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獣医師資格取得後、小動物臨床経験6年。主に犬猫の臨床に携わる。現在は子育てをしながら、愛猫と暮らしている。
熱中症は、一度発症すると命を落とすこともある危険な病気です。大切な愛犬の命を守るためにも、室内でも暑さ対策は万全に行いましょう。ご紹介するポイントを参考に、熱中症対策を見直すきっかけにしてください。
目次
- 窓から差し込む日差しをよける
- 空気の循環をよくしてエアコンで効率的に冷やす
- クレートの移動&熱中症対策グッズを用意する
窓から差し込む日差しをよける
夏の日差しは、早朝や夕方でも、室内に差し込めば気温上昇の原因になります。日が差し込む前から十分な日よけを行って、室温の上昇を和らげましょう。
カーテンを遮熱タイプのものに変更する
アルミ製のブラインドや遮熱機能がないカーテンは、日差しを遮ることはできても、熱を部屋にため込む可能性があります。遮熱カーテンに切り替えて、気温の上昇も防ぎましょう。
窓の外側からも対策を
窓の内と外から日を遮ると、より効果的です。窓の外によしずを立てかけるか、つる性の植物で緑のカーテンを作れば、外側からも日差しを遮れます。
また、人工芝やウッドデッキを敷くことで、照り返しによる気温上昇が予防できるでしょう。
空気の循環をよくしてエアコンで効率的に冷やす
いくらエアコンを使っても、空気の循環が悪ければ部屋全体を冷やせません。エアコンの効きをよくするために、次の対策を行いましょう。
エアコンの風向きをコントロールして室温を26℃前後に保つ
家の構造や犬の健康状態などにもよりますが、室温は26℃前後が最適といわれています。エアコンの冷風が床と平行に吹き出すように設定すると、空気が循環してまんべんなく冷え、湿気もたまりにくくなるでしょう。また、扇風機やサーキュレーターなどもあわせて使うと、効率的に空気を循環させられます。
お風呂やトイレの換気扇をまわして天井付近の熱気を外に逃す
エアコンを効率よく使うためには、天井付近にたまりがちな熱気を逃すことも大切です。お風呂やトイレの換気扇をまわしておくと、天井付近にたまった熱い空気が流れ、室温や湿度の上昇を防ぐことにつながります。
温度と湿度は犬の高さで確認する
いくら空気を循環させても、天井と床の近くでは温度差があります。室温と湿度を測るときは、愛犬の高さで計測しましょう。その日の最高室温と最高湿度を記録しておくと、留守番時のタイマー設定に役立ちます。
クレートの移動&熱中症対策グッズを用意する
愛犬が使うグッズにも、熱中症対策のポイントがあります。次の対策をして、愛犬が過ごしやすい環境を整えましょう。
ハウスは日光が当たらない場所へ移動する
ハウスの置き場所には、日光の影響を受けにくい北側が適しています。エアコンの風が直接当たらない場所を選ぶのも大切。壁際にハウスを置く場合は、隣接する部屋が暑いと温度が伝わる可能性があるので、その部屋のカーテンも閉めて対策しましょう。
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日陰に複数の飲み水を用意する
飲み水がひとつしかないと、飲み干したり、こぼして飲めなくなったりする可能性が。日の当たらない場所に置いて蒸発を防ぎ、常時飲み水は複数設置しましょう。
保冷グッズを配置する
愛犬に留守番をさせるときは、保冷グッズを用意するのもおすすめ。ひんやりマットなどの市販の保冷グッズや、凍らせたペットボトルを置いておくと、愛犬が自らの意思で自由に涼めるでしょう。