけのセオリー通りにやっても上手くいかないのは、犬が悪いのでも飼い主さんが悪いのでもなく「その子にはその教え方が合ってない」のかもしれません。
誰かのいう『犬の常識』にばかり振り回されないで、あなたの愛犬はどういう行動をするのか、何を好むのか、何をしたらこちらの話を聞いてくれるのか、もっともっとよーーーーーーーく穴が開くほどその子を観察してみてください。
うちの愛犬達もこの2月と5月で13歳になりましたが、これからも日々愛犬達の観察を続けていこうと思ってます!
まとめ
愛犬がおしっこする時どちらの足を上げるのか覚えてますか?なんとなくではなく意識を持ってよく見ていると、嬉しい時は尻尾がこっちに動く、水を飲みにいく前にはこの仕草をする、 鼻がこっちに曲がるのはこんな時、こちらの耳だけを傾ける時はこんな時、など新しいことをたくさん発見できて、飼い主さんもとても楽しいと思います。
同時に『いつもと違う』にいち早く気づけるようになり、病気や体の異変の早期発見も可能になります。 なによりも相手を知ることで今よりももっともっと愛犬と仲良くなれるはず!